上田岳弘の『私の恋人』と『ニムロッド』を読んだ。
ハッキリ言ってよくわからなかった。
小説には2パターンあり、ストーリーがしっかりしすぎているモノと、ストーリーが崩れ過ぎているモノがあり、上田の作品は故意にストーリーを混乱させ過ぎているきらいごある。
これはかつてのフランス文学に一脈通じるものがあるが、蟷螂的にはベストではない。
だが、読者に迎合しないところが気に入った。
例えばハルキ。
迎合しすぎて、セックスシーンまで乱用し、あれでノーベル賞を与えたら・・・
とにかく上田の小説はとっつきにくさは1000%。
読み進めば少し味が出てくるが、硬くて歯が欠けそうだ。
よ〜く唾液で溶かしながら、軽く歯で噛み、味が滲み出てくるのは中盤あたりだろう。
短気な江戸っ子向きではない。
だが、この手の作家は、一度虜になると、クセになり、次から次へと作品を読み続けたくなる中毒性がある。
危険な作家だ。
とりあえず上記2作を読んで、そりが合わないと感じたら、二度と手にしないほうがいい。
なぜなら何度も読むと、シュールな気分に取り憑かれ、精神を病むからだ。
今、上記2冊を2度目の読破に向かって邁進している。
今夜は浅き夢の中で、クロマニヨン人と会話を交わすかも知れない。