銘木(珍しい木)を扱う木工作家としては、木材の選定にも時間を掛けたい物です。
あまり詳しく書くと何のコラムだか分からなくなってしまいますので、ほどほどに留めておきましょう。
今回のサムピック削りで選ぶ木材の条件としては、ある程度以上の硬さと耐久性がある事、音の響きが良い事、この2点が最低条件となります。
水仕事をする訳ではありませんので耐水性と耐朽性は無視します。
更にギターにかかわるアイテムですので、ここは少しこだわりたいですよね。
そこで私が選んだ木材はブラジリアンローズウッドになります。
ギターが好きな方にはハカランダ(Jacaranda)という呼び名の方がしっくり来るかもしれませんね。
ローズウッドというのはマメ科の木の中でもダルベルジアという種類の木で、更に削った時に芳香が立つ木の事なのです。
ギター材として用いられるローズウッドの仲間には、ハカランダの他にもインドローズやホンジュラスローズが有名でしょうか。
他にもローズウッドの仲間はあって、チューリップウッドやキングウッド、ココボロ、シタン、アフリカンブラックウッド(グラナディラ)などが挙げられます。
マニアックなギター工房様ですとこれらの木でカスタムギターを作る事もありますね。
但し木材の価格が物凄く高いので、ギターの価格も大変な事になってしまいます。
さてローズウッドではありますが、希少生物の取引に関する条約(ワシントン条約)で厳しく制限されていて、現在では国の間を移動する事がほぼ無理な状況にまで追い込まれています。
ギターの最高級材として名高いハカランダは特に厳しい制限が掛かっていて、通常ですと入手はかなり難しいと思われます。
私は職業柄、方々の銘木屋さんと繋がりがあるのでハカランダのストックはそれなりにありました。
削っていくハカランダは50年~60年ほど前に日本に輸入されて、銘木店の倉庫で保管されていた材です。
さっそく削っていきましょう。