小説「離しません!」&スピンオフ「オミとカイ-少女の霊と俺達と-」

心霊YouTuber達のソフトなBL小説です。男の方もどうぞ。更新情報などはブログ1P目又はツイッター(X)にて🌹

53.オミに生霊

2024-02-27 22:52:00 | 小説
 俺は、自分でチェックする前に、ドキドキしながらオミさんにスマホを手渡すことになってしまった。

「同じアングルで撮ったんだ…変えても良かったのに…もう少し近くに撮っても…」

などと言いながらじっくりと写真を見ていたオミさんが、えっ?とかすかな声をあげた。

「何かありましたか? 」

俺は真っ青になってしまった。

「これ、この2枚目…」

 のぞき込んでも、俺にはわからなかった。
 
 しかしオミさんは写真から目を離すことなく、

「俺の肩、右の肩に、何かついてない? 」

「…えっ? 」

 …これって…

「…手、だよね?…」

「そう、ですね…」

…信じられないが、どう見てもオミさんの肩には何かがある…というか、人の手が置かれている、というか、手が肩をつかんでいる。

 オミさんも俺も言葉を失うばかりだった。何しろこの家にはこの二人しかいないのだ。

 それにオミさんが座ったソファは壁についている。こんな写真になるはずがないのだ。

 そして、立体的で手らしい形なのに、色は人の肌らしくなくややどす黒い。

「…色が黒っぽいのって、危険なんじゃなかったっけ? 」

「確か 」

俺にはそれしか言えなかった。

「…もしかして、生霊? 」

「そう、聞いたことがあります 」

 さすがのオミさんも混乱しているようだった。

「生霊って…俺、人に恨まれるようなことしてないし…」

 しかし、はっ、としたように俺を見て、

「君。ダイキ君 」

「はぁ? 俺、霊を飛ばす方法も知らないし、そこまでは強力にオミさんを恨んではいないと思うんですが 」

 俺はこの時は知らなかった。

 生霊は本人の意思に関係なく、飛んでいくこともあるということを。

 激しいオジサン達や…怖いファン達とか、遊び用の浮気相手とか、それを知って激怒した麻里華さんが霊能者に頼んだとか…逆恨みもあるかもしれないし…



52.フラッシュ使用

2024-02-25 22:21:00 | 小説
 結局オミさんは応接室のソファに、腰掛けてボーズをとってくれた。

 同じポーズで俺は、一番俺が苦手な真正面からのフラッシュ使用で3枚撮らせてもらった。

「もういいよお…で、どんな感じに撮れたの? 」


51.恥じらうオミさん

2024-02-24 22:33:00 | 小説
 カイさんを見送ってからも、オミさんは何だか所在なげだった。

「オミさん、そろそろ出発ですか? 」

「うん…それが、タクシー頼んだら到着まで30分て言われて…」

 そこで俺は思いついた。

「オミさん、良かったら今、写真を撮らせてもらえませんか? 
俺室内とかフラッシュ使っての撮影苦手で。自分のスマホなんですけど 」

 するとオミさんは目を丸くして、

「えーそうなの? 」

とは言ったが、叱られはしなかった。

「でも…いやあ…何だか…いいよ…こんなスーツ…俺らしくないし…」

と、もじもじしているので、

「じゃあ、新人のカメラ指導と思って…カッコ良く撮りますから、麻里華さんも喜びますよ」

「やだ! 絶対見せない! 」

 なんでだよ…

 でも、オミ社長はなんかいい人だ。今のところまでは。

 …それにしても、華島さんの情報、うっかりでももらしてくれないかな。


50.カイさんのバッグ

2024-02-23 23:12:00 | 小説
「小さいお社があるだけだから撮れ高が心配なんだよね…雰囲気はあるし、実際俺も具合悪くなっちゃったんだけどさ…でもダイキ君は大丈夫だったし 」

「まあ、撮るだけ撮っておいて、イマイチならお正月特集に使ったりしてもいいだろうし 」

「…そうだ、昼間の骸骨探してみようか 」

「ああ、それでもいいかも。フクちゃんは昼間ダメかもしれないけど」

 そしてカイさんは時計を見ると、

「ダイキ君、機材の片づけ頼める? 」

「はい。大丈夫です 」

と、俺が答えると、今度はオミさんに、

「悪いけど、今日はちょっと用事があるから帰るわ。オジサン達の接待よろしくね 」

と、いたずらっぽく笑ってドアに向かったが、

「カイくん、バッグ忘れてるよ! 」

「あ、ごめんごめん、俺としたことが 」

「気をつけて帰ってね。今日はありがとう 」

 そしてまた笑顔でカイさんは帰っていった。

 …うーん、俺、カイさんをかなり疲れさせてしまったのか。

 …そういえば…

 …カイさんとオミさん、不自然なところもないといえばないけど…

 バッグを忘れたのは、何かあるのかな?…


【おわび】作者のワガママですが…

2024-02-22 22:42:00 | おわび等
 いつも小説をお読みいただきまして、本当にありがとうございます。

 さて、大変申し訳ございませんが、作者都合(病気でも更新はしたいというわがまま)によりまして、1ページに2~3行しか書けない場合が出てきそうです。

 本当に申し訳ありません。

 小説は続けてまいりますので、よろしくお願い致します。