箱根駅伝がランナーたちをダメにしているのは!?
と関係者の間では、前々から言われてきた。
この春にもシューズを脱ぐヒーローたちがいる。
大きなインパクトとして報道されているのが
「山の神」と呼ばれた柏原竜二だ。
富士通の公式サイトによると、
昨シーズンに度重なるケガ、故障をしてしまい
この発表をしている今でも完治しておらず
復帰のメドがたたないことから競技の第一線を退く
と柏原はコメントしている。
引退の原因は腰痛で、今後は社業に専念し
強化運動部のサポートや社会貢献活動の補助などの業務を行うという。
柏原は箱根駅伝の5区・山登りで4年連続の区間賞を獲得。
衝撃的な快走を連発してきた。
1年時には4分58秒差を大逆転して
2年時と4年時には自らが持つ区間記録を更新。
「柏原劇場」で盛り上がった箱根山中には多くのファンが詰めかけた。
柏原人気はSNSでも絶大で
ツイッターのフォロワー数は10万以上を誇る。
これは日本陸上界でダントツトップの数だ。
しかし、実業団ではアキレス腱痛などに苦しみ
1万mの自己ベスト(28分20秒99)は大学2年時から更新できず
駅伝でも思うような活躍ができなかった。
マラソンに活路を見いだすも
15年9月のシドニーは2時間20分45秒で7位
昨年3月のびわ湖毎日も2時間22分15秒の52位に沈んだ。
大学を卒業して5年。27歳での「引退」となった。
柏原が「ランナー」として伸び悩んだのはなぜだろうか。
直接的な原因は故障かもしれないが、他にもいろいろと考えられる。
名門校のエースとして、箱根駅伝で3年連続の区間賞に
輝いたことのある元実業団選手は、以前こんなことを話していた。
実業団で潰れた自分が言うのはおかしいかも知れないが
箱根に勝ちたい、そういう思いでやってきたので悔いはない。
箱根で燃え尽きたかと言われるとそうかも知れない。
実業団で次の目標を見つけられれば良かったのだが
自分自身は箱根で活躍したことがプレッシャーになった部分もあった。
あれだけ注目を集める大会だから、自分の実力を見誤る。
学生ではトップかも知れないけれど
実業団には自分よりも強い選手がたくさんいるから。
大学時代は自分にも他人にも厳しかった柏原だが
箱根から解放されて、ホッとした気持ちと
多くのファンに囲まれて浮かれた部分があったのかもしれない。
実業団では自分のイメージしたような活躍ができなかったのは
実力以上に持ち上げてきたマスコミにも責任があるだろう。
早大のエースとして箱根駅伝で3年連続の区間賞を獲得して
学生時代に大阪世界陸上と北京五輪に出場した
竹澤健介も昨季限りで引退した。
竹澤は大学卒業後もストイックに競技に打ち込んできたが
学生時代の“強行出場”がその後の競技人生を狂わせたようだ。
大学2年から同3年の前半は猛スピードで
トラックやロードを駆け抜けたものの
左アキレス腱を痛めてから、カラダのバランスが崩れ始めたという。
その代償動作の影響で、大学卒業後は様々な部位を故障。
4年ほど前からは「左足のグラつき」に悩まされて
最後はジョッグもまともにできない状態だった。
竹澤は箱根に潰されたといれるかもしれないが
本人は箱根のせいにはしていない。
学生時代は若さと勢いで走ることができたと思う。
でも、土台が固まっていない状態で積み上げても、絶対に崩れる。
自分は早稲田に対する憧れが強かったので
『早稲田の竹澤』といわれるのは素直に嬉しかった。
箱根駅伝は面白さがあったし、それが将来に繋がるのが一番いい。
やり方次第では箱根を走った選手が世界で活躍することは可能だと思う。
自分は目先のレースに飛びついてしまったが
土台をしっかり作り、その上に積み上げていけるように
長いスパンで考えてやっていくべきではないか。
学生時代がピークだった選手がいる一方で
大学卒業後も活躍している選手がいる。
柏原と同じように「山の神」と称賛された
今井正人(トヨタ自動車九州)と神野大地(コニカミノルタ)
竹澤のライバルだった佐藤悠基(日清食品グループ)らは
同じような境遇にいたはずだが、実業団でも進化した姿を見せている。
箱根駅伝のイメージを払拭するくらいの結果を
マラソンで出すことがモチベーションになった。
と今井が言えば、
プレッシャーがないと言えばウソになるが、『山の神』として
注目されることを力に変えられるようにやってきた。
と神野も話している。
自分が具体的にどこまで行きたいのか。
ダメな選手は明確な目標が無いのではないか。
という言葉を佐藤からは聞いた。
注目を集める箱根駅伝は何かとスケープゴートにされるが
最終的には選手たちの“目標意識”の問題なのかもしれない。
長距離の有望選手たちは高校時代から魅惑的なオファーを受けて
箱根で活躍すれば簡単に人気者になれる。
そのため選手たちは勘違いしてしまうケースが少なくない。
長距離以外の選手は日本インカレで優勝しても
記録水準が高くなければ、就職先を見つけるのも難しい。
他種目の選手たちは単身で海外レースに参戦することもあるが
長距離の場合は必ず誰かが帯同する。
陸上競技でいえば長距離選手だけが特別扱いを受けているのだ。
早大時代に箱根駅伝で大活躍して、母校の駅伝監督を務めて
駅伝3冠を達成した住友電工・渡辺康幸監督も
箱根だけにならないようにと言われても
あれだけメディアに騒がれたら当人たちは普通ではいられない。
近年は駅伝強化でどの大学も予算を持っているし
実業団の強豪チームでは周囲がすべてやってくれるので
選手たちは甘やかされてきたと思う。
その甘さが日本の長距離マラソン界の低迷に
繋がっている部分もあるのではないか。
と危機感を抱いている。
箱根のエースたちが早すぎる引退を決意したなかで
今春は高校ナンバー1の日本人ランナーが実業団に進んだ。
高校1年生で初めて5000m13分台に突入して
2年連続で国体少年A5000mを制している
遠藤日向(学法石川高卒)だ。
箱根ではなく、3年半後の「東京五輪」を
トラックで目指すために住友電工に入社した。
箱根を経由しない遠藤が成功して
オリンピックで「山の神」以上の喝采を浴びることになれば
“箱根偏重”の時代が終わるかもしれない。
いや、終わらないと思ふけれど。
元記事はコレ。
と関係者の間では、前々から言われてきた。
この春にもシューズを脱ぐヒーローたちがいる。
大きなインパクトとして報道されているのが
「山の神」と呼ばれた柏原竜二だ。
富士通の公式サイトによると、
昨シーズンに度重なるケガ、故障をしてしまい
この発表をしている今でも完治しておらず
復帰のメドがたたないことから競技の第一線を退く
と柏原はコメントしている。
引退の原因は腰痛で、今後は社業に専念し
強化運動部のサポートや社会貢献活動の補助などの業務を行うという。
柏原は箱根駅伝の5区・山登りで4年連続の区間賞を獲得。
衝撃的な快走を連発してきた。
1年時には4分58秒差を大逆転して
2年時と4年時には自らが持つ区間記録を更新。
「柏原劇場」で盛り上がった箱根山中には多くのファンが詰めかけた。
柏原人気はSNSでも絶大で
ツイッターのフォロワー数は10万以上を誇る。
これは日本陸上界でダントツトップの数だ。
しかし、実業団ではアキレス腱痛などに苦しみ
1万mの自己ベスト(28分20秒99)は大学2年時から更新できず
駅伝でも思うような活躍ができなかった。
マラソンに活路を見いだすも
15年9月のシドニーは2時間20分45秒で7位
昨年3月のびわ湖毎日も2時間22分15秒の52位に沈んだ。
大学を卒業して5年。27歳での「引退」となった。
柏原が「ランナー」として伸び悩んだのはなぜだろうか。
直接的な原因は故障かもしれないが、他にもいろいろと考えられる。
名門校のエースとして、箱根駅伝で3年連続の区間賞に
輝いたことのある元実業団選手は、以前こんなことを話していた。
実業団で潰れた自分が言うのはおかしいかも知れないが
箱根に勝ちたい、そういう思いでやってきたので悔いはない。
箱根で燃え尽きたかと言われるとそうかも知れない。
実業団で次の目標を見つけられれば良かったのだが
自分自身は箱根で活躍したことがプレッシャーになった部分もあった。
あれだけ注目を集める大会だから、自分の実力を見誤る。
学生ではトップかも知れないけれど
実業団には自分よりも強い選手がたくさんいるから。
大学時代は自分にも他人にも厳しかった柏原だが
箱根から解放されて、ホッとした気持ちと
多くのファンに囲まれて浮かれた部分があったのかもしれない。
実業団では自分のイメージしたような活躍ができなかったのは
実力以上に持ち上げてきたマスコミにも責任があるだろう。
早大のエースとして箱根駅伝で3年連続の区間賞を獲得して
学生時代に大阪世界陸上と北京五輪に出場した
竹澤健介も昨季限りで引退した。
竹澤は大学卒業後もストイックに競技に打ち込んできたが
学生時代の“強行出場”がその後の競技人生を狂わせたようだ。
大学2年から同3年の前半は猛スピードで
トラックやロードを駆け抜けたものの
左アキレス腱を痛めてから、カラダのバランスが崩れ始めたという。
その代償動作の影響で、大学卒業後は様々な部位を故障。
4年ほど前からは「左足のグラつき」に悩まされて
最後はジョッグもまともにできない状態だった。
竹澤は箱根に潰されたといれるかもしれないが
本人は箱根のせいにはしていない。
学生時代は若さと勢いで走ることができたと思う。
でも、土台が固まっていない状態で積み上げても、絶対に崩れる。
自分は早稲田に対する憧れが強かったので
『早稲田の竹澤』といわれるのは素直に嬉しかった。
箱根駅伝は面白さがあったし、それが将来に繋がるのが一番いい。
やり方次第では箱根を走った選手が世界で活躍することは可能だと思う。
自分は目先のレースに飛びついてしまったが
土台をしっかり作り、その上に積み上げていけるように
長いスパンで考えてやっていくべきではないか。
学生時代がピークだった選手がいる一方で
大学卒業後も活躍している選手がいる。
柏原と同じように「山の神」と称賛された
今井正人(トヨタ自動車九州)と神野大地(コニカミノルタ)
竹澤のライバルだった佐藤悠基(日清食品グループ)らは
同じような境遇にいたはずだが、実業団でも進化した姿を見せている。
箱根駅伝のイメージを払拭するくらいの結果を
マラソンで出すことがモチベーションになった。
と今井が言えば、
プレッシャーがないと言えばウソになるが、『山の神』として
注目されることを力に変えられるようにやってきた。
と神野も話している。
自分が具体的にどこまで行きたいのか。
ダメな選手は明確な目標が無いのではないか。
という言葉を佐藤からは聞いた。
注目を集める箱根駅伝は何かとスケープゴートにされるが
最終的には選手たちの“目標意識”の問題なのかもしれない。
長距離の有望選手たちは高校時代から魅惑的なオファーを受けて
箱根で活躍すれば簡単に人気者になれる。
そのため選手たちは勘違いしてしまうケースが少なくない。
長距離以外の選手は日本インカレで優勝しても
記録水準が高くなければ、就職先を見つけるのも難しい。
他種目の選手たちは単身で海外レースに参戦することもあるが
長距離の場合は必ず誰かが帯同する。
陸上競技でいえば長距離選手だけが特別扱いを受けているのだ。
早大時代に箱根駅伝で大活躍して、母校の駅伝監督を務めて
駅伝3冠を達成した住友電工・渡辺康幸監督も
箱根だけにならないようにと言われても
あれだけメディアに騒がれたら当人たちは普通ではいられない。
近年は駅伝強化でどの大学も予算を持っているし
実業団の強豪チームでは周囲がすべてやってくれるので
選手たちは甘やかされてきたと思う。
その甘さが日本の長距離マラソン界の低迷に
繋がっている部分もあるのではないか。
と危機感を抱いている。
箱根のエースたちが早すぎる引退を決意したなかで
今春は高校ナンバー1の日本人ランナーが実業団に進んだ。
高校1年生で初めて5000m13分台に突入して
2年連続で国体少年A5000mを制している
遠藤日向(学法石川高卒)だ。
箱根ではなく、3年半後の「東京五輪」を
トラックで目指すために住友電工に入社した。
箱根を経由しない遠藤が成功して
オリンピックで「山の神」以上の喝采を浴びることになれば
“箱根偏重”の時代が終わるかもしれない。
いや、終わらないと思ふけれど。
元記事はコレ。
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