トレーニングの理論とは何か

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向井智香はカムバックできないだろう

2022-08-30 11:30:09 | 陸上競技 練習法

向井智香が最近メトロ陸上部をやめて愛知に戻り、少しずつ試合に出始めている。

このまま昔のように走れるようになるだろうか。素質は十分であり、五輪決勝を走れるものを持っている。しかし、今の素人考えの練習では無理である。走りを見れば素人考えで練習をしていることが容易に分かる。

向井のようなケースは中学高校でバランスの良い全身運動をやらず体ができていない。そして質の悪い筋骨格組織になっている。

原因は高校では大活躍その裏返しで過剰な負荷の不適切な練習をやってきている。大学でもその流れで負荷を掛け、しかも間違ったリハビリリコンディショニングを行っている。

別稿でO脚を指摘してこの関与している筋肉が正常化すれば走れるようになると述べたが、そのためには全身の筋肉骨格不具合を解決しなければならない。

そのためには疲労取り、部分運動、全身運動による体作り、それから走力を上げるためのスタミナづくり、これらを1年くらいやり、体ができてきたところで各種走り込みをやるべきだが。おそらく今現在、各種走りこみをやっているだろう。

これではあと1,2年で競技断念して引退するだろう。この全身の筋骨格に問題がある場合走ると過剰不可になりやすいからだ。

今までに類似のスランプのアスリートの相談を受けたことがあるが、どうしても素人考えで、間違った運動をやりたがる傾向がある。少しでもハードな運動をやりたがるのだ。

向井も正しいコンディショニングについて知識が無く、浅知恵で間違ったことをやっている。

おそらく中学高校大学と延々素人指導者により非科学的練習を仕込まれてしまい、科学的知識のかけらも学ぶことが無かったのだろう。

今やるべきは、伸展回転弾性の各運動、具体的にはいろいろな体操、マット運動、クリーチャーなどだ。これらの運動を練習の大きなテーマとして集中的に取り組まねばならない、アップだの補強だのと言った考えでは駄目だと言うことだ。

クリーチャーも節々の筋肉にあまり強い緊張を強いないものを選ばなければならない。例えばクモ歩きやあひるなどだ。

あとは水泳、ウォーキング、(ウォーキングも以前やっていた踵で着地するのでなく自然な歩行でなければならない。安全なグランドなどで裸足で歩くべきである。はだしで歩くと踵着地は出来ない。それが人間本来の歩きである。)これですくなくとも一年やれば体が変わってくるだろう。

体が変わってきたときに上記の内容に走を付加していくのだ.

上記のプログラムを実施しつつも、試合に出ることは差し支えない。無理せずに、800mや1500mでも3km、5kロードなどを軽く走れば練習ばかりより精神的に楽になる。あまりシャカリキに走るとよくない。

正しいコンディショニングプログラムをやっていけば、かならず恒常性の正常化が生じて、そして、自分で自分の体の内部変化がわかるようになる。走れる体になってきたことがわかるし、その逆も分かるようになる。それを捕らえて練習の手段を選び負荷を選んで行くのだ。

これくらいやれば、2、3年くらいでいい走りができるようになるだろう。2025年に東京世界陸上が行われる予定だが、そのころには世界ランキング上位に入れる可能性もある。

もう少し具体的には

伸展体操、それからラジオ体操のようなもの上体そらし、上体回し、こし回し、膝回し、上体前倒し、首回し、背面倒立足先床タッチ、脚交差、伸脚などである。他にも類似運動をいくらでもある、。これをすうセットやり、毎日1時間になる。

次に前転でんぐり返し、クリーチャー

最初はゆっくりとした動きで、体ができてきたら、これをダイナミックな動作をみっくすする。

あとは持久力向上のためウォーキングや水泳。

 

 

 

 


陸上選手と生理痛や生理不順について

2022-08-23 11:09:58 | 陸上競技 練習法

女子選手の生理痛についてベテラン指導者の方から投稿いただいたので整理して公開する。

生理痛について

女子選手の指導をしていると、生理痛で苦しんでいる事例に幾たびもぶつかってきた。

しかし、激しい痛みに苦しむ子と、さほど出ない。あるいは全くないという風に個人差が大きい。これは医療スポーツ研究者が今まで数千人数百人という大規模な統計調査をたびたび行ってきたが、その結果も個人差個体差があると言う結論でとどまっている。

指導をする場合、最初に体調体質を調べ評価をするが、生理痛の場合(生理不順も類似だが)体幹から腿までの深層筋が硬い。例外は無いのでこの硬い体をほぐし筋肉骨格正常化することで解決できる。

つまり体幹腰腿を緩める運動を集中的にやるようにしていた。重篤の場合は骨盤矯正や鍼灸で緩めてさらに柔軟運動で緩めるという方法でほぼ解決できるようになった、。運動法は次のイラストのようなものだが、より満遍なく体全体をほぐす。

参考記事

https://www.fracora.com/ageless/3592/

このサイトの記事概要は以下のとおり上記サイトから転載させていただいた

骨盤リセットには「針の穴のポーズ」がおすすめ

生理のときは骨盤が動くため、生理初日にはヒップの大きさが一番大きくなります。そして、生理が終わるにつれて徐々に縮んでいきます。

この横に広がって縮む動きは、仙腸関節の可動域が足りないと痛みを引き起こしてしまいます。そのため、股関節(大腿骨と腸骨)、仙腸関節(仙骨と腸骨)をほぐしてあげるのが大切です。

針の穴のポーズでは、骨盤周りの関節や深部の筋肉をほぐせるポーズ。また、腹圧も加わるため、子宮の収縮も助けられます。

針の穴のポーズのやり方


1. 仰向けになり、右足の外くるぶしをを左のひざ上にかけ、右ひざは外に開きます。
2. 両手で左太ももの後ろを持ち、左ひざを左胸の方へ引き寄せます。
3. 吐く呼吸で引き寄せ、吸う呼吸でゆるめるを繰り返します。
4. 反対側も同じように行いましょう。

両手でももを抱えて引き寄せるのがむずかしい場合には

外くるぶしを太ももに乗せ、ひざは立てた状態にし、足裏は床におろしたままでもOK。

 

 

ハードな運動をやりながら並行して改善は出来ない。だからまず生理痛の出ない健康な体を作りそれから強度の高い練習に移行するようにしなければならない。

生理不順について

生理不順についても基本的にはおなかやでん部の筋肉が硬く循環機能が落ちているこれを改善していけば生理不順が緩和されていく。上記の記事の生理痛対策の運動と同様である。


だれが高橋ひなを殺したのか   ある美少女ランナーの悲劇

2022-08-18 22:57:25 | 陸上競技 練習法

 


高橋ひなは日本女子中距離史上最高の逸材として期待されたランナーである。

1位の表彰台で笑顔の選手が高橋ひな

(高校生新聞社より転載)

本人の目標は800mの世界的ランナーになること。小学生でこのようなマイナー種目を目標に定めるというめったにいない人生設計をしたのである。

写真の背の高い選手が高橋

(高校生新聞社より転載)

 

2014年に800m中学記録樹立翌年西脇工業に入学し、高校総体一年生で優勝。

ところがこれっきり800mで惨敗し、2度と試合で勝てなくなったのである。

ここで大きな転機がおきる。テレビ オリンピアンに取り上げられ日本記録保持者杉森さんの指導を一日受けることになった。杉森さんは走りがどたどたしている、体が硬いと指摘して、柔軟運動を何種類か毎日やるようにと教えたが、その結果3年次の高校総体1500mで優勝したのである。しかし800mは惨敗であった。

これは体調が十分でないために起きたのだ。800mはよほど体調がよくないと勝てない種目なので、1500mで勝てても能力が回復したわけではないということに気づかないといけない。

それでも卒業後に体にあった正しい運動により体を作っていけば、まちがいなく高橋は世界的な800mランナーになったであろう。ところが、この1500m優勝が高橋の夢をつぶすことに成ったのである。

1500m優勝した高橋に目をつけたシューズメーカーの陸上部◎◎◎tokyo tcが高橋を勧誘したのである。

このtokyo tc の監督が、典型的な現役時代活躍しただけで指導者になったと言うろくな知識のない人物であった。

800mで勝てなくなった高橋の体にどのような異変が起きているか、わずかな解剖生理学の基礎知識があれば分かることである。しかしその程度の知識もないこの◎◎◎tokyo tcの監督はたちまち高橋をつぶしてしまったのである。

画像は2017年の日本選手権1500m予選である。800mは標準記録を突破できない体たらく。1500mは後輩の高校生にも負けて8着。翌年はまったく記録が出せずにそのまま引退した。

誰が高橋ひなを殺したのだろうか。まずこの◎◎◎tokyo tcの監督であろう。

この監督は豆に情報発信している人物だが、この件に関しいては

「高橋は天才です。僕は天才を伸ばすことができませんでした。苦しい時期が続いていますが、天才がもう一度羽ばたたく姿をお見せできるようにサポートできたらと思います。」と述べている、。つぶしておいて、伸ばせなかったはないであろう。陸上界引退して修行しなおすべきである。

このような事例では、すくなくとも責任を取るべきだ。言葉で格好いいことを言っても責任を取ったことにならない。人一人人生を破壊したのだから、昔なら腹切るべきだが、慰謝料を1000万円くらい払うのが妥当だ。責任を取るとはそういうことだ。

こまったことに肉体条件がある程度いいと、このレベルの指導者でもそこそこ結果を出してしまう。女子10000mハーフの日本記録保持者を最近指導してそこそこ国内で活躍させているので、その師弟関係がテレビで取り上げられてそれが一種の勲章のようになっている。しかし、プロのクラブの指導者なら当然必要な科学的知識が無く自分の経験を焼きなおして処方するだけでは。

コーチングの勉強は環境学から始まる。生物と環境だ。大修館の保健体育体系くらい一巻から読み込んでしっかり勉強し手からコーチになれ。

そして高校の監督も同罪であろう。高校時代の高橋に必要なのは走り込みではなくて全身運動だったはずだ。どんなに人が良くても指導者になるには知識が無ければいけない、

中学の指導者はどうだろうか。この立場はかなり苦しい。本来青年期にやるべき運動のノウハウが無いまま教職の合間に、スポーツ指導をするのだから。しかしこの中学時代にも本来やるべき運動をやらずにすごしたことは容易に想像できる。

高橋がなぜこんなひどい目にあわなければいけなかったのか。才能に恵まれ、懸命に努力をしただけである。

高橋の夢をつぶした似非指導者たちが今でも処罰もされずにいるのはまったく不条理である、陸上先進国では当たり前のコーチングのノウハウが欠けているもの達が指導者になり、平気で選手をつぶしてのほほんとしている。

また高橋自身がその問題に気づいていないのだからなんともはやである。


個別性の原則を無視して競技を続けると、ひどい目にあう

2022-08-18 22:53:11 | 陸上競技 練習法

別稿でのべたが、向井智香は2015年のインターハイと国体少年の部で中距離のタイトルを総なめにしたのである。そのころ愛くるしく溌剌とした風貌で、よく美人ランナーとして媒体に取り上げられていた。

(インターハイに優勝して、元気だった頃の向井)

さて大学女子長距離の強豪MJ大学に入学しまもなく、故障、長いリハビリと復帰を繰り返しているうちに、O脚になったのである。

O脚というのは筋肉の質低下の一つの現れである。筋肉の質低下こそが悪であって問題にしなければいけない。その原因の一端が高校時代に偏った運動をやったことであるが、大学に入学してからのリハビリメニュー、練習メニューが不適切だったことが直接の原因である。

高校卒業時外観は普通の体だったわけだから、高校時代に弱っていたところに大学入学後に、不適切な負荷をかけたとしか原因はありえない。

向井のような事例では、3年くらいは疲労取りと全身をバランスよく鍛える色々な運動に取り組み、4年生のときに花開くというプランでなければいけない。そのようにしておれば、今頃日本を代表するランナーとして活躍しているだろう。

ここからわかることは個別性の原則というトレーニング科学の基本中の基本知識を強豪大学の監督コーチ陣がまったく知らないと言うことである。

相当な資金を投入してプロの走り屋を要請している大学陸上部である。

もう少し頭を使ってまじめに取り組むべきだろう。

来年春にも多くの高校生がこのような強豪大学陸上部駅伝部の門をくぐる。

ほんとうに、進路選択はそれでいいのか良く考えた方がいい。

しかし大学駅伝を走りたいという気持ち、奨学金、大学で勉強したい。こういった要素を良く考えて決めるしかないのだが、素人指導者にかかると俊英もぼろぼろにされるということをよく考えていかねばならない。

一生の問題である。焼けきれて走れなくなると言うことは単に走れないだけでなく体の内部に不具合障害を持って、その後も生きていくと言うことである。もちろん、それは正しい処置で回復させることが出来る。しかし上記のMJ大学などで続々焼けきれた卒業生たちは、ほとんどそのような問題意識も、健康を取り戻す方法も知らずに生きているのである。

このようなブラックコメディーのような世界に行くべきか。親子でよく考えた方がいい。

 

 

 

 


アスリートはすぐに子供を商売に利用する  800m田母神一喜特集

2022-08-14 21:06:11 | 陸上競技 練習法

男子800m日本チャンピオン田母神一喜が故郷福島に帰り、スポーツ事業を始めた、と福島新聞に載っていたが、その内容にがっかりした。
自身の事業|||F スリーエフにジュニアチームを作り、小学生に走りを教えると言うのだ。
小学生1から6年生のアスレティックコースは幅広いスポーツ体験により、運動に興味を持たせる。
アスリートコースは5,6年生を対象に走りを教える。ということだが、このような活動は百害あって利益は無いので参加するべきではない。


子供の発達行動は遊び行動しかありえない。遊びの中で、子供は走り回りという行動を必ず行う。体に走る準備が出来ていない場合、転がり、じゃれ付きなど様々な行動により体を作り、駆け回りへと移行する。この仕組みは体の中にプログラムされているのだ。この中で足裁きや足腰のバネを自然と身に付けていくのだ、アフリカや東欧カリブのランナーが強いのは、山野でこの発達行動をたっぷりと体験して大人になるからだ。
ところがアスリートが子供を集めて陸上をはじめるとスプリントドリルなどトレーニングをやらせたがる。このトレーニング練習をやらせるとせっかく体の中から運動しようという発達行動の信号が出ても、それを阻害してしまう。だから子供にスポーツをやらせてはいけないのだ。

厚生労働省が近年、子供時代にスポーツをやった人と、遊びで日常を過ごした人の、体力運動能力について統計調査を行っているが、遊びにより成長した人の方がレベルが高いという結果が出ている。
ところがアスリートは陸上だけでなく色々なスポーツで、中学生高校生成人だけでは商売のネタが不足なので、小学生を対象にした事業をやりたがる、そしてスポーツをやらせたがるのだ。
また大会を積極的に開催すると言うのも、これを子供を対称にするとしたらまずい。今、子供やジュニアを勝利至上主義に駆り立てる大会の廃止が各スポーツで行われ始めている。当然のことである子供は無垢なので試合に出させると、それに熱中してしまう。だから大人がそうならないように、試合には出来るだけ出させず、子供らしい生活を確保しなければならない。子供は遊びの中で競い合い、冒険を行い闘争し和解し、心身を作っていくのだ。これが子供の本分は遊びであるという哲学の意味。


子供を相手に事業をやりたいのであれば。
遊び場経営がいいだろう。とりあえず公園の隣に土地を借りるか買うなどして、そこでパン焼きがまを作ってパンを焼いたり基地を造ったり、自由に遊び場として使えるようにする。大人は出来るだけ見守りに徹する。
子供はそこにスペースがあれば自由な遊びを始める。言われなくても走り回りやじゃれ付き木登りなどを始める。
試合を開催したいのならそれは大人を対象にすべきだ。
子供に必要なのは遊びと、たまにお祭りだ。屋台のでるお祭りが子供に、遊びの延長だが普段と違う刺激になる。
充実した遊びの時間が毎日あれば、子供はスポーツにあまり興味を示さない。そうして、心身が成長して大人になりかける十代半ばにスポーツに興味を持つようになり、アスリートを目指したくなるのだ。それを青田刈りで小学生をアスレティックに駆り立ててはいけない。
この内容では一流アスリートとしての自分の存在理由が無くて不満かもしれないが、これが正しい子供との接し方だ。

これが本当に気軽に利用できる場所であれば多くの子供が集まってくるだろうし、遊び場を求めて親子連れがあつまって来るだろう。
このような事業にスポンサーや助成金、寄付金、利用料などで資金作りをすることは、難しくないだろう。土地を取得すれば会社の資産になる。

福島は比較的土地も安い、自然にも恵まれている。この特長を生かして、もっと子供のために、かつ自分のためにもなる事業をやるべきだろう。遊び場に自社事務所も安く作れるし、隣接地区に別途土地を取得して貸しロッジを作るとか、いくらでもいい事業が企画できる。もっと頭を使いなさい。

走りを教えたければ育成がやりたければ10代後半以上の大人を対象にすればいいのだ。今の日本の陸上界は10代後半から大人の練習内容がひどすぎるレベルだ。才能のある実業団の所属選手が、世界に出るとべた負けに負ける。
そこでトレーニング科学の基礎を学び、生物学を学び、そうしてちゃんとした指導者になればいいのだ。田母神君がやっていた練習方法では、まったくレベルが低すぎる。日本選手権では勝てても世界では勝てない。つまり10代後半以降の大人を対象としたスポーツ指導でもまだまだやりようがあると言うことだ。

(下の写真福島民報より転載|||F のジュニア教室)体育学の知識が欠けていることが分かる。

田母神君、子供を起業のダシにするのは止めたまえ。そして福島県民の皆さん、このようなスポーツ教室には子供を入れないようにしよう。

小学生集めてのスポーツ教室などはちょっと名の知れたアスリートが日本中でやっている。発達学のハの字も知らないで、このような生き方を自己満足というのだ。いまさら、そんな愚か者の仲間入りする必要はあるまい。

解剖生理学には発達学や発生学が含まれている。指導者になるのならそういった勉強をもっとしっかりやるべし。陸上の本場欧州のテキストを読むと、ジュニアのトレーニングは大人のトレーニングの薄めたコピーではない。と書いてある。そして少年はトレーニングではなくて遊びで心身を作る。スポーツでそれを阻害してはいけない。


蛇足だが、アスレティックコースとアスリートコースでは意味が同じだ。アスレティックとは職業スポーツ、アスリートとは職業で運動をやる人という意味だ。語源は古代ギリシャ語である。

スクールに参加した未来のスター選手たち