K.M. Rodsmiths

自分で作ってしまえ (バンブーロッド、ランディングネットetc.)、ネコ、

雨が…

2007年06月21日 | Weblog
この日の天気予報では雨のはずだったのだが、雲が少し出ているだけで、全く降る気配がなかった。
東京に住んでいたときによく目にした様なガスがかかっていて、空も海もいま一つ綺麗でない。
でも、梅雨のこの時期ならば、これくらいで許してやろう…

山育ちの私には、海なんて、滅多に――せいぜい1年に一回くらい――見られるものではなかった。
殊に、夏の海は特別なものなのだ、私には…
それは…

私が小学生のある時、伯父が、港町に転勤になった。
40代で、銀行の支店長だから、優秀な人だったのだろう。
とても豪快な人で、厳しい反面、情に厚い人であった。
『海の近くだから、夏休みになったら遊びに来い。』
大喜びで、遊びに行った。

海水浴ざんまい、美味しい海の幸、そのとき初めて食べたモズクは今でも好物だ。
休みになると、釣りに連れて行ってくれた。
真っ暗な中、足元では、昇っては波にさらわれる小さなカニが無数にいた。
何度も何度も、キャストする伯父、でも、釣れるのはフグばかり。
小物を申し訳程度に数匹釣って、帰ると決まって、かつて釣った大物の魚拓を自慢するのであった。
楽しかったこの年の夏は、生涯忘れることはない。

私が帰って数日後、優しかった伯父は、心筋梗塞で亡くなってしまった。
伯父の事を思い出すと、私が小学生のときにフラッシュバックする。
当然だが、面影も当時のまま…
そして、あの夏の海も一緒に思い出される。

夏の海を見ると、その時の記憶がよみがえる。
そのためなのか、今でも海の釣りは得意ではない。
悲しい思い出が蘇るから…
それでも、夏の海は大好きだ。
いつの間にか、私は伯父の年齢を越してしまった。
明るい海に切り替えよう、以前の画像の使い回しだが…

本当なら、空がどんよりして、雨がシトシト降っていなければいけないのに…
この天気はいったい何なのだろう!
いっそ画像のような気候になってしまえばいい?
そうなったら、ヤマメなんて釣れないよ!
でも、それは困るなぁ…
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