Small gardens(小さな庭から)

小さな庭で初心者ながらも 色々植えて育てています。
雪国の為、夏限定の栽培日記と日々の事、思った事など。

たかなししずえサン『しーちゃんのごちそう』

2020-03-14 05:03:57 | 漫画本のお薦め

ちょっとほんわかしたい時に読みたい本。

たかなししずえサンのしーちゃんシリーズ。

 

ご本人の小さな頃の思い出をベースに

お母ちゃんが作る日々のご飯やご馳走を描いたのが

『しーちゃんのごちそう』

白黒テレビの時代の猫のお話を綴ったのが

『しーちゃんとねこ』

 

東京オリンピック前後の時代の人々の暮らしが

しーちゃんの目線で描かれていて

質素な日々のおかずやハレの日のご馳走

優しいお父ちゃん、しっかり者の穏やかなお母ちゃん

近所の人々との優しい交流

猫との暮らし

どちらを読んでもまさに「古き良き時代」を思わせます。

 

私より上の世代ではありますが

読んでいて懐かしくなるような

でも新鮮で。

 

作者のたかなししずえサンは千葉の鴨川出身。

今も昔も

房総の海辺での暮らしを大切にされておられるようです。

ご両親が待ちに待って遅くに生まれた一人娘で

それはそれは大切に愛情いっぱいに育てられた様が窺がえます。

とはいえ、贅沢いっぱいに育ったと言う事では無く

でも、お父ちゃんは甘々の心配症で

読んでいて、不快になる事は決してない程 微笑ましいのです。

 

私の姉が小学低学年?頃

おはよう スパンク

という漫画で一躍有名になられた方ですね。

姉も付録を集めていた…と記憶しています。

 

幼い頃から猫との生活が当たり前だったようで

今でも野良猫チャンの里親探しをされてたりしてるそうです。

猫チャン、大好き♡の方は『しーちゃんとねこ』がお薦めです。

 

お母ちゃんはとても料理上手でチャーミングです。

そして働き者で

商店の傍ら、和裁の内職、家電が無い時代の家事等々

いつも笑顔でこなすスーパー母ちゃんでもあります。

出来る事ならこういうお母ちゃんになりたい……(笑)

そしてお父ちゃんは

前述したように甘々の心配性で

人によっては「過保護」と言いそうではありますが

でも、47歳にして我が子が誕生したなら

きっとこうなっても不思議ではないのではないかと私は思う。

何でもかんでも好き勝手にやらせてる…と言う訳ではなく

本当に大事で大事で堪らない…と言う想いが伝わってきます。

その時代でありながら、おやつ作りだってしちゃうお父ちゃん、素敵♡

飼い猫のチコはしーちゃんの姉妹。

遊び相手でもあり、ハンターでもあり表情豊かで可愛らしい。

 

穏やかで幸せな暮らしとはこういうものではないか?と

読んでいて感じさせてくれる作品です。

日々の生活に何となく疲れた時

お薦めしたい作品です。

 


三原順サン はみだしっ子

2020-03-11 04:16:56 | 漫画本のお薦め

最近、読んでいる漫画本。

小学生の頃

児童館の本棚で見つけ大好きになった漫画( *´艸`)

先日、本屋サンで見つけて懐かしくなり購入しました。

あらすじは

親の愛を受ける事が出来なかった少年達が偶然にも出会い

4人で様々な町を旅しながら

自分たちを愛してくれる人を探し

色々な事件に遭遇しながら

その過程で傷ついたり救われたり……。

まぁ一言で語るには話が複雑すぎて難しいです(^-^;

 

前半は可愛らしい絵と

時々挿入されるコメディーチックなお話で

あんまり難しく考える事も無くすんなりと読めるのですが

後半部分からは文章も多く

また非常に難しいテーマに

何度も読み返しては考える……が必要な漫画と思います。

 

これを、小学生の頃に愛読していたって

自分でも信じられません(;^ω^)

でも、あの頃は

少年たちの気持ちはダイレクトに響いたし

貰い泣きしながら読んでは感情移入しまくりの

お得意の空想で『もしも私が登場人物だったら…』と

勝手にあれこれと話を膨らませて楽しんでいました。

今ほど、複雑に物事を考えたりしませんから

単純に

『私が愛するのに!』『幸せになって欲しいのに!』『笑っていて欲しいのに!』

その一心だったと思います(;^ω^)

 

因みに、私が一番焦がれていた人物はグレアム。

黒髪の少年です(笑)

簡単な生い立ちだけ紹介させて頂きますが

グレアムの父親は有名なピアニストで自分の信念が絶対の人物。

母親は疲れ果て他の男性と駆け落ちしてしまい

体罰有りの英才教育を強いられるも(それで片目失明する)

大好きだった叔母の死をきっかけに父親から逃げ放浪生活を始めます。

おかっぱ頭のアンジーは

女優を目指す母親が生んだ私生児。

女優として芽が出始めた頃に見捨てられ

預けられていた親せき宅から家出。

ぼさぼさ頭のサーニンは

母方の祖父と父親が対立していて

その板挟みになっていた母親が精神を患い死亡。

そのショックからサーニンも声が出せなくなり虚ろな状態に。

それを見たくない父親は彼を地下室に幽閉。

やがて少しづつ自分を取り戻した頃にアンジーと出会い脱走。

金髪でこっぱちのマックスは

酒乱の父親に殺されそうになり彷徨ってるところ3人と出会う。

 

さて、一番お気に入りのキャラクターはグレアム、と言いましたが

実はお気に入りのエピソードはサーニンが主役の物が多いです( *´艸`)

『裏切者』と『カッコーの鳴く森』

そしてそれぞれのキャラクターがやっぱり好きです。

 

作者の三原順サンは残念ながら既にお亡くなりになってます。

札幌出身の方であり活躍中もずっと札幌に住まわれていたとの事。

今読み返してビックリするのは

初話から後半部分への繋げ方…と言うか、繋がり。

あとがきなどを読んで納得したのですが

高校生の頃から温めておられた作品で

大学ノートに小説のようにびっしりとプロットを練られていたそう。

かなり頭の良いお人だったのでは……?と、想像しております。

 

この方の作品でもう一つ好きなものがあります。

『ルーとソロモン』

こちらは残念ながら見つける事が出来ませんでしたが

本を購入する時も縁ってあると思ってるので

ネットで購入するのではなく

いつか本屋サンで見かけた時に買いたいと思っています(*^-^*)

こちらの作品は『はみだしっ子』とはちょっと異なるテイスト。

でも、人間の身勝手さや愚かしさ

そういったものが根底で問われているような

それでいて人間を信じたいって訴えているような

そんな風に感じる作品を遺された三原順サン。

 

好き嫌いはあると思いますが

機会があったら是非(*^-^*)