∂猛き咆哮6
「ここでなく、明日私の所で会おう」
「どこに行けばいいんですか?」
「お前の泊まるホテルはわかっている、他にも色々なこと」
そう言うと、老人はバーテンダーに合図を送った。それから暫くして、黒づくめの男達がドアから入って来た。老人は、2人の男達に耳打ちしてる。
「明日、会おう」
そう言うと男達にサポートされ、店を出て行った。
・・・何が何んだかわかないまま、ひとりカウンターに取り残された。バーテンダーが奇妙な表情でこちらを見ていた。あいつに老人のことを聞こうと思ったがやめた。どうせ何も聞けないことはわかっているから。あの表情では、ダメだ。酒が気持ちいい、シスコの夜は昂まりを、私に落としていた。シスコ、やはり来てよかった、予想もしない展開もアメリカだよ・・・
おかしいな、俺のアレがエレクチオンしてる(erection(英))。これって訳もなく興奮してるってこと。さすがにいい酒だよ、オールド・パーの年代物は。バーテンダーがやってきた、まずい!。
「お客様、何かご用事じゃないですか?」
・・・察知されたか、そうだとすりゃバーテンダーもプロだぜ・・・
「いいえ、何も。いやもう一杯もらおうかな」
「あまり飲んだら、役立たなくなりますで、お若いの」
「わかりました、十分にチップはいただいてますから」
・・・余計なこと言いやがって、こちらはそんなことじゃなく興奮してるんだ。日本にいても手に入れられなかったものがシスコに来て、やって来た予感がしているのさ・・
PM 11:00 時計は明日に近づいていた。
£猛き咆哮7へ
∂Lyn worldへ