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歯科技工士・岩澤 毅

霞が関埋蔵金男が明かす「お国の経済」 文春新書 高橋 洋一 (著)

2008年10月11日 | amazon.co.jp・リストマニア
霞ヶ関埋蔵金男によるお手軽経済解説本, 2008/10/11

By 歯職人

 大蔵官僚から実質的な竹中平蔵のスタッフとなった霞ヶ関埋蔵金発見男・高橋洋一による、時評的経済解説本である。
 テーマ設定の後のインタビューをまとめた形式のお手軽編集本の様であるが、刊行を急ぐ大人の事情があったのであろう。
 2008年春時点での、竹中チームによる自民党・マスコミ内の「小泉・竹中構造改革路線」離れ・疲れに対する反撃の一冊との役割を担っているものと思われる。
 大蔵省・財務省叩きが数多くちりばめられているが、トータルでは他省庁殊に日本銀行他の省庁に対する姿勢の高圧さと東大法学部卒業の官僚に対する言動に私怨を感じる。(高橋の指摘が十分根拠のある事例であっても。)
 高橋と本書より垣間見える高橋が実質的に応援しているのであろう政治家たちが持つ単純化さた世界の動向、実質的にはアメリカ標準原理に価値を置くことへの不信は、高橋が言葉を重ねた本書によっても解消しない。
 中央省庁内・官邸内部の人の営みと交錯する利害の人間臭い記述は、収穫である。

カスミガセキマイゾウキンオトコガアカスオクニノケイザイ ブンシュンシンショ
文春新書
霞が関埋蔵金男が明かす「お国の経済」

高橋 洋一【著】
文藝春秋 (2008/05/20 出版)

176p / 18cm
ISBN: 9784166606351
NDC分類: 331

価格: ¥735 (税込)

詳細
経済低迷の主因は財務省と日本銀行の経済オンチにある。
小泉・竹中改革の知恵袋ゆえに霞が関を敵に回した元財務官僚が語る、新・日本経済入門(高校一年生~財務官僚・日銀マン向き)。


第1章 「埋蔵金」とはなにか(埋蔵金の意外な名付け親;歌って踊れるエコノミスト ほか)
第2章 国のお金はどう動くのか―財政編(アメリカはエゴの国;B ほか)
第3章 国のお金はどう動くのか―金融編(日銀総裁は「誰を」より「何を」が大事;まず「目標」の明示を ほか)
第4章 公務員制度改革の闘い(公務員の権限が大きな日本;財務省にゴマをする「財政タカ派」 ほか)
第5章 国家を信じるな(本当に地方ができないことを国がやる;「国」「道州」「市町村」という三層構造 ほか)


著者紹介
高橋洋一[タカハシヨウイチ]
1955年東京都生まれ。東洋大学教授。AFJ理事。金融庁顧問。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政経研究)。1980年大蔵省入省。理財局資金企画室長、米プリンストン大学客員研究員、国土交通省国土計画局特別調整課長、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、内閣参事官(首相官邸)などを歴任。「小泉・竹中改革」の司令塔として、「郵政民営化」「道路公団民営化」「政策金融機関一本化」「公務員制度改革」を実現。財務省が隠す「埋蔵金」を暴露した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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