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歯科技工士・岩澤 毅

永田町「悪魔の辞典」 (文春新書) 伊藤 惇夫 (著)

2008年08月16日 | amazon.co.jp・リストマニア
政党職員という黒子が見た小沢一郎の見果てぬ夢「政界再編」, 2008/8/16

By 歯職人

 本書タイトルから、読者がビア-スの著作と類似の内容を想像し手に取ったとすると、その期待は裏切られます。
 著者の伊藤惇夫氏は、自民党職員から政治の黒子の世界に入り、おおむね羽田孜氏らと行動を共にし最後は民主党事務局長を務めた。
 30年間政界を取り巻く人間模様と政治抗争を見続け、また渦中のプレーヤーとして永田町に生息し、住人として暮らし当然にも清濁に交わる。
 小沢・羽田氏らの自民党脱党時、故あって自民党職員に残留した伊藤の微妙な立場からの党内の観察記は、本書の収穫である。
 伊藤惇夫氏の見据え批判の矛先には、無能な政治家を選出し続ける無責任或いは責任の観念さえ持ち合わせない有権者に注がれる。
 本書の基底に流れるある種の「断念」は、伊藤惇夫氏の30年の「無念」の表明かもしれない。
 かつて言霊の国と言われ、政治は言論の戦いされた日本の現在の政治の状況への伊藤の苛立ちが行間から読み取れる。 

(ナガタチョウアクマノジテンブンシュンシンショ )
文春新書
永田町「悪魔の辞典」
ISBN:9784166603886 (4166603884)
221p 18cm
文芸春秋 (2004-07-20出版)

・伊藤 惇夫【著】
[新書 判] NDC分類:312.1 販売価:735(税込) (本体価:700)

二〇〇三年の総選挙で一躍流行語となった「マニフェスト」。
新聞やTVニュースは「政権公約」と訳したが、そもそも政権公約なんて実行されたことがあっただろうか―。
一見真っ当に見える政治用語も、裏側を覗けば、そこは魑魅魍魎の世界が広がっている。
はたして、日本政治の実態とは?「二大政党制」「無党派層」「議員秘書」から、基本中の基本「政治家」「国会」まで、26の政治用語を再定義しつつ、この十年の日本政治の生態を詳らかにする。

教科書にある“基本用語”
世間を騒がす“新語・流行語”
“税金”の別名たち
“死語”の世界
新聞にでてくる“基本用語”
“虚構”の世界


伊藤惇夫[イトウアツオ]
1948年神奈川県生まれ。学習院大学法学部卒。自民党事務局を経て、94年新進党に移る。以後、太陽党、民政党、民主党の事務局長を歴任。2001年に退任するまで永田町の黒衣歴は三十年に及ぶ。現在は政治アナリスト、明治学院大学・大東文化大学非常勤講師

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