小説「離しません!」&スピンオフ「オミとカイ-少女の霊と俺達と-」

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小説「オミとカイ」28.寒すぎる部屋

2024-09-19 22:30:01 | 小説

「オミ、さっきからうるさくない? この部屋 」


「いや、気がつかなかった 」


と答えた途端に、ドン!ドン!と続けて、壁が叩かれるような音がした。


「お隣のお客さんのせいじゃないでしょ、これ」

2人でちょっと笑ってしまった。


「そんな薄い壁は嫌だな 」

 俺が笑いながら言うと、カイも笑いながらベッドから出た。


「ちょっと 水回りを見てくるよ。バスルームは霊のたまり場って言うじゃない? ここ、廊下も寒かったけど部屋も変に寒くない? 」

「そういえば 寒いね 」


 そして カイは服の上からバスローブを着た。


「いやぁ… やっぱり着てもダメだね…」


「もう何かいるって決定だね 」

「じゃあ スマホで取ってくるよ 」


 そしてカイは意気揚々と、では カズ君行きま〜すと、洗面所の方に向かって行ってしまった。


 俺はカイが病み上がりなのを思い出し、 さらには 具合が悪くてここに来たことを思い出して止めようとしたが、間にあわなかった。

 

 俺もベッドから出たが、やっぱり普通の空気ではなかった。

 

 霊がいる。

 そんな感じだった。


 カイが洗面台の扉を開け閉めしているような音が聞こえてくる。


 すると、


「なんだこれ…」


カイの声が気になって様子を見に行った。


 しゃがみ込んだカイが、シンクの下、両開きのドアの左が空いた 洗面台の中をスマホのライトで照らしていた。


「オミ、あれ 、血だよね?  包帯に染みた…」






1 コメント

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Unknown (nonakahutaro)
2024-09-20 03:12:01
こんにちわ。
こそ先は一体どうなるの?と気になりますねぇ(笑)
この先は期待大。です〜
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