小説「離しません!」&スピンオフ「オミとカイ-少女の霊と俺達と-」

心霊YouTuber達のソフトなBL小説です。男の方もどうぞ。更新情報などはブログ1P目又はツイッター(X)にて🌹

小説「オミとカイ」48.オミ、好きだ

2024-11-10 22:44:00 | 小説

 カイはリモコンに手をのばして、照明の明るさをかなり落としてくれた。 

 

 それでも積極的に動くことはできなかったが、俺は本当に抵抗は感じなかった。


 何というか、カイとの関係が最終地点まで来たような気がして、嬉しかったような…という感じ?


 

 「オミ、好きだ… 」


 

 熱い告白を耳元でささやかれると、何だか…

 

 今までの誰とのベッドでも感じたことのないものがあふれて、全身に広がってくるような…

 

 両腕を思わずカイの背中にまわしてからはなおのこと…

 

 カイの優しい指先、はげしい唇…


 カイの優しさと熱量にこたえたいけど、どうすれば…


「オミ、大丈夫? 嫌じゃない? 」


「嫌じゃない…でも俺、きっとカイに甘えるばかりになっちゃうよ…あ…」


小説「オミとカイ」47.不思議な気持ちと甘い唇

2024-11-06 22:53:00 | 小説

 実は、俺はカイに対して抱いている感情が、まだ整理できていないでいた。

 でももう二度とカイと離れたくないことは事実だった。



 そのためなら何でもする…

 いや 自分でも不思議なことに、本当は俺の方が、もうカイと抱き合いたかったのかもしれない…


「オミ、後悔しない?」


「ふーん、後悔させる気なんだ」


「うるさいよっ!」


 転がってきたカイに抱きしめられ…唇を重ねられ 舌を入れられ舌をもて遊ばれた。

なんだか、うっとりしてしまう…


 そして、カイはひざ立ちして、パ ジャマ代わりの T シャツを脱ぎ捨て、俺の体に手を伸ばしてきて俺の T シャツをめくり上げ...


 俺は素直に降参して両手を上げた。

 ここまでは良かったんだけど…


「カイごめん。 電気消して…」


「やだ! 」

「なんで…」

「見てたい…」


「だめ、そんなの恥ずかしいよ…」


「恥ずかしくなんかないよ。オミ、こんなに綺麗だもん 」


 そしてカイの、俺よりやや薄い胸が 俺の胸に重なってきた。


 不快感のようなものは全くなかった。



小説「オミとカイ」46.男だったら乗ってみな

2024-11-04 23:19:00 | 小説

 俺の方がびっくりして黙り込んでしまった。


「…カイ君、どうしちゃったの?」


 するとカイは我に返ったようで、いや、何でもない、とごまかすように笑みを浮かべた…


 その後は、この二人にしては珍しく沈黙…


 テレビとかをつける気にはならなかった。


 ただビールを飲んで、たまに顔を見合わせて、意味もなく笑ったりして…


「それじゃ、寝ますか」


 カイが言ってくれて助かった。


「そうだね 」


 照明のリモコンはどうやらカイの方にあるようだったので、消灯はまかせてしまおう。


天井を見たまま、カイは、


「俺、ここに引っ越してこようかな…」


「だから、俺最初に言ったのに 」


「だから、忍ぶ恋だったからできなかったの! 」


 そして、俺の右腕をがしっと掴むと、


「…もう、こういうこととかしてもいいってことでしょ?」

なんて言う。


 でも、照れは必死で抑えているようだった…やっぱり

誠実なヤツ。


 それで、笑顔で言ってみた。


「襲ってくれてもいいのに 」


 それを聞いたカイは、切れ長の目を信じられないほど まあるくさせて、えっ?という顔をしたが、


「いいの 本当にいいの? 」


「うん。男だったら乗ってみな、って感じ。なーんてね 」




小説「オミとカイ」45.二人の夜

2024-11-02 23:08:00 | 小説

 まだ華ちゃんは何か言いたそうだったが、その時チャイムが鳴った。


 華ちゃんのマネージャーの後藤さんが迎えに来たのだ。


「じゃあごめんね。ダイキをこれからもよろしくお願いします」


と、華ちゃんは、ロックミュージシャンらしい長い金髪をたなびかせてかっこよく出て行った。


 ダイキが幸せそうに見送りについていく。


 それから ほどなくフクちゃんも帰って行き、

いつもの3人になった。


 早速 俺は 例のラブホの撮影許可申請の問い合わせをした。

 

それからダイキも含め3人で、カイのスマホの写真や動画をチェックしたが、やはりそれらしい音は入っておらす、でもカイは、


 クリー厶色のタイルのバスルー厶の写真は怪しく見える、と言い出したのだ。


「この、白と黒の、飛んでるような変な形の 」


「まあ言われればそんな気もするけど…」


「あの子、白い花かんむりをかぶってるんだ 」


「霊なのに? 」


ダイキと同時に声をあげてしまった。

「うん、多分…」


 ...しかし俺たちの元気もここまで。


 ダイキも大変だったことだし、木曜の今日から日曜まで会社は休みにすることにした。


「いい会社だなぁ 」


 カイのその口調が、家出前のクールさのようだったので俺は少し嬉しくなった。


 夕方にダイキが帰ってしまうと、カイと二人きり。


...動くのが面倒だったので、夕食は家ですませた。


 俺がシャワーから出るとかつてダイキが住んでいた部屋に布団が2組 引いてあった。


 まだ 病み上がりだと思うのに悪いことしちゃったな…


 でも俺の部屋で、ベッドと布団で段差があるより この方がおしゃべりはしやすいよな 、なんて 思ってぼーっとしていた。


「ビール飲まない?」


とカイが缶ビールを持ってきてくれた。



 乾杯して一口飲んで、


「あれ、カイまだ薬飲んでるんじゃないの ?  大丈夫?」


「このくらい平気だよ。 心配性だな」


「こんな風にしたのはカイでしょ」


「だからごめんってば 」


 そして、カイは俺を見つめたまま、なぜか固まった。


44.華ちゃんの励まし

2024-10-31 22:58:00 | 小説

 次の日の朝は、礼霊ずの関係者5人がみんな揃っていたので 何だか嬉しかった。


 カイの手前、華ちゃんと1対1では絡まないようには気をつけたけど…


 カイの視線は感じていたけれど…


 遅い朝食を取りながら雑談をしていたのだが、


時計を気にしていた華ちゃんが突然みんなに、


「俺は、心霊動画のことはよくわからないいちファンだけど、礼霊ずのいいところは 、やっぱり、上品なイケメンが落ち着いて怪奇現象をレポートするところだと思うんだ… 」