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歯科技工士・岩澤 毅

湯浅 誠 (著) ヒーローを待っていても世界は変わらない [単行本]

2012年09月07日 | amazon.co.jp・リストマニア
形骸化する「民主主義」この実感無きもの行方, 2012/9/7

By 歯職人

 「年越し派遣村」等の貧困問題が話題になりだした頃からテレビニュース等、世間に登場した湯浅誠氏による、頼りなげで儚き「民主主義」を今一度問い直す一冊です。
 湯浅誠氏という、その物腰からは決して過激でもなく、一見頼りなげにも見える青年が、小泉ブームがもたらした、小泉・竹中「改革」の結果に学ぶことも無く、またも英雄待望論・「ヒーロー登場願望」が満ちているのでは思われる2012年の世相と政治状況に対し、この一冊は闘争宣言と位置付けられるのではないか。言わば、大阪維新の会的なもの、敵を作り、断罪し、権力を奪取する動き。国家改造、価値感の破壊等の動きと、それを支え加速させる「民主主義」の担い手としての国民に、「ヒーローを待っていても世界は変わらない」このメッセージを伝えるための一冊と読んだ。
 本書の語り口は、極めて温厚であり湯浅氏そのものと言って良いのかもしれない。
 2012年後半から2013年の政治状況は、湯浅氏の危惧する方向に進むだろう。その中で、湯浅氏がどのような運動を組み立てるのか。「維新」的なものに対する対抗軸構築の本書が一つのヒントであり、結集軸になっていくのではないか。
 小泉チルドレン、小沢ガールズに象徴される政治風土の劣化と政策における「不良債権」の増加が、結局は国民自身の選択の結果であり、三度、橋本○○を生み出すのか?

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ヒーローヲマッテイテモセカイハカワラナイ
ヒーローを待っていても世界は変わらない


湯浅 誠【著】
朝日新聞出版 (2012/08/30 出版)

190p / 19cm / B6判
ISBN: 9784022510129
NDC分類: 311.7

価格: ¥1,365 (税込)

詳細

「決めたい」のか「決めてほしい」のか?
格差・貧困と民主主義を大阪から考える。

第1章 民主主義とヒーロー待望論
第2章 「橋下現象」の読み方
第3章 私たちができること、やるべきこと

著者紹介

湯浅誠[ユアサマコト]
1969年、東京都生まれ。社会活動家。反貧困ネットワーク事務局長、NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」理事。95年から野宿者の支援活動を始め、貧困問題に関する活動と発言を続ける。2009~12年、内閣府参与。著書『反貧困―「すべり台社会」からの脱出』で大佛次郎論壇賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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