骨髄バンクのドナーと裁判員制度の裁判員。
これはなろうと思って手を上げてもなかなかそうはいかない。
そのひとつ、骨髄バンクのドナーにボクはなった。
そして最終同意を行なった。
同意を行なったらもう撤回することは出来ない。
患者は移植に向けて放射線治療で善悪細胞を死滅させ
無菌室で移植を待つことになる。
もうボクの命はボクだけのものじゃなくなった。
最終同意を行う時は様々なリスクの説明が行われた。
特にそのようなリスクを聞いても提供意思を変更することは無いのだけれど。
そして最終同意の押印の時、ボクはハンコを忘れたことに気づき、指印となった。
ドナーとなって人生観が変わったとか、良い体験だったとか、人を助けたかったとか
色々思うようだけれどボクはそんな思考はない。
隣に喉が渇いている人がいればボクの水を分けてあげる。そんな感じ。
ボクの毎日は昨日と同じ太陽が昇り、そして何事もなかったように太陽は沈み、
昨日よりちょっと太った月が昇る、そして静寂を作る仕事を終えて月は沈み、
同じ太陽が寝坊せずにまた昇る。
ボクは採取前と採取後で何も変わらない。
ボクは明日に向かっていつもと変わらず歩いて行く。
ボクの骨髄を移植される君へ、。
もしこの移植手術で何か変わることがあるとするならば
君が見上げる移植後の太陽は前の太陽より大きく強く輝き、
月は透き通った穏やかな光で君を優しく包むと感じるようになるってとこかな。
君が歩いて行く明日は昨日とは大きく違う眩しい毎日が待っているよ。笑
槇原敬之 / 僕が一番欲しかったもの
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます