さすがに最新刊は古本屋には
なかったので、新書を買いました。
読んでいると、自分の高校生活が
ありありと思い出されます。
高校のクラスメートに
雪路と言う女子生徒がいました。
私の前の席に座っていた子で
一つ歳が上、落ちて(留年して)来た子でした。
私は頭は良くないけど、真面目だったので
授業中のノートはキッチリ取るほうでした。
そんな私を一瞥して雪路が絡んで来ました。
「翡翠ってさ~ガリ勉?すごいノート
取ってるよね~見習わななあ~」
明らかに小馬鹿にした態度に、カチンと
来ました。
(雪路、だからあんたは落ちたんや!)
心の中で呟いた記憶があります。
高校生にもなれば、色気づいてきた
女子が朝から匂いのきついシャンプーの
香りをプンスカさせていたり、安物の
香水を手足首に振りかけたり、
教室は独特な匂いに包まれていたものです。
雪路もそうでした。
ただ、女子高生らしからぬ香り
それはお線香の香りでした。
仏間にブレザーでもかけてるんかな?
そんなことを思いながら、風の噂で
彼女は祖母と二人暮らしと聞きました。
そんな期末テストも近くなったある日
雪路が血相を変えてお願いして来ました。
「翡翠、あのさ!あんたのノート
貸してくれへんかな?月曜日には
絶対に返すから頼むわ!」
おまえ・・・どのツラ下げて
それを言う。
「あのさあ、期末前で私も
勉強するねんけど、貸せるわけないやん」
「分かってる、でもほんまゴメン
あんたしか借りれる人おらへんねん」
知るかい!そんなん!
永遠に落ちて永遠に女子高生満喫しとけ!
とも思いましたが、保護者である彼女の
祖母がチラリと目に浮かび、溜息が出ました。
なあ、雪路ちゃっちゃと卒業してさっさと
働いて、おばあちゃん楽にしたらな!
必ず月曜には返すように念を押し
ノートを貸しました。
それから2年間、雪路とは同じクラスでしたが
彼女がちゃんと卒業したのかも覚えていません。
四度目の学年試験3-B 翡翠
学年試験 春の季語
青春は、優しいだけじゃない
痛い、だけでもない。 氷菓より
喜怒哀楽という感情の中に
喜・怒・哀・楽という点を入れたとしたら
青春って、その点のようなものかも
知れません。
ゆらゆらと揺らめく
境界のない曖昧な世界。
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