最終調整終了？

安物のパーツを使っていようが、捩じれていようが、私にとっては、大切な道具が戻ってきた。
できれば今年のうちに、故郷の岩魚をこのロッドで釣りたいものだ。
藪沢での使用を念頭において、手首のスナップだけでもある程度ラインを飛ばせるようなアクションを目差したのだが、若干硬めではあるがそれが実現できたように思う。
このくらいの大きさのヤマメでも、ロッドを通してその生命が感じられた。

画像では分かりにくいが、バットセクションのグリップ付近は相当太い。
このあたりは大胆に肉抜きしてあるので、ロッドの重量にはあまり影響していないと思う。
実際、同じホロー構造のトンキン＃４と振り較べても軽い感じがする。

肝心のアクションだが、ロッド全体が曲がってラインを飛ばす感じだ。
バット部分か強いのでラインを伸ばしていくと最後の底力で、フルライン近くまで何とか飛ばせるようなロッドになった。
しつこく振っていればフルライン出せるかもしれないが、まあそういうロッドではないし、折れたりしたら悲しいからやめておこう。

真竹は、トンキンと異なり、ロッドの曲がりが戻るとき少しゆったりとしたタイミングで戻る。
ゆっくりではあるが確実に戻るので、それがリーダーの返りの良さとして現れるのではないかと考えている。
全く同じラインを使ってトンキンと真竹を投げ較べるとその事がはっきり現れる。
トンキンはピンと戻るので、フライがポイントにビシッと入る。
真竹はゆったりと戻るので、フワッと入る。
さらに最後までロッドのトルクがラインに働いている感じなので、多少の向かい風の中でも戻されにくいような気がする。

トンキンの素材としての特長を生かして同じようなアクションを作れば、もしかするともっと軽いロッドが作れるのかもしれない。
しかし、真竹の場合、それほどシビアな設計をしなくてもそこそこのアクションを出すことが出来るように思う。
ならば欧米でももっと真竹の評価が上がっても良いように思うが、忘れてはいけない条件がひとつあり、これが真竹ではなかなかクリアできない。
彼の地の魚は日本のものと比較にならないほど大きいのだ。

素材としては全く異なるが、丸竹ロッドの可能性はすごいものがある。
よくできた丸竹ロッドは、トンキンどころか、グラファイトに迫るものがある。
ただし、ティップやフェルール部分は折れやすい、修復も簡単だが。
悪く言えば安っぽい、このチープさゆえ丸竹ロッドはいまいち評価されていないのかもしれない。
真竹ロッドもこれに近いものがある。
よくできたトンキンケーンのロッドは、一種のオーラを感じる。
残念ながら真竹や丸竹では、このオーラはなかなか出せない。