風水を学んでいた時期がある。
こんな風にいうと、スピリチュアルかとちょっと嫌われちゃうかもなと言ってこなかったんだけど、
結構真剣に風水を学んでいた。
千葉智子さんという風水師の女性が志摩にいた。レイモンドローやリリアントゥから風水を学んで日本で教えている人物。
初めはなんとなく友達に連れて行ってもらって、智子さんから風水ってこういうものと教えてもらって、そうかこういうのも学問なのかと知ってからは、スピリチュアルだと避けるのではなくその奥義を学問として学んでみたいと通うようになった。数学好きな私にはピッタリな学問だった。
マレーシアのリリアントゥから直接学ぶためにマレーシアに智子さんと一緒に行くほどしっかり学んで、家の風水を見たり、人を鑑定したりアドバイスしたりできるほどにはなっていた。
でも、彼女と一緒にいて何より学んだのは、社会で生きるための経営者としての心得。風水を学んでいる人、鑑定を受ける人は経営者が多く、当時会社員だった私にとって、この先私はどうしたいのかと常に考えるきっかけになった。
ここでは誰一人、苦しい社会人生活を続けるべきという人はおらず、安く都合よく使われている現実をちゃんと意識させられた。
自分で考えて自分で稼ぐ幸せを教えてくれた。
根付職人に転職したという話しをした時、会社員の友達は私が頭がおかしくなったと思ったらしい(今になって続々と明かされる真実)。
でも、風水つながりでご縁をいただけた経営者の人たちは、根付というよくわからない伝統工芸にもかかわらず、大絶賛で応援してくれた。様々なアドバイスもくれたし、注文もいただいた。
一時は、3年待ちの注文状況になっていたほど大きな応援だった。
千葉智子さんとの出会いは、私の人生を間違いなく変えてくれた。
智子さんが亡くなって、私も根付が軌道に乗ってきて、もう風水とは離れてしまったのだけれど、あの時学んだ学問や知恵は、私の作品の中に生きている。
どうせ持つなら風水的にも良いものの方がなんとなく嬉しいもんね。何かのきっかけで風水を知った時に、これそういうこと?って気がついてもらえたら嬉しい。
学ぶことは財産だ。夢中になれることはどんどん学ぶといい。それはその時は時間やお金が無駄になったとしても、そのとき得た知識や知恵、心の震えは、必ず未来の宝になる。
ひょんなことからでいい。まずはやってみる。夢中になってみる。そこから繋がる未来もあると思うんだ。
まさか、死んじゃうなんて思ってなくて、
智子さんとの2Sの写真が一枚もない。
Andy、元気ですか?
また会いたいね。