怪物和田とは1980年代中学中距離記録を打ち立てたランナーである。
1分55秒くらいが中学選手権の優勝記録だった時代に1分53秒台の中学記録で優勝し、あまりの強さに怪物と呼ばれた。
6年ほど前にアンタッチャブルだったこの和田の記録を馬場勇一郎が破ったのである、馬場は十分な素質を持っていた、そしてその練習環境は決して強勢されるものではなく、自分で練習内容を考えて実行していた。顧問の先生は多少アドバイスするという状況。
しかし、高校に入り中京大中京は中距離に力を入れている学校であった。そしてその練習内容はジュニア時代にやる正しい練習ではなかった。この世代に本来やるべき全身運動をまったくやらずスピード系の走りこみに偏って、スピードを追求すると言う内容であった。
(メイスポウェブより転載)上の写真大学で苦闘を続ける馬場
馬場は2年で自己ベストを更新したが、それは高校生としてはそれほど目立つものではなかった。インターハイでも3位が一回。そして大学に進学するころ走れなくなったのである、
昨年の記録1.51.44。高校時代のベスト1.51.44である。
大学在学中に1500m3分30秒台を目標にしていたが、現在3分47秒、5000mは14分台である。1500,800mで高記録を出すにはこの走力では無理である。
中京大中京の2年先輩には中距離の有望選手鳥居風紀がいた。しかし馬場と同じように18さいころから走れなくなって低迷している。
これは怪物和田がたどったのと同じキャリアである。和田は高校一年でインターハイに優勝したので馬場よりは体が強かったのだろう。しかしそのごは全く勝てずにイギリス留学までして鍛えたが大学4年で引退し金融業に就職している。
馬場も鳥居も和田も、世界的ランナーになる素質があった。しかしジュニア期にやってはいけない偏った運動ばかりやって体作りを怠ったのである。
この3人ともに駄目な指導者の被害者であることは言を待たない
中学時代の馬場の練習も正しいものではなかった。自分で練習内容を考えていたとしてもその情報元はネットに転がる断片的な記事であった。スポーツ科学の基礎文献を読めば正しい運動処方は何か簡単に分かるだろう。それをせずに中学の貴重な3年間を間違った運動で過ごして、そこに中京大中京の過酷なそして間違った練習でたたかれたのである。
今でも馬場は勘違いの練習を続けてもがいている。