棒高跳び、高跳び、三段跳び、幅跳びは競技人口もそこそこある。いままでコーチングをし効果が合った方法を開陳する。
結構難しがる若者が多いのだが、手順良くやれば難しくはない。
ステップ1
基礎機能の向上 関節や筋肉、循環系呼吸系など消化吸収系など。これらを向上させる。
基礎機能用のエクササイズはつぎの記事参照。
https://blog.goo.ne.jp/athleticstokenko/e/61d4424abd949d086ec37d921f50f0a6
この中で床運動は重要である、でんぐり、バック転前転側転。鉄棒。
基礎持久力の向上のため持久走ウォーキングや体操運動のサーキット
ステップ2
基礎機能があるていど向上したら、つぎのような手順で練習を行う。
巧緻性、総合的運動能力走力を含む、この順番で鍛える。
普通のランニング以外にハイハードル走、坂上り走、トンネル走など。
球技 跳躍以外の種目でも球技は巧緻性を鍛える最適な運動のひとつである。
ジャンパーのトレーニング方法としてバウンディング、ハードルジャンプなどがネットで紹介されているが、バウンディングなど高負荷の運動を安易にやると故障の原因になる。これらは半年先など体ができてからやるべきだ。当面は両足蛙飛び、スピードジャンプ、それから片足ジャンプ、これらをやることで大分力がついてくる。それからバウンディングやボックスジャンプを徐々に取り入れていくという手順である。バウンディングにもしゃがみ系スピード系、両足、ランニング式片足連続式など種類があり自分の体力に合わせて計画的にやることが大事だ。
ステップ1と2で半年から1年かかる場合が多い。
体が弱いと長い期間かかるのだ。その場合4月入学から8,9月ころに少しずつ跳びの技術も練習して秋の試合に出ると言うことも考えていい。
危険な似非理論「起こし回転理論」に気をつけよう
最近、高飛び幅跳び跳躍の起こし回転理論という、おかしなニセ理論がネットで拡散されている。
起こし回転理論というのは、棒を地面に斜めにぶつけると前方に棒が跳ね返る。これが跳躍技術と同じ原理だ。だから踏み切り足着地の時に体を後傾させなければいかん」と主張しているのである。この踏み切り動作で後傾せよといういんちき理論がひろまったために信じてしまい苦労しているジャンパーが続出している。
踏み切りのときに体に回転力が作用するというのは、別に起こし回転論者の新発見でもなく、半世紀以上前から知られていたことだが、そんなことも勉強せずに回転力だ棒のように斜めにとありえないことを主張しているのだ。
そこでためしに棒をグランドにぶつけると分かるが、都合よく前方に跳ね返ることはない。ほぼゼロだ。ごくたまに前方にはねることもあるていど。起こし回転論者は、そこで特殊加工した棒を使いむりやり、前方に跳ね返らせているだけである。
最初から起こし回転ありき、踏み切りのさい後傾ありきといういんちき振りである。
そもそも棒はその弾性で跳ね返るのだ。人間の体は細かい関節と筋肉が神経系により動かされて跳躍動作を行うのだ。棒のように跳ぶなどありえないのだ。
世界のトップジャンパーで踏み切り動作の前半で後傾する人はめったにいない、
たまに後傾する人がいなくもないが、それは強力な筋力で、むりやり乗り込みを行っており、かなり不合理なのである。
五輪を連覇したカールルイスなど著名なジャンパーの踏み切り動作に後傾はない。陸連のマニュアルにも後傾や前傾はしてはいけないと、書かれている。
ステップ3
跳びの技術練習
上記のステップ2までをしっかりやればそれほど難しいことではない。
1
走りの向上、これは多くのエクササイズやクロカンなどですでに鍛えてあるので、ハードル走、ウェーブ走、ヒルトレーニング、スプリントドリルなどをやりちょっと磨きを掛ける。
2
イメージをつかむ
これはうまい人の跳躍映像を見れば簡単につかめる。今の時代は動画を視聴できるのでまず、いろいろと一流選手の動画を見て動きをつかむ。
3 各跳躍種目の技術練習 これも各種目共通の練習方がある、
まず短めの助走距離、ゆったりとしたスピードでいい動作で跳躍するのだ。
難しいところはそこだけ反復する。
高跳び練習
高飛びの全体動作は軽く走り出してスピードに乗りながら脱力する。カーブ走で踏み切り点に走りこみ最後の2,3歩では腰下げ動作を行う。踏み切り足は膝を曲げずに乗り込みを行う。ひざは曲げないがつっぱらない。この乗り込み動作をランニングの乗り込みより積極的に行う。すると自然と体は離陸できる。
練習法は上記の緩めの力で助走跳躍練習が基本
全助走跳躍。これを70%くらいのスピードで飛ぶ。フルスピード助走で飛ぶなど。
技術補助練習
細かい技術向上練習が以下の方法
バーなしで助走して踏み切る練習、踏切ダイブという練習だ。
踏み切りダイブでは踏み切り動作が主眼
クリアランス練習。高さは気にせず踏み切ってクリアランス動作を行う
離陸練習 踏み切って上方に高く飛ぶ練習
円弧を描いて助走するのでこのカーブが苦手と言う子が結構多くなってきた。これは普段の運動不足が原因なので基礎訓練の段階で鍛えておく必要がある。
鬼ごっこやジグザグ走などを取り入れる、。
幅跳び
幅跳びの跳躍の流れは、前傾姿勢で助走のスタート加速、スピード上げるがリラックス、前傾から直立になり、踏み切り前の腰下げ、踏み切り足の着地とそこに乗り込み、踏み切り飛び出し。空中姿勢、着地。
このうちスタート加速から、踏み切りによる飛び出し動作が記録の90%の決定要因である。
踏み切り動作を詳しく述べると
踏み切り前に腰下げ、全身適度に脱力して踏み切り足着地を行う。踏み切りはこの足に乗り込み、軽く緩めた膝はまげない、リード足と腕の振り上げ。これらを同時に行うと無理なく体はいい角度で飛び出していく。どれか一つに重きを置くのは間違っている。
間違い動作 踏み切り板を力強く蹴る。膝のバネで飛び上がる。リード足を強く振り上げる。
気をつける点はスムーズに加速してスピードは維持しつつりらっくす踏み切り準備、踏み切り跳躍するという手順だ。肝心の踏切で減速しない意識が大事。
助走距離は十数歩から二十歩くらいである。自分の技術力体力に合わせて選択する。
いい跳躍例
https://www.youtube.com/watch?v=p0jnZuab0es
独特の踏切準備があるため、幅跳びの助走は巧緻性が必要になる。
空中姿勢はハサミ、ハンギング跳び(そり跳びと呼ばれている)、かがみとびあたりから選ぶことになる。
幅跳びの訓練を受けていない一般生徒でもたいていは軽く踏み切り前に体をゆるめ踏み切り跳躍は出来るが、体を立てて、腰下げという操作は多少訓練が必要になる。
練習法
7歩ドリル、これは踏み切り前の体を立てるところから腰下げ、踏み切り足着地までを集中的に学方法である。7歩でも8歩でもいいが、踏み切り前の動作をしっかり反復するためのものである。
慣れてきたら歩行から走に。短助走から全に移行する。
以上が出来たら短助走や全助走でゆったりした力加減で跳ぶ、助走する、そして技術が身についてきたら全力助走や跳躍練習を行う、。
助走練習
スタートして踏切版を踏んで走り抜ける助走練習
踏切準備をしっかりやって駆け抜ける。
踏切動作なしで助走加速して踏切前あたりまでの走りを行う方法もある
跳躍練習以外に短距離能力の向上と体のバネの向上という2つが必要になる。基本トレーニングの各ステップをしっかりやり、その中でバネとスピードを鍛える事が大事。跳躍で典型的な練習法の例を挙げる
短距離疾走能力の向上
10m程度の歩行や助走からの30mから50mくらいのスプリント
あるいは100m走150m走など
スタンディングスタートからのいろいろな距離のダッシュ
坂下り走
ウェーブ走
トンネル走
空中姿勢は、それほど難しくはないが、台から飛び出す高幅跳び、
空中に少し体を吊り下げ足の操作を反復する方法などがある。
柱などに捕まりながら、空中動作をその場で反復する。
ロイター板で無理なく跳躍して空中動作を身に付ける。という方法があるが、ロイター版を用いる方法はあまり推奨できない。その場で、空中操作反復ののち実際の跳躍の中で空中姿勢を練習するとスムーズに習得できる、これは私の意見である。
三段跳び
三段跳びは連続踏切だから、これをしっか身に着ける必要がある。方法は幅跳びと同じ流れだが(すべてのフィールド種目は同じ流れだが、イメージトレーニングでいい動きを確認する。最初は6割くらいの力で助走してホップステップジャンプを技術ポイントを意識しながら飛ぶ。よく水切り石のようにと言われる体重移動である。
また三段跳びの助走は前傾維持である。ここが幅跳びと違う。
無理のない助走距離で飛ぶことが大事だ。これを繰り返していき、そのうち少しずつスピードアップしていく。最後は全力。あとは苦手の部分はそこだけ繰り返すなどいろいろな練習法があるのは他の種目と一緒だ。
ハードル走やコンビネーションジャンプなどで運動能力を鍛えておけば、それほど難しくはない。
棒高跳び
体力作りと走力アップは先に述べた方法でやる。
棒高跳び特有の体力作り
低鉄棒、高鉄棒、逆上がり倒立、懸垂など。
ポールを使った練習で操作能力と体力をつける。
ぶら下がり
棒幅跳び、
ロックバック、
振り上げ
ボールポイウリング、ボックスに突っ込む練習
棒曲げ、ボックスに突っ込んでスピードと体重を使いポールを適時曲げる
ポールを持っての走
適度な高さのハードル走、けんけんなど
助走練習の繰り返し
台からの突っ込み曲げ練習
助走からの跳躍練習
このような流れで、最初は体力巧緻性などを鍛え、ポールを操作する体力を鍛え、実際に跳躍する練習につなげていく。
跳躍に取り組むに当たって
繰り返しになるがコンデショニングが大事であるから、しっかり体作りをする。これば他のしゅもくといっしょである。色々な運動で満遍なく鍛える事が大事である。
次に巧緻性を鍛える事が大事である。これも球技を色々なジャンプなど、ケンパー、縄跳び、大縄など、床運動、前転後転側転、倒立前転こう転、鉄棒などで色々考えられる。
こうしてコンデショニングがうまくいくと技術練習も効率がよくなる。
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