垓下歌 垓下(がいか)の歌
力拔山兮氣蓋世 我が力は山をも動かし,その気力は世界を覆いつくすほどだというのに
時不利兮騅不逝 時の流れはすでに我が許(もと)を過ぎ去り,いまや愛馬の騅(すい)すら前に進むことができなくなってしまった
騅不逝兮可柰何 騅が進もうとしないのを我にどうすることができようか
虞兮虞兮柰若何 虞(ぐ)よ虞よ,お前のこともどうしようもできないのだ…
追い詰められた項羽にこの詩を贈られた虞姫(ぐき)はさらに有名な「四面楚歌」の詩を返し,その場で自刃して果ててしまう…。
いやはやなんとも凄まじい場面ではありますね。
その名を虞美人草に遺(のこ)すほど,項羽に思われ,付き従い続けた虞姫ってどれほど美しかったのだろう?