トレーニングの理論とは何か

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怪物和田を破った男 馬場勇一郎もつぶれていった

2022-08-07 12:25:32 | 陸上競技 練習法

怪物和田とは1980年代中学中距離記録を打ち立てたランナーである。

1分55秒くらいが中学選手権の優勝記録だった時代に1分53秒台の中学記録で優勝し、あまりの強さに怪物と呼ばれた。

6年ほど前にアンタッチャブルだったこの和田の記録を馬場勇一郎が破ったのである、馬場は十分な素質を持っていた、そしてその練習環境は決して強勢されるものではなく、自分で練習内容を考えて実行していた。顧問の先生は多少アドバイスするという状況。

しかし、高校に入り中京大中京は中距離に力を入れている学校であった。そしてその練習内容はジュニア時代にやる正しい練習ではなかった。この世代に本来やるべき全身運動をまったくやらずスピード系の走りこみに偏って、スピードを追求すると言う内容であった。

(メイスポウェブより転載)上の写真大学で苦闘を続ける馬場

馬場は2年で自己ベストを更新したが、それは高校生としてはそれほど目立つものではなかった。インターハイでも3位が一回。そして大学に進学するころ走れなくなったのである、

昨年の記録1.51.44。高校時代のベスト1.51.44である。

大学在学中に1500m3分30秒台を目標にしていたが、現在3分47秒、5000mは14分台である。1500,800mで高記録を出すにはこの走力では無理である。

中京大中京の2年先輩には中距離の有望選手鳥居風紀がいた。しかし馬場と同じように18さいころから走れなくなって低迷している。

これは怪物和田がたどったのと同じキャリアである。和田は高校一年でインターハイに優勝したので馬場よりは体が強かったのだろう。しかしそのごは全く勝てずにイギリス留学までして鍛えたが大学4年で引退し金融業に就職している。

 

馬場も鳥居も和田も、世界的ランナーになる素質があった。しかしジュニア期にやってはいけない偏った運動ばかりやって体作りを怠ったのである。

この3人ともに駄目な指導者の被害者であることは言を待たない

中学時代の馬場の練習も正しいものではなかった。自分で練習内容を考えていたとしてもその情報元はネットに転がる断片的な記事であった。スポーツ科学の基礎文献を読めば正しい運動処方は何か簡単に分かるだろう。それをせずに中学の貴重な3年間を間違った運動で過ごして、そこに中京大中京の過酷なそして間違った練習でたたかれたのである。

今でも馬場は勘違いの練習を続けてもがいている。

 


陸上強豪校に入学してはいけない 

2022-08-07 12:16:09 | 陸上競技 練習法

インターハイ、高校駅伝、中学総体、に大学駅伝とかなりのビッグイベントが人気を博しており、底で活躍する陸上強豪校が沢山ある。そして有望な若者を入学させるためにスカウト合戦が行われている。

しかし、これらの強豪校に入って健康になれるかというと、無理である。特に中学高校の強豪校は問題である。ジュニア期には専門的な練習に偏らず、多彩な全身運動を行うことで、発達を促し、その一つの要素としてスポーツの試合に出るというのが正しい活動である。

ところが、日本の学生陸上界は、まったくこの科学の原則をないがしろにした勝利至上主義あるいは専門性に偏りが蔓延している。

そして指導者がそもそも間違った環境で育ち、科学的知識を持たずに大人になった人ばかりなので、まったく正しい活動に対する知識がないのである。強豪校普通の学校でもこれは同様である。

その中で強豪校は学校の宣伝塔として陸上部を位置づけ、過剰負荷の不適切な練習を繰り広げている。また弱小校でも、指導者に正しい知識が無いため歯止めがかからない。

もし、健康な人生を送りたいのなら陸上強豪校進学は避けた方がいい。将来陸上競技で活躍したい。五輪などに出たいと言うのなら、なおさら避けるべきである。奨学金もらおうと、それほどの利益はない。地区大会だろうと試合で勝つことに執着している学校は避けるべきだ。

一流選手になりたかったら、公立校で近くに運動できる公園があり、まじめでのんびりして自分のやりたい勉強やスポーツに主体的に取り組めるところに行くべきだ。陸上競技はセルフコーチンぐで五輪チャンピオンになれるスポーツである。

 

 


大学女子長距離に君臨するMJ大学は生き地獄である

2022-08-07 11:59:31 | 陸上競技 練習法

 

女子大学駅伝で強さを誇るMJ大学駅伝部には毎年その華やかな外見に誘われて多くの女子が入部してくる。しかし、その中で健康を維持して卒業できない、長期スランプで記録の伸びが止まる、あるいは故障がちになってしまいリハビリの日々を送るという部員が少なからずいる。
そういった能力の落ちた部員は選手になる同僚たちのサポートにまわり裏方として活動すると言うのだ。これは異常なことである普通はまちがいのない練習をやっておれば長期スランプも故障もありえないし、正しいリハビリで短期間で回復可能である。
それが4年生になっても回復しないで裏方のまま卒業する事例が多い。
これをまたマスコミが美談として取り上げるのだから、なんとも早である。


しかし、これはMJ大学だけではない。故障やスランプが多発するのは他の強豪大学も似たり寄ったりである、。指導者が専門的知識を持たずトレーニングに関する知識が極端に低いために起きている。
しかし、練習のノウハウが低いライバル大学同士で優劣を争うのだから、強いところ弱いところが出てくる。スカウトの力、宣伝の力、奨学金などの力も影響しているだろう。

さて大学女子駅伝は華やかなビッグイベントであるから、多くの高校生が自分もこの試合にでたい、そのためには本大会常連校に入学したいという気持ちになるのも無理はない。しかし、ちょっとまっただ。大学駅伝には選抜チームもある。正しい練習で確実に強くなりランキングを上げていくことで、大学駅伝に出る機会は得られるだろう。よしんば大学駅伝に出られなくとも正しい練習をやり、確実に能力を上げて日本代表やそのほかいろいろなキャリアを目標にした方が幸せになれる。
もちろんこれらの強豪大学陸上部が、練習内容について個人の自由を認める度量があれば、入ってもいいだろう。しかし、一般的に陸上競技の指導者というのは頑固な人が多いのだ。それはなぜかと言えば本人が現役時代に不適切な間違った練習をやり、慢性疲労をためているからだ。疲労しておれば心はかたくなになり自由な発想が受け入れられないのだ。

これは女子陸上だけではない、男子の大学駅伝常連校も同様である。

私としてはこれらの大学陸上部の名誉を傷つけるためにこの記事を書いたのではない、事実を事実として科学的に分析して述べているのである。

彼らがやりかたを変えて、本当にただしい知識に基づく活動をするようになってほしい、それにより多くの若者の人生が救われるのだ、

そのためには、やはりショック療法が必要で、いい新人高校生がMJ 大学に入学しなくなれば大学駅伝部も指導者も目が覚めるだろう。

日刊スポーツより転載 富士山駅伝で和田から増渕へ、美女同士のたすきリレー

 


陸上女子はなぜ男子より弱いか

2022-08-06 12:36:02 | 陸上競技 練習法

日本女子陸上はなぜ弱いのか。男子と比べて弱いと最近よく言われている。

男子の短距離リレーでメダルを取っているからそんな話題になるのだろう。

しかし、挙げられる理由が根拠薄弱で的外れである。

ひとつは「環境の変化」があるだろう。特に大きいと考えられるのが指導者の変更だ。女子選手は男子選手と比べて、指導者への「依存度」が強い傾向にある。そのため、指導者とのマッチングがうまくいかないと、ガタガタと崩れてしまう。しかも、高校時代はうまくいっていたため、最初につまずくと、その後の修復は簡単ではない。

環境と指導者、これは男子とて同じだ。

明らかに他に理由がある。そして女子の成人トップ選手たとえば御家瀬緑や土井杏奈などのトップ選手と男子のトップ、ハキーム、山形、ケンブリッジなどとキャリアを比べればその違いがわかる。これらの男子選手が中学時代はあまり目立たないマイナーな成績しか残していない。多田にいたっては大学に入ってから記録を伸ばしてきたランナーだ。

それくらべ女子のスーパー高校生は中学時代から日本ランキング上位に入る活躍をしている。つまりこの年代に必要な発達行動、特に外遊びを十分に体験していないのだ。

男子でも中学時代に好成績を出すランナーはたくさんいる。そして彼らは高校あるいは大学初年度で消えていくのだ。それを消えた天才と呼ぶテレビもある、

男子は焼けきれる天才少年に代わって、それまで目立たなかった逸材が陸上競技に打ち込み伸びてくる。女子はそのような事例が少なく、スーパー中学生、高校生がそのまま日本のトップにいて低迷を続ける。

中距離馬場雄一郎、高橋ひな、向井智香に関する拙稿も参照されたい