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おばちゃんパワー

2012-02-23 21:38:16 | 日記
きょう、おばちゃんに会った。豪快なおばちゃん。みんな初めて会う人なのに、いっぱいしゃべって、豪快に笑ってるの。たぶん、たいしたことあることも、たいしたことないみたいに。わたしはそれを見てるだけだけど、その輪、すっごく楽で、肩がすうって軽くなるきがした。全く知らない、全くしゃべれない私を環に入れてくれて、相づちまでふってくれて。
ああ、いていいんだって。私は異物じゃないんだって。私、はじめはすごくこわかった。人の目が、視線が。なんでいるの?っていわれてる気がして。
でも、あの環に入ったら、わたしもここにいていいんだって、不思議と思えた。すてきなおばちゃんだったなあ。元気で、パワフルで。ちょっとのことは気にしない、てね。
ずっとそこにいるのは今の私にはちょっぴりしんどかったけど、わたしも、あんな風に笑い飛ばしていけたらいいなあ。

きょうのお歌、きょうの天気は雨模様

2012-02-23 09:27:00 | 日記
ふにゅふにゅ。
もんもん。
ぷわぷわ
ぷー。
お風呂じゃぶじゃぶ。
大好き
大嫌い
私の気持ちは?
あなたの気持ちは?
私、めっちゃがんばる
私、めっちゃすべる
空回り。
私、めっちゃこわい。
こわくてこわくてたまらない。
人に会うこと。
言葉を発すること。
私さえ我慢すれば、まるくおさまる。
波風たたない。
何度思ったか。
お母さん、私の気持ち、わからないって、プンプン。わたし、伝えたい、でも、崩壊こわい、で、ふにゅーって。
ならそれで割り切れたらいいのに、割り切れない。
もんもん、いらいら。どうしようもなくて、イジイジ。 うわーってなって、泣いて、さけんで、でも、伝える方法、わからない。
伝えた瞬間、あんた、知らない、嫌い、私、消えるってなる気がして。

どこまで出して、どこまで隠す?
とっても大事な問題。
これ、まちがえたら、わたし、透明人間。

隠せ隠せって。

でも、そればっかり、だめ。

言うこと言ってって。

お母さん言った。

高校のとき。

今でもまだよくわかんない。
今の私は行き過ぎてるかもしれない。
まだまだ足りないかもしれない。わかんない。

こわい。
でも、前に進むんだ。自分、嫌いでも。
今の私は迷惑かけるだけの存在かもしれない。
それでも前に進むんだ。
それしか方法、ないから。

雛人形ゆみ(落語)

2012-02-16 15:31:39 | 日記
お久しぶりです。まいどおなじみくまのサンタです。
クリスマスはとおおっくに終り、もうすぐおひな祭りの季節ですが、くまのサンタです。
せっかくプレゼントをあげても、注目されるのは年に1回だけ。なんだかさびしい職業ですね。
さて、今回ご紹介するのはおひな祭りにちなんだもの。これがほんとうかうそかは皆様でご判断ください。

~      ~          ~          ~      ~


「きょうは楽しいひなまつり~♪おかあさーん、このお雛さん、ここでいいの?」

「そうねえ、もう一つ右かな。それとゆみちゃん、それはお雛さまじゃないのよ。三人官女っていうの」

「それくらい知ってるよ。でもさ、三人官女って、みんな“三人官女”じゃない。名前がないみたいでかわいそうだもん」

「あら、そうねえ。でもそれじゃあ、お雛さまっていうのも、一番上の段のお雛さまといっしょになっちゃうわよ?」

「それもそっかあ。うーん、よし。じゃあ、このお人形は私と同じ、“ゆみ”にしよう」

「ほかの三人官女の名前はどうするの?」
「ほかのはいいの。だって、この三人官女は昔私が壊して、おばあちゃんに新しく買ってもらった人形だもん。ゆみはとくべつなお人形なの」

たしかに、三人官女のなかで、ゆみと名づけられた1体は後から買い足されたお雛さまでした。それは、他の2体がすまし顔をしているのに対して1体だけ、微笑んでいることからも、簡単にわかることでした。

こうして、この1体はゆみと名づけられました。でも、それはゆみにとっては悲劇の始まりでした。


~    ~   その夜~    ~      ~    ~       ~




「ねえ、けさ聞こえたゆみって子、どの子?」
「三人官女って聞こえたけど」

なにやらひそひそと話し合う声がきこえます。

「なんでも新しく入ってきた子らしいわよ。どんな顔しているのかしら」
「あ、わたし見てた。あのまん中の子」
「まん中って、あの髪のきれいな子?」

ゆみからは見えない高い位置からぼそぼそと聞こえてきます。

(あーもう、うっとおしいなあ。でも、ふりかえることはできないし)

「ねえねえ、みんなあなたのことうわさしているわよ」
とつぜん、左隣の三人官女が話しかけてきました。

「しってるわよ。あれだけ大きな声でしゃべられればいやでも気づくわ。そんなに珍しいのかしら。ったく、これでふりかえることさえできたら、どなりちらしてやるのに」

と、そのとき、右隣の三人官女がゆみをじっとみていました。ゆみがふりむくと、ぱっと目をそらしました。

「なに?」

「いや、あの、その……、そんなんじゃないと思う、よ。ここに新しく入ったの、は、はじめてだから、その、あなたが、ね。わたしも、会うの、初めて・・・、だけど」

しばらくおしだまったあと、意を決したように言いました。

「きれい、なの」

うんうん、とうなずくおとが響きました。

「きれいってなにが。みんなといっしょじゃない。黒髪に、赤い着物に、白い顔。どこが違うっていうの」

左隣の三人官女がふっと声をたてました。

「そうねえ、優しい目つきとか、ほら、私たちってみんなすまし顔じゃない?でも、あなたはそうじゃなくて、なんだかやんわりしてるっていうか」

「でも、そんなの後ろには見えないはずじゃない」

「顔だけじゃないのよ。髪も、私たちはただまっすぐの髪だけど、あなたの場合は少しボリュームがあって、ふわっとしてて。なんだかあこがれちゃうなあ」

ため息がそこここから聞こえてきました。右隣の三人官女も少しうつむいて、なんだか微笑んでいるようでした。

「ねえ、あなたのいたところはみんなそんな優しい顔をしているの?」

 後ろに立っている二人官女が聞いてきます。

「そんなことはないわよ。今だって、すまし顔の人形はいるわ。でも、笑っているのも少なくないわね」
「へえ。具体的にはどんな子がいるの?」

質問攻撃が始まりました。上の段から、下の段から、どんどん質問が飛び出してきます。

この状態は次の朝まで続きました。


~        ~       朝になって    ~       ~     



「おはよう、お母さん。おはよう、ゆみ。……うん?ねえ、お母さん」

「なあに、どうしたの?」

「ゆみがへん」

「へんって?・・・あら、ほんとう。なにがついたのかしら」

 買ってもらったばっかりの白いゆみの顔は、一晩かかった質問攻めで青く変色していました。

雪だるま(物語)

2012-02-09 00:55:26 | 日記
私の家に赤い封筒が届いたの。宛先欄も送り先も空白の、奇妙な手紙。
わたし、ビリビリって破いてあけたの。
したらね、一通の手紙が入っていてね、こんなことが書いてあったの。

わたしは雪だるま。子どもの目にはみえるけど、大人の前では消えてしまう雪だるま。手紙を受け取った君の目に、僕は映るかな?

わたし、意味が分からなくて、誰かのいたずらかな、て、封筒をあっちこっち眺めまわしたの。

したらね、突然、背中を冷たい風が通り抜けてってね、私がふりかえってみると、そこは一面の銀世界だったの。
で、その雪の世界の真ん中にぽつんと一つ、雪だるまがたってて。目はミカンで、口はリンゴ、手の代わりにポッキーが刺さってるの。
-誰が作ったんだろう。
わたし、じぃっと見ていたの。
したらね、その雪だるま、突然泣きだしてさ、
「寒いよう、お腹すいたよう」って。
わたし、思わず、
「寒いって、雪だるまじゃん」って言ったの。
「寒いもんは寒いんだ~。君にはわからないんだ~。そんなぽかぽかの服着てあったかい靴はいて。いいな~、いいな~」
あんまりうらやましがるから、わたし、自分の着ているガウンを雪だるまにかけてあげたの。
雪だるまは一瞬、うれしそうに、にこおって笑うと、私の靴をじっと見るの。
「それも、はいてみたい」わたし、断ったよ。
「これは無理だよ。わたしが風邪ひいちゃう」
でも、雪だるまは、いいな、いいなってずっと言うんだもん。
仕方ないから、わたし、靴もはかせた。
「やっぱり思ったとおり、あったかい」
雪だるまは笑ってね、歌をうたったの。「雪やこんこ、あられやこんこ、わーい、もっとふれー、もっと積もれ-」
うれしそうにぴょんぴょん飛び回るの。
「ちょ、そんなに積もったら困るよ。それに、ほら、転ぶよ」
雪だるまはくるっとわたしの方を見ると、
「僕はね、子どもに作ってもらって、おとなに溶かされるの。雪かきして、お湯をかけたりして。僕は温かいと溶けちゃうから。でも、君の服がいちばん温かいや。来年も、僕を作ってね。」
雪だるまはそう言って、幸せそうに溶けていったの。

私のフランス人形(物語)

2012-02-07 22:56:52 | 日記
私のフランス人形は青いお目めをしているの。
いつだって無口で、笑うこともなく、じっと部屋の奥をみているの。
―なにがあるの?
わたし、覗いてみたんだけど、なにもないの。
でも、私のフランス人形は、ただ、恋しそうに、じっと見つめているの。
わたしね、思うの。
童謡の「赤い靴」って知ってる?
私のフランス人形は、見つめる先、ずっとずっと向こうに大好きな人を残してきたんじゃないかって。
すっごく会いたいけど、自力で海を渡ることはできないし、必死で、慣れない畳を好きになろうとしてるんじゃないかって。
夜中になるとね、涙が伝うの。でも、決して声は出さないの。何でって?それは、自分が人形だから。人形は声を出さないきまりなの。本当は泣いてもいけないの。でも、涙は、止められないもの、らしいの。
フランス人形はね、恋をしたの。外の世界に。まだ見たことのない外国へ行ってみたいと思ったの。旅行、に憧れたの。
私のフランス人形は自分が人形だということも忘れて、店頭に並んだの。他の海外向けの人形と一緒に。
そうしたら、旅行に連れていってもらえると思ったの。ちょっとみたら、すぐに逃げて帰ってくるつもりだったの。
でも、私のフランス人形を買った人はそのまま船に乗っちゃった。
船の上でどんなにあがいても、逃げることはできなかったの。
私のフランス人形は思ったの。帰れないのは自分のせい。何も考えずに外に憧れた自分のせい。
だから、私のフランス人形は泣かない。涙は流れても、泣けないの。泣いちゃ、いけないの。