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ベトナム語を学ぶ 2―漢字文化の側面からー

2023-02-03 18:45:17 | ベトナム語

昨日、ベトナムの諺を取り上げたので、今日も諺を紹介します。

Ăn cơm Tàu, ở nhà Tây, lấy vợ Nhật.

意味は、「食うなら中華料理、住むならフレンチビラ、娶るなら日本女性。」です。同じような言い回しは日本語にもありますよね。

さて、今日の話題はこの文章中の「Tây」についてです。この語は皆さんご存じでしょうが、「西」という漢字のベトナム語読みです。意味は文字通り「西」という意味で、ハノイにある、西湖は「Hồ Tây(湖西)」と呼ばれます。ところが、湖に突き出た陸地の先端にある寺院、西湖府は「Phủ Tây Hồ(府西湖)」となり、西と湖の位置が逆になります。ベトナム語では修飾語が被修飾語の後に来ますので、西と湖をそれぞれ個別の語ととらえると、湖西の順になるが、西湖を一つの単位(地名)ととらえて、西湖の順になったということでしょうか。話がややそれますが、ベトナム共産党という言葉を現在では「Đảng Cộng sản Việt Nam黨共產越南)」と呼びますが、その前身であるインドシナ共産党は「Đông Dương Cộng sản Đảng(東洋共產黨)」という名称が付けられました。おそらく、その当時(1929年)は書き言葉ではまだ漢文が主流だったために、ベトナム語の語順にはならなかったのでしょう。

さて、本題の「Tây」ですが、日本語でもそうなのですが、「西」という方角の西以外に、西洋という意味もあります。それで、近代に西洋からもたらされたものには、もともとあったものに「Tây」を後ろに付け、言わば「西洋の○○」と名付けられたものがいくつかあります。

chanh tây (橙西)西洋のライム → レモン

cần tây(芹西)西洋のセリ → セロリ

hành tây(―西)西洋のワケギ → タマネギ

khoai tây(―西)西洋のイモ → ジャガイモ

măng tây(―西)西洋のタケノコ → アスパラガス

mùi tây(―西)西洋のコリアンダー → パセリ

táo tây(棗西)西洋のナツメ → リンゴ

dâu tây(桑西)西洋のクワ → イチゴ

tỏi tây(―西)西洋のニンニク→ ネギ

見てお分かりのように、野菜や果物が多いですが、それ以外にも下記のようなものがあります。

gà tây(―西)西洋のニワトリ→ 七面鳥

cân tây(斤西)西洋の斤→ キログラム

sắt tây(―西)西洋の鉄→ 錫

更にはこんなのもありました。

me tây (―西、meはフランス語の"mère"母より)西洋の母→ フランス人と結婚したベトナム女性。但し、historicalと書かれていたので、今は使わないのでしょう。

ところで、上記のように元々は、「西洋の○○」と名付けられたものの、いつの間にか「西洋の」を付けずに呼ぶことが多くなったものもあるようです。残念ながら私はもう10年ほどベトナムを訪れたこともなく、周りにベトナム人の知り合いもいませんので、現在どのように話されているのか正確には知りませんが、レモンやリンゴなんかは「西洋の」をつけずに話されるのではないでしょうか?YouTubeの動画で干したナツメをベトナム人の若い女性が日本語で「リンゴです。」と説明していて、驚いたこともあります。

それでは、今日はここまで。明日はこの続きのお話です。

 

 

 



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