しかしこの映画のことは長らく忘れていた。しかし先日、多くのマニアックな映画をブルーレイ化している方がこのタイトルを販売されていることを発見し、懐かしくなって思わずブルーレイを購入した。
物語のあらすじだが、LAに住む少年ジェイソンは空手道場を経営する父の影響で自分も空手をやっており、ブルース・リーを崇拝していた。ある日、父の経営する道場が、犯罪組織の運営する悪徳道場の傘下に入らないかと勧誘されるが、父はこれを拒否。その結果、ロシア人空手家のクラシンスキーと対決するも破れてしまい、道場を取られてしまう。
ジェイソン一家はシアトルに引っ越し、ダンスの上手い親友も出来るが、地元の悪ガキグループに目を付けられてしまい、彼女であった少女との関係も引き裂かれてしまう。また父からも空手を使った喧嘩を禁止され、失意のどん底に。そんな時、シアトルに眠るブルース・リーが霊としてジェイソンの前に現れ、ジェイソンに様々な技を伝授していく。そんな中、あの悪徳道場がシアトルの道場も乗っ取るべくやってきて、シアトル道場メンバーとの格闘マッチが開催されることに。そしてあのロシア人空手家のクラシンスキーにより、仲間がボコボコにされてしまう。見るに見かねたジェイソンはリングに飛び込み、ブルース・リー師匠に終わった技を使い、ついにクラシンスキーを唐キのだった。
まあ、ストーリー自体は良くあるパターンで、ある意味ジャッキーチェンの酔拳や蛇拳、ベストキッドなどにも共通した内容で、師匠の特訓を受けて敵に復讐して行く物語だ。しかし、この映画の魅力は、なんと言ってもブルース・リーの影響が色濃く出ていることであり、なんと劇中ブルース・リーを演じているのが、あのブルース・リーそっくりさんとしては一番有名なタン・ロン。これはブルース・リーマニアとしては外せない映画である。そして、シアトルを舞台にしていることもあり、ブルース・リーの実際のお墓が何度も登場する。僕もお墓参りには何度も訪れているが、現在は、不慮の撮影中事故により亡くなってしまったブルース・リーの息子ブランドンのお墓が隣にある。しかし、この映画が撮影された頃はブランドンも健在だった為、まだ墓が無い。
そして、悪党のロシア人空手家クラシンスキーを演じているのが、まだ有名になる前のジャン=クロード・ヴァン・ダム。さすがにキレの良いアクションを見せている。主演のジェイソンを演じている俳優、カート・マッキニーもなかなかのイケメンだし、アクションのキレも良いのだが、この映画以外には目立った作品も無く、かなり無名に近い存在だ。
ジェイソンが映画の中で空手のトレーニングをしている場所は家のガレージだが、僕も昔アメリカに住んでいた頃、地下室をトレーニングルームとして使っていた。この映画を見て、当時を懐かしく思い出してしまった。
1980年代、こう言った空手・クンフーブームに乗った多くのアクション映画が公開されたが、有名なベストキッド以外にも、マニアには嬉しいマニアックな映画が結構存在していた。今ではブルーレイで入手するのも困難な作品も多いが、今回久しぶりにこのブルース・リーへのオマージュとも言える作品と再会出来たのは何とも嬉しい出来事であった。
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