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伊勢根付職人 梶浦明日香の『手のひらの幸せ』

和服のミスコン日本一の経験が教えてくれたこと


2012年29歳の時に
『ゆかたキレイコンテスト』というミスコンに
出たことがあります。

2012年は、根付職人になってみたものの、
技術はまだまだで、眼だけはどんどん肥えていき、
さまざまな現実も知り、
あぁ、何かを変えないと無理なんだな。
と、覚悟を決めて動き出した時。

すでに和服を着る人でも根付を知らない人が多く、
まずは和服を着る人に根付に興味を持ってもらうにはどうしたらいいのかと悩んでいた時に
ミスコンに出ませんか?
と、お声かけいただきました。

29歳だし、結婚してるし、
そんなミスコンなんて私には無理
と、断ることも何度も考えたけれど、
和服が好きな人たちに、根付のことを知ってもらえるのに、こんないい機会はない!
何かを変えなきゃ未来はない!!
と、勇気を出して出場したのでした。

和服の魅力を、特にアンティークの和服の面白さを
誰よりも熟知している 井澤伸子 先生にご指導いただき、この1ヶ月半和服のことばかり考えて過ごしていました。

浴衣と帯の組み合わせ、
そこに合わせる帯締に簪、
髪型から私の体型に合わせた着方まで
後悔のないように、一切の妥協をせず、
二人三脚で勝ち取った全国グランプリでした。






たくさんの和服文化を継承する方々に
「根付、知らなかった。着けてみるね!」
と、声をかけていただけました。

この時の学びは、今の私の大きな自信となり、武器となっています。


なにより、成長するには、変わるには、
これまでの恥ずかしいとかいたたまれないとか
なんとなく嫌を変えること。
ミスコンに出るなんてなんて傲慢な
なんて怖くもなるけれど、
誰にどう思われても、嫌われても、
自分の目指す未来を一緒に応援してくれる人が
いてくれたらいいのだ!
と、思えたことが大きな変化でした。

このままでいいはずがない
私、根付の職人として進んでいっていいのかな?
と、迷っていた日々。
この受賞で

根付の職人、続けていって大丈夫だよ、と、
何か大きなものに背中を押してもらえたような
気持ちになったのでした。

あの時、怖気付かなくてよかった。
勇気を出して良かった。


この受賞をきっかけに、
海外で十二単を着てショーに出たり、
和服モデルをさせてもらったり、
貴重な経験を数多くさせていただき
和服はみんな大好きだと知ることが出来ました。
こんな素敵なもの、廃れるはずがない。
無くしてしまっていいはずがない。
この確信が、今の私を支えています。





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