「オミ、さっきからうるさくない? この部屋 」
「いや、気がつかなかった 」
と答えた途端に、ドン!ドン!と続けて、壁が叩かれるような音がした。
「お隣のお客さんのせいじゃないでしょ、これ」
2人でちょっと笑ってしまった。
「そんな薄い壁は嫌だな 」
俺が笑いながら言うと、カイも笑いながらベッドから出た。
「ちょっと 水回りを見てくるよ。バスルームは霊のたまり場って言うじゃない? ここ、廊下も寒かったけど部屋も変に寒くない? 」
「そういえば 寒いね 」
そして カイは服の上からバスローブを着た。
「いやぁ… やっぱり着てもダメだね…」
「もう何かいるって決定だね 」
「じゃあ スマホで取ってくるよ 」
そしてカイは意気揚々と、では カズ君行きま〜すと、洗面所の方に向かって行ってしまった。
俺はカイが病み上がりなのを思い出し、 さらには 具合が悪くてここに来たことを思い出して止めようとしたが、間にあわなかった。
俺もベッドから出たが、やっぱり普通の空気ではなかった。
霊がいる。
そんな感じだった。
カイが洗面台の扉を開け閉めしているような音が聞こえてくる。
すると、
「なんだこれ…」
カイの声が気になって様子を見に行った。
しゃがみ込んだカイが、シンクの下、両開きのドアの左が空いた 洗面台の中をスマホのライトで照らしていた。
「オミ、あれ 、血だよね? 包帯に染みた…」
こそ先は一体どうなるの?と気になりますねぇ(笑)
この先は期待大。です〜