私が習っていたピアノの先生は
若い頃とても綺麗だったらしい。
“らしい”というのは、
私がお稽古に通っていた頃はすでに中年となり
体型も太めでもう面影がなかったために、
写真でしかその頃の姿を私は知らないからだ。
なるほど、写真で見る限り
若い頃の有馬稲子(古っ
)に似た美人だ。
その先生は、有馬稲子に似ていた若い頃(しつこい
)、
結婚まで約束した人と周囲の反対で引き裂かれるという
辛い恋愛を経験したそうだ。
その思い出話を何度も聞かされた。
先生には優しい旦那様がいて
そちらのノロケ話もしょっちゅう聞かされていたので
別段現実の生活に不満があって
昔の恋の記憶を懐かしがっていた訳ではないと思う。
つまり、それほどに、結ばれなかった恋人というのは
特別な存在なのだ。
特に、先生の場合、お互いオクテで
手も握らなかったという清らかな思い出が
先生の心の中でいつまでも美しく残っていたようだった。
その昔の恋人と歳をとってから一度だけ
偶然再会したことがあるという。
再会といっても電車で見かけただけなのだが、
その時先生はとっさに身を隠し
相手には自分を気付かれないようにしたらしい。
理由は、容色の衰えた今の自分を見られたくなかったから。
好きだった人には、美しかった若い頃の自分だけを
いつまでも覚えていて欲しかったからだという。
まだ若かった私はその時の先生の気持ちを
本当には理解していなかったと思う。
でも今私も歳をとって、少しは分かるようになった。
「ニュー・シネマ・パラダイス」という映画をご存知だろうか。
あの映画にも主人公の実らなかった若き日の恋の思い出が
切なく描かれている。
最初に公開されたバージョンでは
別れた後二人は二度と再び会うことなく終わっていた。
泣けたよ。
ところが、ノーカット版と称してその後に公開されたものでは
大人になり成功した主人公がその女性を探し出して再会する。
二人の恋は再燃するのだが、女性が家庭を捨てられず
結局二人はまた別れてしまうという結末に変わっていたのだ。
見終わって、蛇足とはまさにこういうことを言うのだなと感じた。
どうして実らないまま再び会うことのない恋人では
いけなかったのだろう。
会って落とし前を付けないと、
どうしても気持ちにけじめが付かないのかな?
ハッキリ言って興醒めだった。
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若い頃とても綺麗だったらしい。
“らしい”というのは、
私がお稽古に通っていた頃はすでに中年となり
体型も太めでもう面影がなかったために、
写真でしかその頃の姿を私は知らないからだ。
なるほど、写真で見る限り
若い頃の有馬稲子(古っ
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その先生は、有馬稲子に似ていた若い頃(しつこい
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結婚まで約束した人と周囲の反対で引き裂かれるという
辛い恋愛を経験したそうだ。
その思い出話を何度も聞かされた。
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先生には優しい旦那様がいて
そちらのノロケ話もしょっちゅう聞かされていたので
別段現実の生活に不満があって
昔の恋の記憶を懐かしがっていた訳ではないと思う。
つまり、それほどに、結ばれなかった恋人というのは
特別な存在なのだ。
特に、先生の場合、お互いオクテで
手も握らなかったという清らかな思い出が
先生の心の中でいつまでも美しく残っていたようだった。
その昔の恋人と歳をとってから一度だけ
偶然再会したことがあるという。
再会といっても電車で見かけただけなのだが、
その時先生はとっさに身を隠し
相手には自分を気付かれないようにしたらしい。
理由は、容色の衰えた今の自分を見られたくなかったから。
好きだった人には、美しかった若い頃の自分だけを
いつまでも覚えていて欲しかったからだという。
まだ若かった私はその時の先生の気持ちを
本当には理解していなかったと思う。
でも今私も歳をとって、少しは分かるようになった。
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「ニュー・シネマ・パラダイス」という映画をご存知だろうか。
あの映画にも主人公の実らなかった若き日の恋の思い出が
切なく描かれている。
最初に公開されたバージョンでは
別れた後二人は二度と再び会うことなく終わっていた。
泣けたよ。
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ところが、ノーカット版と称してその後に公開されたものでは
大人になり成功した主人公がその女性を探し出して再会する。
二人の恋は再燃するのだが、女性が家庭を捨てられず
結局二人はまた別れてしまうという結末に変わっていたのだ。
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見終わって、蛇足とはまさにこういうことを言うのだなと感じた。
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どうして実らないまま再び会うことのない恋人では
いけなかったのだろう。
会って落とし前を付けないと、
どうしても気持ちにけじめが付かないのかな?
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ハッキリ言って興醒めだった。
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結局今回は見送ることになりました。一番ショックを受け、落胆しているのは娘ではなく私のようです。
その後ひっそりと通っています。
昨日の話題も心の中で思うことズバリ。
明確で分かりやすく書かれているので「そうなの、そうそう!」と一人相槌を打ちながら読みました。
自分のブログではニュース系のことは書かないことに決めているのですが(自分の表現力への不安と今の気軽なイメージが気に入っている)、こうした話題も嫌いではありません。
そして今日の話題、ニューシネマパラダイスを観て映画の人間愛とも言える友情と音楽を愛していた私にとって「ノーカット版」が出たことへの納得できない思いが急に甦ってきたので思わずコメントを。
売れた映画だけでなくドラマなどにも言えることですが、続編とかパート2、完全版などという類が私は嫌いです。
2番煎じなんて秀作とはなり得ない。とまで思ってしまいます。
やっと本日の記事へのコメントですが(笑)美しい想い出はそのままが良いですね。
まだ若き日には判りえない大人の思いです。
結婚式の時の写真を見たわが子達が、写真の中に夫を見つけても私の面影を認識してもらえないというのは悲しいものです
そうでしたか。今回は見送ることになさったのですね。
お母様の方ががっかりというお気持ち、よ~く分かります。子供のお稽古に関しては親の方が楽しんでいる部分もありますからね(笑)
>ニューシネマパラダイスを観て映画の人間愛とも言える友情と音楽を愛していた私にとって「ノーカット版」が出たことへの納得できない思いが急に甦ってきた
とても素敵な映画でしたよね。映画人に捧げるオマージュという感じで。
だからこそ、あの後日談は余計だったと残念でたまりませんでした。第一、あんな後日談があったのでは、主人公が昔撮った恋人のフイルムを一人で見る場面の意味合いが全然違ってしまいませんか?(爆)
>続編とかパート2、完全版などという類が私は嫌いです。
私が映画の続編で一番げんなりしたのは「ロッキー」です。
場末のボクサーの奇跡が勝利ではなくドローで、再戦はしないとロッキーが言ったから感動的だったのに、続編では本当に強かったという事になってチャンピオンになってしまう。
まぁ、それがアメリカ的なのかも知れませんが、私は興醒めでした。
>結婚式の時の写真を見たわが子達が、写真の中に夫を見つけても私の面影を認識してもらえないというのは悲しいものです
ふふふ、アプリコットさん、まだまだお若い。
そのうち、むしろ、現状とは全く違うかつての姿を証拠として(何のだ?)見せたいという衝動に駆られたりしますよ(笑)
スゴイ残ってますね。中途半端に
付き合い始まったりするとやっぱり忘れて
しまうのが不思議です。
片思いは究極のキモチだともいいますもんね。
ああ、ほんと蛇足。作ったヒトも
後からそう思ってないかしら。
や、
私はむしろ今会ってOKな人間です。
なぜなら年々体型は太いままのクセに
センスがあがってきたようで写真を見ても満足しているから 爆
昔は見るも無残でした。
「整形しました」といったら多くの人が
信じるくらい私は変わって言ってますが
変わったことはしてません。
遺伝の不思議ですね。
>なぜなら年々体型は太いままのクセに
>センスがあがってきたようで写真を見ても満足しているから
朱雅さんは今が旬なのですね
だったら、まだ人生の深淵は分かりませんな(笑)
あと15年か20年後に、もう一度この問題について語り合いましょう(爆)
私は、もちろん‥‥‥‥身を隠しました。(爆)
今でも思い出すとちょっとドキドキなのよ。。(笑)
コレって、やっぱり結ばれなかったから自分の中でかなり美化された記憶なんだと思うのよね。
この話をイケイケ(死語)の友にしたら、
「あんた、昔はそんなにイイ女だと思ってたの?」と真顔で問われてしまったよ。(笑)
ったく、わかってないよねぇ。。(タメイキ)
読んだよ~。mizurinさんの昔の恋人はとっても素敵な人なんだね。
やっぱり私の見る目は確かだったって自慢に思ったんじゃない?(笑)
>コレって、やっぱり結ばれなかったから自分の中でかなり美化された記憶なんだと思うのよね
うんうん。確かに、情けない日常を見なくて済んだから、いつまでもカッコイイまま心に残っているのかも知れないね。