育児といろいろ

父親から見た育児。長女は産院、二女・三女は自宅出産。四女は助産院。それぞれの違いがよくわかりました。子育て頑張ってます。

25周年記念フォーラム

2006年04月09日 19時45分55秒 | 語学
有楽町の東京国際フォーラムでヒッポファミリークラブの25周年記念フォーラムに参加してきました。パネルディスカッションで、画家・作家である赤瀬川原平氏、生命誌の権威である中村桂子氏、(独)理化学研究所 知的財産戦略センター長の丸山瑛一氏よりそれぞれの分野から見た言語感について話を聞くことができました。

赤瀬川さんは画家から作家といった専門分野に足を踏み込んだ経歴の持ち主です。画家から作家の道に進む際、分野は違うけどそれぞれの間には通じるものがあり、それはことばでも同様で裏でつながっているように何かがあるのではないかと述懐されていました。

多言語を話す人は言葉の核となる中心が密になり応用が利くように、言語だけでなく画家と作家を掛け持つ私の体験からバックグラウンドで何か繋がるものがあったと語られていました。

また、意味文字と音文字についての話も非常に興味深かったです。世界には漢字のように1字で意味を伝える文字とひらがなのように1字だけでは意味をなさない文字の2種類があり、日本はその両方を持ち合わせていて、そのあたりを言葉として研究しているとの報告もありました。

中村さんは自然科学という点からことばを捉えていました。現在の自然科学は出来上がっているものを分解し研究しているのが主流で、言語研究の大多数が単語を捉えて、組み立てて言葉化したり、文法を探求し学問化しています。

これに対し、ヒッポの活動ではことばを部分から入らず、全体で入っているところが興味深く思っていると述べられ、ヒッポの人たちはウェルナー・ハイゼンベルクの「部分と全体」を読みこなすのにも、(この本はとても難しいのですが)全体からアプローチし、本質に迫っているように感じました。と話されました。

また、コトの全体を捉えるには何が一番よいか?それは生まれるところを調べると全体がわかると言われてました。「ことば」でいうと「ことば」を発するようになる赤ちゃんを観るとよいそうです。

丸山さんは仕事柄、技術移転という側面からフォーカスされていました。移転=トランスつまり、伝えることですが、「ことば」もそういう意味では同じであると捉えていました。

かつてポーランドのザメンホフが1887年に世界共通言語としてエスペラントという人工言語を創り出しました。とても簡単な構造ですが普及には至らず、今は英語が世界共通言語として地位にあります。これは、生きた言葉ではなく、文化を背負っていないため、普及しなかったと分析されてました。

そして、言葉の方向性は1つに集約されるのではなく、あるコアを持ちながら多面性を持っていると推測され、ヒッポのアプローチが有効ではないかと話されました。

また、小学校からの英語の授業の導入については

・先生がきちんと英語を話せない
・日本語もしっかり覚えていないのに、さらに英語を教えると混乱する

と2つの問題点が指摘されています。しかし、音という部分についてはCDを活用すればよい訳で、後者についても20年前からヒッポの活動をみていて、その子供たちはしっかり自分の意思を話せるようになっているし、問題はないと述べられていました。

中村さんも丸山さんも英語教育を学問として扱わず、遊びの中で言語を育てたほうがよいのではという意見でした。

この講演を聴いて、いろんな学習方法について、やはり全体像を捉えてからのアプローチが非常に重要なんだなと感じました。ことばでいうと全体を捉えることは、言葉のイントネーション、つまりそれぞれの言語の持っている全体の抑揚を捉えることが大切だと再認識しました。中国語だったら中国語らしさ、韓国語だったら韓国語らしさ。英語だったら英語らしさっていうやつですよね。つまり、それっぽく言ってみるっていうのがことばでは大切だと実感しました。

その環境を僕とかみさんは子供にプレゼントしている訳なんですよね。教材が高かったり、毎月の会費が高かったり思うところはありますが、CDと通して19人のネイティブに毎日接し、自分のしゃべれる環境を提供していると思えばこそ、納得できるかなと思いました。

最後にヒッポの平岡さんの話にもあったように、「昔の人は言葉を勉強して覚えようとしていたんだって。」でも、未来は"自然に学ぶのが当たり前"になりそうな気がしました。


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