タンゴの令和化け猫日記

私の2022年は母の最期から始まりました

私の2022年は、母の闘病生活から始まりました。

年が明けた頃は妹君の手作りを食べることが出来ましたが、正月を過ぎたあたりから体に異変が起きて、食事が減り脚などの浮腫が酷くなりました。
年始めに窓から見た降り積もる雪を自力で見ていましたが、通院日には歩くことも厳しくなり途中でタクシーを拾いました。

病院での待合室にいるのは明らかに厳しい状態でしたので処置室で寝かせてもらいましたが、担当医が見るなり入院が決まってしまいました。

私が独り帰り妹君に母の入院を報告したとき、妹は何かを感じていたようです。

それから2日後、病状は悪化していることを告げられました。

がん性腹膜炎になっていて、生きて帰ることは厳しいことを病院側から告げられたそうです。

でも何とかして母を自宅へ連れて帰りたいという妹君の気持ち、母の意向を叶えるために妹君は必死で何とか自宅療養に切り替えました。

帰宅したとき、まだ母は会話が出来ていましたし自力でトイレに行くことも出来ました。
そのときに行った言葉が切ない…。
「帰ってきてよかったのかな?」
そんな…ここは貴女の家でしょ。帰ってきて当然でしょうって心の中で思いました。

母は、ただでさえ気を使う人でしたので、本当に切なかったです。

それからしばらくは意識がありましたが…2階のトイレを使いたい母に対して親父が全く状況が読めずに、2階のトイレを入ってしまったのです。
それは私が一番恐れていたことでした。
ただでさえしんどいのに、1階まで降りるのはもっとしんどいはず。
彼女は仕方なく下のトイレに行きましたが、上がるだけでも息が絶え絶えになっていて、本当に辛かった。

一番心配していたことが現実になり、下に行ったときに「(親父)勘弁してよ」ってつぶやいてしまったのを覚えています。

それ以来、母は一番したくなかったオムツをつけることになりました。
亡くなる5日くらい前だったと思います。

その間に誕生日が来て、何とか祝うことが出来ました。
本人はウトウト寝ていることが多くなる中、目を覚ませば「アンタ達、ご飯は?」と心配する。
本当に亡くなる直前まで私達のことを心配していたのがよくわかりました。
最後の数日間は寝ていることが多かったのですが、「行ってきます」と言うと右手を上げて挨拶をする姿が今もハッキリ覚えています。

そして…亡くなる前日だったか、当日だったかわかりませんが、母が最期に残した言葉は看護師さんに対して「どうもありがとうございました。」という言葉だったと聞いています。

私が帰宅したときに呼吸がやや大きくなり、時間が経つに連れて荒くなってくるのがわかりました。
最期の瞬間です。
暑かったのかわかりませんが母は手で顔や首を拭う仕草をしたり、お腹をポンポン叩いたりしていました。

妹君は母の手を握りしめて色々と話しかけました。
私も話しかけました。
泣きながら話しかけました。

妹君涙ながらに「頑張らなくていいよ」の一言から次第に母の呼吸が浅く静かになり、やがて止まりました。

私と妹君に看取られての母の旅立ちでした。
その日は新月の干潮時まであと2時間弱となっておりました。
(忘れない。石原元東京都知事も母と同じ日に他界しました。)

最後に母とお別れをしたときの顔は、穏やかな表情をしていました。
その後は荼毘にふされましたが、頭蓋骨がバラバラになっていて、骨もかなり残っていなかったのがショックでした。
母は私たちよりも骨密度がしっかりしていた人でしたので、お骨上げのときの彼女の骨の少なさに言葉がなかったのです。

お骨になっても、しばらくの間は家にいましたので、心のどこかで「まだいるんだよね」という気持ちになりましたが、49日の法要で納骨を終えたあと初めて母親と「お別れ」になった気持ちでした。

時々「2021年の今頃は…」なんて振り返っていましたが、もうその振り返りも終わりに近づいています。

あれからまだ一年は経過していませんが、何だか急に遠い過去のような感覚になっています。

母の看取り後、職場でも上手く行かなくて…キツいと思いましたが、その私を立て直してくれたのがプロ野球観戦と大弥さまの話題でした。

それでも…母を看取った日のことは覚えています。

そんな2022年でした。

年の後半は…カンピロバクターにたたられたり、口の中がヒリヒリしてブルーになったり、まぁ私的お騒がせな日々も送っています。

明日から新しい一週間が始まりますが、2022年最後の一週間でもあります。
(今週は31日まで働きます。)

2022/12/25の夕ご飯に妹君から朗報がありまして…年越しそばを作ってくれるという話でした。

生前母が「美味しい」と言って食べた妹の年越しそばを2022年も私が、いただきます。
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