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歯科技工士・岩澤 毅

渡邊大門(著) 黒田官兵衛 作られた軍師像 (講談社現代新書)

2013年10月26日 | amazon.co.jp・リストマニア
1次史料から黒田官兵衛を描く, 2013/10/26

By 歯職人

 「軍師」伝説に彩られた黒田官兵衛を、信頼できる1次史料のみに依拠して描く一冊です。
 本書によって、血沸き肉躍ることはありません。しかし、歴史学の史料批判に接する事は出来ます。
 史実によって、小説を貶め、映画やドラマを蔑むる必要もありませんが、逆に小説家の想像力や物語を紡ぐ力、映像の持つ力を再確認できるでしょう。
 本書により、事後広報の力、この場合で言えば『養生訓』の筑前国(現在の福岡県)福岡藩士の貝原益軒が藩命により編纂した『黒田家譜』の影響力に魅力を感じます。
 福岡藩黒田家の願望と江戸期の家の生き残りを賭けたキャンペーンにこそ、「軍師・黒田官兵衛」誕生の秘密があるのではないかと思わせる一冊です。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4062882256/ref=cm_cr_mts_prod_img

講談社現代新書
黒田官兵衛―作られた軍師像

渡邊 大門【著】

価格 \840(税込) 講談社(2013/09発売

内容説明

類稀なる交渉術を駆使し、中国計略から北条氏討伐の小田原合戦に至るまで豊臣秀吉の天下統一の大事業を扶けた稀代の智将。「備中高松城水攻め」「中国大返し」の真実とは?本当に天下獲りを目指したのか?信頼できる史料のみをもとに、その出自から「名軍師」「二流の人」などに至るまで後世に創作された様々な俗説を徹底検証し、巷間に流布された従来の軍師像を超えて、自らの才覚のみで道を切り開いた新しいタイプの武将として新たな黒田官兵衛像を描く。

目次

第1章 黒田氏の出自と父祖(黒田氏と編纂史料;近江佐々木源氏出自説 ほか)
第2章 若き官兵衛―本能寺の変まで(若き官兵衛;元服後の動向 ほか)
第3章 秀吉の天下統一戦争における官兵衛(本能寺の変と官兵衛;毛利氏との和睦 ほか)
第4章 朝鮮出兵から関ヶ原合戦へ(朝鮮出兵と官兵衛;朝鮮出兵の経過 ほか)
第5章 「名軍師像」誕生の背景(官兵衛の研究の影響;金子堅太郎の『黒田如水伝』 ほか)

著者紹介

渡邊大門[ワタナベダイモン]
1967年生まれ。佛教大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専攻は日本中世政治史。大阪観光大学観光学研究所客員研究員。歴史研究家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

出版社内容情報

2014年大河ドラマの主人公がわかる! 中国大返しの真実は? 関ヶ原のときいかに動いたか? 名軍師像の下に隠された実像に迫る

来年の大河ドラマの主人公黒田官兵衛。その有能さは、豊臣秀吉、徳川家康をも恐れさせたと言われる、戦国から江戸前期にかけての大名です。本能寺の変で、信長が斃れ悲嘆にくれる秀吉に、「天下を取る好機です」とささやき、有名な中国大返しを実現させたなど、多くのエピソードが残っています。しかし、それらは主として江戸時代に作られたものがほとんどです。官兵衛といえば、「軍師」という言葉がついてまわりますが、この「軍師」という言葉も、戦国時代にはなく、後世につくられたものだったのです。本書は、信頼できる史料をもとに、黒田官兵衛の実像に迫る一冊です。

第一章 黒田氏の出自と父祖
第二章 若き官兵衛――本能寺の変まで
第三章 秀吉の天下統一戦争における官兵衛
第四章 朝鮮出兵から関ヶ原合戦へ
第五章 「名軍師像」誕生の背景

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