先に、東横線・日吉で一番のラーメン屋
『博っか』の閉店を記事にしたのだけれど、
いまだにうちのブログの検索キーワードの
一番目が『博っか』なんですね。
今更ながらに、博っかのファンの多さに
びっくりしています。
(久々に写真載せるから、青ネギチャーシューにしてみた)
そして、博っかだけじゃなかった。
日吉で僕の大好きだったとんかつの名店、
『かつ一』もまた、6月に閉店していたのです。
このまっくろくろすけなとんかつも、
もう二度と食べられないんだな。。。
そういえば、しばらく前から、元のかつ一前を
通るたびに、違和感というか、
『あれ、俺の勘違いかな?かつ一って、この通りじゃなかったっけ??』
って。まさか閉店だなんて思いもしなかったから。
なんだか日吉も、寂しくなって。
いや、日吉が寂しいんじゃないね。僕の心が寂しいんだね。
どちらのお店も、味は天下一品。
どこに出しても恥ずかしくない一流の腕でした。
それでも、店は閉まっちゃうのです。
老舗。“しにせ”=“仕似せ”です。
仕事を似せる。
先代の味を守り、伝えるのが老舗の語源。
決して全てのお店が、老舗になりたい、なんて
意識しているわけではないと思うけれど、
世の中にお店は星の数ほどあるうちに、
老舗と呼ばれるようになるお店って、
本当に少ないものなんだなぁ。
とうちゃんかあちゃんで切り盛りしていた博っか。
大将ひとりで頑張っていたかつ一。
どちらもなるべくしてこうなったのかも知れません。
老舗=味の伝承とするならば、
この味を途絶えさせてしまったのは、なんとも罪深い。
大勝軒の山岸さんの凄いところは、
ご自分はリタイヤされたとしても(復活されたそうですが)
その遺伝子を引き継いだお弟子さんたちが、
味を継承し、次代に繋げて行っていること。
暖簾分けもまた、老舗の生きていく方法です。
今、僕が気に入って出入りしているお店たちも、
言わば一代限り。いずれは消えていく運命にあるお店が
大半なのでしょうね。
次代に引き継ぐ。
移り変わりの激しい商売の世界では、
とても難しいことなのだろうな。
もちろん、優れた技術とセンス、商品力が前提で、
そこに商売の情熱と、経営能力、人材育成力があること。
で、決め手はやはり、人間としての魅力なんでしょう。
子供の有る無しとか、人材も、タイミングもあるだろうし。
僕の大好きなお店たち。
是非、老舗といわれるようになって欲しいな。
僕がじいさんになっても、孫を連れて行ける店。
そういう店を目指してください。
お願いします。
伝える心を持った「人」、守る気概がある「人」。
一族で伝統を守るもの老舗なら、親方から職人へ受け継がれていくのもまた老舗。
人の心がない店は形だけの、ただ古いだけのお店。
味を育てるのは、即ち人を育てることではないでしょうか。
決して心がないから潰れるんじゃない、
心があっても潰れる店は、多いんです。
そこに無常を感じるんだな。
大量生産・マスプロの時代が終わった今、
また違った意味で、個性的な個人のお店が
育っていくような気がしています。
個人が大手に勝てる時代。
今はそういう時代だし、飲食業なんて、
ベンチャーの中のベンチャーだもの。
「代々守り続けていく」っていう時代じゃなくなってきたのかもしれませんね。ただ、行きつけのお店がなくなるほど哀しいことはそうそうありませんが。
中からだと見えないんだよねぇ。
今、老舗になるというのは、
法人化ということになるんだろうケド、
そうすると利益とか会社の維持っていうのが
優先されてしまいかねない。
最近の不祥事ってのは、
そういうことですからね。
ま、どっちにしても、やりにくい世の中だね。
初瀬さんは、老舗を育てる立場でしょう。
是非、良いお店を育ててくださいね。