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■楽曲制作ノート 06 さよならシティライツ Collaboration with SING LIKE TALKING

馬場俊英 楽曲制作ノート 06

■さよならシティライツ Collaboration with SING LIKE TALKING

SING LIKE TALKINGとのコラボレーション。夢のような作業となりました。佐藤竹善さんとは以前にもアルバムで「スーパーオーディナリー」という曲を共演させていただいたことがありますが、今回は、アレンジを藤田千章さん、ギターを西村智彦さん、ボーカルが佐藤竹善さん、SING LIKE TALKINGとのコラボレーションとなりました。

楽曲「さよならシティライツ」は少し前に書き上げていた曲でした。ボズ・スキャッグスなどのフィーリングをイメージして楽しみながら書いた楽曲でした。途中、ダリル・ホールが歌ったら・・みたいなことも想像したり。とある街でのラブストーリー。様々な思い出、戻らない時間、胸に残る風景、かけがえのないシーンを、たくさんの光が今も照らし続けている。そんな内容です。

そして、そんな心情や風景を、千章さんがまるで絵画のようにアレンジしてくださいました。一枚のキャンバスに、いろんな色で思いを描いて行く。キラキラとした儚い音色が胸に響きました。

そして西村さんのギター。僕は、1970年代に活躍したアメリカのグループ「The Band」が大好きなのですが、ロビー・ロバートソンを彷彿させる西村さんのトレモロ・ギターに感動しました。「The Band」の演奏は各メンバーの奏でる音色が鳴ったとき、もうそれだけでアレンジになっているんですよね。展開するというより大きなワンシーンなんです。気分や状況が提示されたら、あとは個々のパーソナリティが自由に漂う。千章さんからプリプロ音源が届きそこに西村さんのギターがダビングされたとき、「これはまるで21世紀のThe Bandだ!」と興奮しました。

そして最後に竹善さんのボーカルが届きました。それは予想し思い描いたものそのものであり、それ以上の歌唱で、ほんとうに実現してよかったと思いました。このアルバムの中でもサウンド的に冒険をした曲となり、今回のコラボなくして生まれなかった音になりました。自分の曲をSING LIKE TALKINGが演奏している(!)。感慨深い曲となりました。

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