今日、人通りの少ない駅の地下道で、両足が不自由な30代くらいの女性とすれ違った。
杖をつきながら、一歩一歩、一生懸命歩いていた。アツミがすれ違って数秒後、「ドターン!」と大きな音がして振り返ると、女性が転んでしまっていた。
慌てて駆け寄ると、「すみません、すみません。」と女性はアツミにたくさん謝った。幸いにも女性に怪我はなかった。アツミは飛んでしまった杖をとり、女性を抱え起こした。近くに座れるところが見えたので、「あそこに座りましょう。そこまで行けますか?」と聞くと、「大丈夫です、すみません。」とまたたくさん謝った。女性は先を急いでいたようだった。
女性が転んでしまった原因は、「点字ブロック」。
点字ブロックに杖も足もとられてしまい、転んでしまったのだ。そのもどかしさにアツミはどうしようもない気持ちになった。目の不自由な人にとってはなくてはならない点字ブロックも、足の不自由な人や車いすの人にとっては逆になるという、このもどかしさ。
「(転んだのは)ちょっと疲れちゃったのかな。もう大丈夫ですから、すみません。エレベーターで行きます。」と女性が言ったので、女性をエレベーターまで見送った。
別れた後に、なんだかわからないけど、泣けてきた。アツミに「すみません。」と女性は何回言っただろう。女性はいつもそうしてたくさん謝っているのだろうと思ったら、泣けてきた。なんだか悔しい気持ちもあったのかもしれない。電車の中で、アツミは鼻をずぅずぅしなきゃいけないほど、なんだかいたたまれない気持ちになった。
なんかもどかしい。
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いがらし
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ユーゴ
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わたなべ ひろし☆UP DATE
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