故西川氏の思い出(その２)

私が結婚する頃の話なので２０年前の話。
私は全く音楽が出来ない状況に陥った。
バブルの最後あたりの時期であったろうか、
何分仕事が多く忙しく困っていた時期であった。
今思うととてつもなく羨ましい時代・・。

私は毎週水曜日の練習どころか、
本番までもが出られる状況でなく、
どうだろう年に５、６回の出席しか出来ない
そんな時期が暫く続いた事があった。

一部の方から、出席率に対し苦言を頂いたり
はたまた、夏のある日に出席が出来た時、
練習が終わり帰り際「良いお年を！」等と
言われたりしたが、本人は一寸傷ついていた。

勿論仕事をやめるわけには行かない訳で、
リーダーに休部の旨を申し出た。
その時、未だ仲が良かった？Ｓ藤氏と三人、
私の会社の近くの居酒屋で酒を酌み交わしながら、
今後の私の活動について話し合った。

真っ先に彼は、休部は許さない。そして
一度離れたら、再び来ると言うのは大変になる。
リーダーの俺が容認するのだから休めば良い。
その代わり、吹く事ができるようになったら、
時間が取れるようになったらしっかりやれ。

生き証人であるＳ藤氏も、この話の内容を
よく覚えておられるはずだが
(だったら私がもっとＳ藤氏を慕えばよいが・・)
この話を頂かなかったら、私は休部どころか
退部をしており、今のレアには籍が無い。

この恩は今でも忘れられないし、
だからこそ、今この立場となり可能な限り
練習に精を出し、音楽を楽しんでいるのである。
しかし今思うと西川氏三十半ばでの発言。
彼は成熟をした考えで私を導いてくれていたのだと、
今更ながら感慨深く、改めて感謝なのである。

余談ながら、決して嫌味ではないが、
その当時私のスタンスに苦言を頂いた方は、
今仕事が忙しくて練習参加がおぼつかない・・
・・あれ、、しっかり嫌味か！？

ところで、これを読んでいる若い人達、
如何なる困難があろうとも、
継続をする事は何においても大切である。
西川氏のようなよき理解者を探し、
是非とも出来る範囲で一生懸命続けてもらいたい！