[014/052] 162 - 衆 - 予算委員会 - 3号
平成17年01月28日
○長妻委員
そして、懸案になっておりました橋本元総理の一億円の問題でございますけれども、総理、日本歯科医師会はなぜ一億円橋本総理に渡したのか、どうしてだと思いますか。
○小泉内閣総理大臣 わかりません。
○長妻委員 わからないから我が党は証人喚問を主張しているわけでございまして、これはやはりわかる必要があると思うんですが、総理、いかがですか。
○小泉内閣総理大臣 私に聞かれたから、わかりませんと言ったんですよ。それは今議員間で協議しているから、よく協議していただきたいと思います。
○長妻委員 厚生労働大臣にお伺いいたしますけれども、かかりつけ歯科医の初診料の要件緩和というのが二〇〇二年の四月から緩和、実質値上げになったということでございますが、そうすると、要件緩和がされた前と後で、この初診料に限っていいますと幾ら増収になったのか、お答え願えればと思います。
○尾辻国務大臣 お話しのように、かかりつけ歯科医初診料は、平成十二年に創設をされたものでございます。これに対して、十四年度にこれをさらに推進しようということで算定要件の緩和を行いました。
このときにどういう変化をしたかということでございますが、歯科の初診料と合わせてお答えをいたします。すなわち、かかりつけ歯科医初診料と歯科初診料と合わせての数字でございますが、合わせて十四年度と前年度を比べますと、二百八十億円増加をいたしております。
○長妻委員 今お答えがございまして、二百億円以上、初診料に限定すると伸びたということでございます。
これは日本の構造的な問題にも絡むのでございますけれども、仮に、一億、二億、三億、四億の裏金でこの初診料が値上がりしたということになるとすれば、たった数億円の投資で、投資という言葉をあえて使いますけれども、投資で二百億以上の収入が毎年毎年ふえる、こういう構造的な問題があるとすれば、これはもう是正する、これがやはり国としてやるべきことだというふうに思います。
時系列的に申し上げますと、橋本元総理が一億円もらった時期というのが二〇〇一年の七月でございます。そして、二〇〇一年の六月、前の月に、例の逮捕されました中医協の委員が都内料亭でわいろをもらって、橋本さんがもらったのと同じ七月に、中医協で、そのわいろをもらった方が要件緩和の後押し発言をしたというふうに言われております。ちょうどその初診料の要件緩和の攻勢、陳情攻勢といいますか、それがピークを迎えていたまさにその時期に、一億円が、トップである臼田さんから橋本さんに渡ったということでございまして、これはやはりその絡みがあるんではないのか。
これは本当に多くの皆さんの関心事だと思いますけれども、総理、これはぜひ喚問をしないといけないと思うんですが、いかがですか。
○小泉内閣総理大臣 それは、今、理事同士で、多くの喚問要求している中でどう対応するか協議していることだと思いますね。その協議をしている最中に、院の運営に対して私があれこれ言う立場ではないと思うのであります。
○長妻委員 総理は、国会のルールである再質問などでもかなり行政府の人としては踏み込んだ発言をされておられるぐらいですから、この証人喚問、では総理、個人的な意見はどうですか。やはり証人喚問はするべきなのかどうなのか、個人的な考えをお聞かせください。
○小泉内閣総理大臣 これは、なぜ証人喚問が全会一致で行われるようになったかという経緯もやはり考えなきゃいけないと思うんです。多数決でやると政争の具になりかねない。少数派が多数党の横暴で多数決でやられて、証人喚問というものを政争の具に使っちゃいかぬということで全会一致になっているんですね。だから、少数党でも、何人でも、少数党が反対するとこれはできないんです。
だから、そういう点も含めて、証人喚問については、いろいろなことを考えて、よく各党協議で、何人にするのか、だれを呼ぶのかということについては院の運営に任されているわけであります。そういう点については、各議員が良識を発揮されて、よく協議していただきたいと思います。
○長妻委員 これは、永田議員、辻議員の御尽力で検察審査会が不起訴不当という結論が出ているわけでございまして、これを総理、どう受けとめますか。
○小泉内閣総理大臣 それは検察がそういう判断をしたことに対して審査会で違うというような判断をしたんですから、これは検察が判断すべき問題だと思います。
○長妻委員 厚生労働省の報告書によると、こういう報告があります。平成十六年の九月二十八日に、「今回の贈収賄容疑となった不適切な働きかけによって影響を受けた可能性を完全に払拭することはできない」ということなんですね。ただ、その後に、「ものの、殊更にこの問題について発言をして議論をリードしようとした形跡は認められなかった。」と。
払拭はできないけれどもリードしようとした形跡は認められないという非常に玉虫色の言葉なんですが、前段では「影響を受けた可能性を完全に払拭することはできない」ということで、一部厚生労働省も、今回の事件でいろいろ議論がゆがめられたということを認めておられるわけで、これ、一時、初診料の要件緩和、これを撤回する、一時的に撤回して、そしてきちっと議論をし直す、こういうおつもりはありませんか。
○尾辻国務大臣 ただいまの件につきましては、昨年の九月に、これに対する中間報告も出しております。
その中で申しておりますことは、中医協における審議について、支払い側委員が殊さらこの問題について発言して議論をリードしようとした形跡は認められない、あるいは、事務局の行動も、中医協の事務局として、一貫して中医協における審議の流れに沿った対応をとっているものと認められること、改定内容も、支払い側及び診療側双方の意見を反映した内容となっていることが認められるから、政策決定がゆがめられたものとは認められなかった、こういう報告をいたしております。
○長妻委員 前段を意図的に読まないというのは本当にフェアじゃないと思うんですが、前段では、「今回の贈収賄容疑となった不適切な働きかけによって影響を受けた可能性を完全に払拭することはできない」、こういうふうに厚生労働省の報告書にも書いてあるわけでございまして、これは、日本という国はどういう国なのか、ばれてもばれなくても結局裏金が有効に機能する国なんじゃないか、こういうふうに多くの国民の皆さんは疑念を持つんじゃないかと思います。
お金を払って、そして逮捕者が出て、ばれた。ばれても別に変わらない。では、裏金、ばれてもばれなくても得じゃないか、こういう風潮が広がること自体が問題だと思うんですよ。やはり、何で臼田さんは橋本さんに一億円を渡したのか、ここを解明するということが、本当に日本の国にとって重要だと思います。
総理、個人的でもいいですから、そういう解明は必要だと思うか思わないか、そのぐらい答えてください。
○小泉内閣総理大臣 その解明のためにどういう手だてが必要かということを今真剣に協議しているわけでしょう。それは協議が必要だから。いい結論を出していただきたいと思います。
○長妻委員 では、証人喚問はどう思いますか。
○小泉内閣総理大臣 先ほどもお話し申し上げましたように、国会が決めることであります。
○長妻委員 総理、こういうときは自分の考えを全く言わない。かばっているとしか思えないんですよ。もう一度御答弁ください。
○小泉内閣総理大臣 それは、よく、立法府のことに口出しするなと言うときもありますから、私は、これは今真剣に皆さんが議論している。会の運営でも、私は、出てこいと言えば出てきますし、そういうのは院の国会運営に任せているわけですから、それは国会で今真剣に各議員が協議しておりますから、その結果を尊重いたします。
平成17年01月28日
○長妻委員
そして、懸案になっておりました橋本元総理の一億円の問題でございますけれども、総理、日本歯科医師会はなぜ一億円橋本総理に渡したのか、どうしてだと思いますか。
○小泉内閣総理大臣 わかりません。
○長妻委員 わからないから我が党は証人喚問を主張しているわけでございまして、これはやはりわかる必要があると思うんですが、総理、いかがですか。
○小泉内閣総理大臣 私に聞かれたから、わかりませんと言ったんですよ。それは今議員間で協議しているから、よく協議していただきたいと思います。
○長妻委員 厚生労働大臣にお伺いいたしますけれども、かかりつけ歯科医の初診料の要件緩和というのが二〇〇二年の四月から緩和、実質値上げになったということでございますが、そうすると、要件緩和がされた前と後で、この初診料に限っていいますと幾ら増収になったのか、お答え願えればと思います。
○尾辻国務大臣 お話しのように、かかりつけ歯科医初診料は、平成十二年に創設をされたものでございます。これに対して、十四年度にこれをさらに推進しようということで算定要件の緩和を行いました。
このときにどういう変化をしたかということでございますが、歯科の初診料と合わせてお答えをいたします。すなわち、かかりつけ歯科医初診料と歯科初診料と合わせての数字でございますが、合わせて十四年度と前年度を比べますと、二百八十億円増加をいたしております。
○長妻委員 今お答えがございまして、二百億円以上、初診料に限定すると伸びたということでございます。
これは日本の構造的な問題にも絡むのでございますけれども、仮に、一億、二億、三億、四億の裏金でこの初診料が値上がりしたということになるとすれば、たった数億円の投資で、投資という言葉をあえて使いますけれども、投資で二百億以上の収入が毎年毎年ふえる、こういう構造的な問題があるとすれば、これはもう是正する、これがやはり国としてやるべきことだというふうに思います。
時系列的に申し上げますと、橋本元総理が一億円もらった時期というのが二〇〇一年の七月でございます。そして、二〇〇一年の六月、前の月に、例の逮捕されました中医協の委員が都内料亭でわいろをもらって、橋本さんがもらったのと同じ七月に、中医協で、そのわいろをもらった方が要件緩和の後押し発言をしたというふうに言われております。ちょうどその初診料の要件緩和の攻勢、陳情攻勢といいますか、それがピークを迎えていたまさにその時期に、一億円が、トップである臼田さんから橋本さんに渡ったということでございまして、これはやはりその絡みがあるんではないのか。
これは本当に多くの皆さんの関心事だと思いますけれども、総理、これはぜひ喚問をしないといけないと思うんですが、いかがですか。
○小泉内閣総理大臣 それは、今、理事同士で、多くの喚問要求している中でどう対応するか協議していることだと思いますね。その協議をしている最中に、院の運営に対して私があれこれ言う立場ではないと思うのであります。
○長妻委員 総理は、国会のルールである再質問などでもかなり行政府の人としては踏み込んだ発言をされておられるぐらいですから、この証人喚問、では総理、個人的な意見はどうですか。やはり証人喚問はするべきなのかどうなのか、個人的な考えをお聞かせください。
○小泉内閣総理大臣 これは、なぜ証人喚問が全会一致で行われるようになったかという経緯もやはり考えなきゃいけないと思うんです。多数決でやると政争の具になりかねない。少数派が多数党の横暴で多数決でやられて、証人喚問というものを政争の具に使っちゃいかぬということで全会一致になっているんですね。だから、少数党でも、何人でも、少数党が反対するとこれはできないんです。
だから、そういう点も含めて、証人喚問については、いろいろなことを考えて、よく各党協議で、何人にするのか、だれを呼ぶのかということについては院の運営に任されているわけであります。そういう点については、各議員が良識を発揮されて、よく協議していただきたいと思います。
○長妻委員 これは、永田議員、辻議員の御尽力で検察審査会が不起訴不当という結論が出ているわけでございまして、これを総理、どう受けとめますか。
○小泉内閣総理大臣 それは検察がそういう判断をしたことに対して審査会で違うというような判断をしたんですから、これは検察が判断すべき問題だと思います。
○長妻委員 厚生労働省の報告書によると、こういう報告があります。平成十六年の九月二十八日に、「今回の贈収賄容疑となった不適切な働きかけによって影響を受けた可能性を完全に払拭することはできない」ということなんですね。ただ、その後に、「ものの、殊更にこの問題について発言をして議論をリードしようとした形跡は認められなかった。」と。
払拭はできないけれどもリードしようとした形跡は認められないという非常に玉虫色の言葉なんですが、前段では「影響を受けた可能性を完全に払拭することはできない」ということで、一部厚生労働省も、今回の事件でいろいろ議論がゆがめられたということを認めておられるわけで、これ、一時、初診料の要件緩和、これを撤回する、一時的に撤回して、そしてきちっと議論をし直す、こういうおつもりはありませんか。
○尾辻国務大臣 ただいまの件につきましては、昨年の九月に、これに対する中間報告も出しております。
その中で申しておりますことは、中医協における審議について、支払い側委員が殊さらこの問題について発言して議論をリードしようとした形跡は認められない、あるいは、事務局の行動も、中医協の事務局として、一貫して中医協における審議の流れに沿った対応をとっているものと認められること、改定内容も、支払い側及び診療側双方の意見を反映した内容となっていることが認められるから、政策決定がゆがめられたものとは認められなかった、こういう報告をいたしております。
○長妻委員 前段を意図的に読まないというのは本当にフェアじゃないと思うんですが、前段では、「今回の贈収賄容疑となった不適切な働きかけによって影響を受けた可能性を完全に払拭することはできない」、こういうふうに厚生労働省の報告書にも書いてあるわけでございまして、これは、日本という国はどういう国なのか、ばれてもばれなくても結局裏金が有効に機能する国なんじゃないか、こういうふうに多くの国民の皆さんは疑念を持つんじゃないかと思います。
お金を払って、そして逮捕者が出て、ばれた。ばれても別に変わらない。では、裏金、ばれてもばれなくても得じゃないか、こういう風潮が広がること自体が問題だと思うんですよ。やはり、何で臼田さんは橋本さんに一億円を渡したのか、ここを解明するということが、本当に日本の国にとって重要だと思います。
総理、個人的でもいいですから、そういう解明は必要だと思うか思わないか、そのぐらい答えてください。
○小泉内閣総理大臣 その解明のためにどういう手だてが必要かということを今真剣に協議しているわけでしょう。それは協議が必要だから。いい結論を出していただきたいと思います。
○長妻委員 では、証人喚問はどう思いますか。
○小泉内閣総理大臣 先ほどもお話し申し上げましたように、国会が決めることであります。
○長妻委員 総理、こういうときは自分の考えを全く言わない。かばっているとしか思えないんですよ。もう一度御答弁ください。
○小泉内閣総理大臣 それは、よく、立法府のことに口出しするなと言うときもありますから、私は、これは今真剣に皆さんが議論している。会の運営でも、私は、出てこいと言えば出てきますし、そういうのは院の国会運営に任せているわけですから、それは国会で今真剣に各議員が協議しておりますから、その結果を尊重いたします。