★地域創世のヒント 旭山動物園 旭川 北海道
『地方創生』といわれてからもうずいぶん時間がたちます。地方もいろいろな知恵を出し合い地域を盛り上げている活動をしています。しかし、どうもなかなかその活動はうまくいっていないように感じられます。
このような現状の中で、『旭山動物園』の存在は地方を活性化していくための一つの大きなヒントになっていると思います。
この動物園を大きく改革した小菅正夫前園長は「動物のための動物園を作る」という主題のもとに、改革を開始しました、これが大きく成功して、今では多くの動物園や、水族館がここをお手本にして観客を増やしています。
私が今回泊まってホテルはここから車で20分ぐらいかかるところにあります。動物園から迎えに来てもらう最中に、ホテルのスタッフにこうお聞きしました「ホテルは冬の間は、スキーのお客様ですか?」答えはこうでした「動物園のお客さんが多いんですよ」。
確かに、この動物園は冬には、ペンギンを雪の園内に歩きまわせるなど、創意工夫がなされるとは聞いていたのですが、この地方のホテルが、冬の間もホテルを開けるほどのお客様を集めているという事実に、改めて驚きました。
『旭山動物園』エントランス、当日はウイークデーにもかかわらず
開園前からかなりのお客様が並んでいました。
この動物園は、動物が可能な限り人の側に自然にいるような環境を作り上げています。
この画像を見てください、餌をアクリルのすぐそばに置くことによって、
動物がえさを食べている様子がとてもよくわかります。
動物たちも見ている人間を観察しています、特にストレスは感じられません。
飼育員さんたちによる『もぐもぐタイム』もこの動物園の目玉。
飼育員さんたちが動物にエサをあげながら、その動物の面白講義をしてくれます。
これがまた分かりやすいんです、日ごろの飼育員さんたちの動物に対する愛情や観察が伝わってきます。その面白解説は各動物の居住区にも張られています。
動物の動く様が可視化できるというのもこの動物園の目玉です。ゴマフアザラシの泳ぐスピードはかなり速いので普通の水槽ではその感覚が伝わりません、しかしこの透明なチューブであればその瞬間の姿が見られるわけです。
たゆまない改革と、スタッフ皆さんの努力が、こうして結果を出していることにとても驚くと同時に、地域を活性化していくヒントは絶対にどこかにあるという考えを新たにしました。そして冬にも来てみたいという思いに駆られました。