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伊勢根付職人 梶浦明日香の『手のひらの幸せ』

何者かになりたかった私へ

昨日、三重県書道連盟で講演をさせてもらった
というブログを書きました。


伝統工芸を受け継ぐ根付の職人になれたこと、
自分の言葉を持ち、話しができる自分は、
あの頃なりたかった姿だったんだなぁと
なんだかグッとくるものがあります。




私は、まだ学生だった19歳から
SOプロモーションという押阪忍アナウンサーが社長を務めるアナウンサーの事務所に入らせてもらってアナウンサーの仕事をはじめました。

最初は何もかもが嬉しくて、
アナウンサーという仕事に携われているだけで幸せだったのだけれど、
いつのころからか常に
“何者でもない自分” が、
何かを成した、情熱を持って成そうとしている人に
まるで人々の代表のように話しを聞くのが
申し訳なくなっていました。

何者でもない私が、何言ってるんだろう。
だから、小手先とか、あれもこれも失礼ばかり。
あー、こんなこと言うんじゃなかったなぁ、
あんな聞き方して失礼だったなぁっていう
もう、いまでも具体的に謝りたい人ばっかりです。
カサブタは今もまだ痛くて苦しい。
ここを読んでくださっている方も多いので具体的には言いませんが、
本当にあの時は失礼な小娘に優しくしてくださりありがとうございます。



自分の言葉も意見もなかったし、
何かに一生懸命な方々に対して
その想いに寄り添って聞く耳も言葉も持ってなかった。
ただただ、ガムシャラに必死に、何者でもない自分を取り繕って生きてたなぁ。
私、何者でもない若者から、
ちゃんと自分の言葉を持つ何者かになりたかったんです。

だからね、
伝統工芸を受け継ぐ職人として、
日本に生きる41歳の女性として、
たくさんの人に聞いてもらいたい自分の意見があること。
そして、それを伝える場所があることはなんて幸せなんだろうと、
今改めてこうしてそのありがたさと
あの時苦しかった自分に対して、
大丈夫だよと声をかけてあげたいような、そんな気持ちです。






まだまだ、自分がなにものかなんて
偉そうに語れる自分でないことくらいよくわかっているけれど、
それでも私なりに、より良い未来に社会に暮らしに向けて、考えてこれからも発信していきたい。
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