論文#19
Nature. 2003 May 29;423(6939):545-50.
Modulation of oestrogen receptor signalling by association with the activated dioxin receptor.
Ohtake F, Takeyama K, Matsumoto T, Kitagawa H, Yamamoto Y, Nohara K, Tohyama C, Krust A, Mimura J, Chambon P, Yanagisawa J, Fujii-Kuriyama Y, Kato S.
The Institute of Molecular and Cellular Biosciences, University of Tokyo, 1-1-1 Yayoi, Bunkyo-ku, Tokyo, 113-0032, Japan.
責任著者:加藤茂明
指摘項目No.54
( → 説明図No.54)
・論文#19のFigure 3cにおいて、「CYP1A1の3MCのanti-p300」と「CYP1A1のE2+MCのanti-p300」 類似しています(縦横比が少し違いますが、極めて似ています。 )。シグナルを強くすると(コントラストを上げると、一番右端のレーンに出てくる、かすかなシグナルの形も似ています。 また、「CYP1A1の3MCのanti-p300」のデータの横幅を少し圧縮して、左が上になるように傾けて、コントラストの付け方を変えると「CYP1A1のE2+MCのanti-p300」の画像を作成できる可能性があります。 また、「CYP1A1のE2」の3つのパネルはシグナルがまったく見えず、単なる白い長方形です。以上より、生データの確認が必要です。
論文#20
Nat Cell Biol. 2003 Mar;5(3):224-30.
Cytokines suppress adipogenesis and PPAR-gamma function through the TAK1/TAB1/NIK cascade.
Suzawa M, Takada I, Yanagisawa J, Ohtake F, Ogawa S, Yamauchi T, Kadowaki T, Takeuchi Y, Shibuya H, Gotoh Y, Matsumoto K, Kato S.
Institute of Molecular and Cellular Biosciences, University of Tokyo, Yayoi, Bunkyo-ku, Tokyo 113-0032, Japan.
責任著者:加藤茂明
指摘項目No.55 (参照 → 説明図No.55)
・論文#20のFigure 2fの上から3段目(NIK(629-947))において、左から1つ目の画像の一部が、左から3つ目の画像の一部に類似しています。 よって、同じ検体を少しずらして撮られた2枚の顕微鏡写真と推測されます。これらの画像においては、著者らは(同じ条件だが)別々の検体の代表写真を示すべきところです。画像の取り違えか、あるいは、不正なのかについて、調査が必要です。
指摘項目No.56 (参照 → 説明図No.56)
・論文#20のFigure 2fの上から2段目(NIK)の画像において、 左から1つ目の画像の一部が、左から4つ目の画像の一部に類似しています(色調が多少異なります)。よって、二つの画像は同じ検体由来の画像と推測されますが、これらの画像は、実験方法や趣旨から考えると、同じ検体由来の写真であってはありません。よって、生データの確認が必要です。
指摘項目No.57 → (参照 説明図No.57)
・論文#20のFigure 2fにおいて、上から1段目(Control)の左から3列目の画像が、上から3段目(NIK(629-947))の左から3列目の画像に類似しています。
指摘項目No.58 → (参照 説明図No.55)
→ 説明図No.58)
・論文#20のFigure 3b において、「PPAR-γ」(左の列)の「Blot:anti-p65」(上から1段目)の画像が、「GR」(左の列)の「Blot:anti-p65」(上から1段目)の画像に類似しています。また、「PPAR-γ」(左の列)の「Blot:anti-p50」(上から2段目)の画像が、「GR」(左の列)の「Blot:anti-p50」(上から2段目)の画像に類似しています。また、「GR」(左の列)の「IP:anti-p65 Blot:anti-GR」(上から4段目)の画像が、「GR」(左の列)の「IP:anti-p50 Blot:anti-GR」(上から5段目)の画像に類似しています。
論文#21
Mol Cell Biol. 2002 Jun;22(11):3698-706.
Ligand-selective potentiation of rat mineralocorticoid receptor activation function 1 by a CBP-containing histone acetyltransferase complex.
Kitagawa H, Yanagisawa J, Fuse H, Ogawa S, Yogiashi Y, Okuno A, Nagasawa H, Nakajima T, Matsumoto T, Kato S.
Institute of Molecular and Cellular Biosciences, University of Tokyo, Bunkyo-ku, Japan.
責任著者:加藤茂明
指摘項目No.59 (参照 → 説明図No.59)
指摘項目No.60 (参照 → 説明図No.60)
・論文#21のFigure 4Bの3段目(WB:αCBP)のレーン7とレーン8が類似しています。
指摘項目No.61 (参照 → 説明図No.61)
・論文#21のFigure 4C の 「Na-K-ATPase α1」の1段目(INPUT)の レーン2(aldo)の画像は、レーン3(HC)の画像を180度回転させたものに類似しています。
指摘項目No.62 (参照 → 説明図No.62)
・論文#21のFigure 5A の3段目(293F)の左端と7段目(Nurr1ΔY122)の右端において、バンド画像が白い長方形により消されている痕跡が見られます。
論文#22
Nucleic Acids Res. 2002 Mar 15;30(6):1387-93.
Transcriptional regulation of the mouse steroid 5alpha-reductase type II gene by progesterone in brain.
Matsui D, Sakari M, Sato T, Murayama A, Takada I, Kim M, Takeyama K, Kato S.
Institute of Molecular and Cellular Biosciences, University of Tokyo, Tokyo 113-0032, Japan.
責任著者:加藤茂明
指摘項目No. (参照 → 説明図No.63)
・論文#22のFigure 6において、左側の画像「cPRE/ARE」のレーン4とレーン5の間の下部や、右側の画像「m5α-R2 PRE/ARE」のレーン11とレーン12の間の下部において、不連続な縦線が見られ、画像を編集した痕跡と推測されます。また、画像の中央部分において、レーン2とレーン4、レーン5とレーン7、レーン9とレーン11、レーン12とレーン14がそれぞれ互いに類似しており、極めて不自然です。
論文#23
Neuron. 2002 Aug 29;35(5):855-64.
Androgen-dependent neurodegeneration by polyglutamine-expanded human androgen receptor in Drosophila.
Takeyama K, Ito S, Yamamoto A, Tanimoto H, Furutani T, Kanuka H, Miura M, Tabata T, Kato S.
Institute of Molecular and Cellular Biosciences, University of Tokyo, 1-1-1 Yayoi, Bunkyo-ku, Tokyo, Japan.
責任著者:加藤茂明
指摘項目No.64 (参照 → 説明図No.64)
・論文#23のFig 1B UAS-hAR(wt) 未処理群(-)とBIC処理群が同じ画像(縦横比 変更)の鏡像(上下反転の関係)となっています。
指摘項目No.65 (参照 → 説明図No.65)
・論文#23のFigure4A のレーン4とレーン5が類似しています。
指摘項目No.66 (参照 → 説明図No.66)
・論文#23のFigure4B の「hAR Q52」の画像(右側画像)において、「DHT」の5と10のレーンと、「HF」の5と10のレーンとが類似しています(バックグラウンドの染みの位置などが一致)
論文#24
EMBO J. 2001 Mar 15;20(6):1341-52.
A subfamily of RNA-binding DEAD-box proteins acts as an estrogen receptor alpha coactivator through the N-terminal activation domain (AF-1) with an RNA coactivator, SRA.
Watanabe M, Yanagisawa J, Kitagawa H, Takeyama K, Ogawa S, Arao Y, Suzawa M, Kobayashi Y, Yano T, Yoshikawa H, Masuhiro Y, Kato S.
Institute of Molecular and Cellular Biosciences, University of Tokyo, Yayoi, Bunkyo-ku, Tokyo 113-0033, Japan.
責任著者:加藤茂明
指摘項目No.67 (参照 → 説明図No.67)
http://www.nature.com/emboj/journal/v20/n6/fig_tab/7593637a_F4.html
・論文#24のFigure4の「GAPDH」のバンド画像において、「control」の右二つの画像と、「p72」の左二つの画像が類似しています。また、Figure4のおいて、「p72」の「GAPDH」のバンド画像と、「」の「GAPDH」のバンド画像と、「」の「GAPDH」のバンド画像とが、輪郭が類似しています。濃淡については異なることから、露光時間を変えて、撮影したものと推測されます。
指摘項目No.68 (参照 → 説明図No.68)
http://www.nature.com/emboj/journal/v20/n6/fig_tab/7593637a_F5.html
・論文#24のFigure5Bの「GGST-ERa」 と「GST-A02」で真ん中のバンド3本の画像が類似しています。
論文撤回Watch
なぜ論文が撤回されたのかを探ります
- 研究不正取り締まり局 -
東大 分生研 3点追加
テキサスMDアンダーソンシリーズはまだまだ続くのですが
ここで一旦、国内に目を向けておきます。
紹介する作品はこちら
Cytokines suppress adipogenesis and PPAR-gamma function through the TAK1/TAB1/NIK cascade.
Source
Institute of Molecular and Cellular Biosciences, University of Tokyo, Yayoi, Bunkyo-ku, Tokyo 113-0032, Japan
まずはこの写真からご覧ください。
同じ検体を少しずらして撮られた2枚の顕微鏡写真のようです。
著者らは(同じ条件だが)別々の検体の代表写真を示したかったはずです。
同じ検体のものということに気づいていなかったのでしょうか?
続いてこちら
色調のみ若干違いますが、
この2枚の写真も同じ検体由来のもののようです。
しかし、
この2枚は同じ検体由来の写真であってはいけないのです!
二つ真横に並べていて
全く気づかなかったのでしょうか?
最後にこちら
もう解説は不要でしょう。
以上3点は、
誤りであるので訂正の必要があると思います。
数多くとった写真の中から
つじつまのあいそうな写真を適当に
論文提出用に選んだのでしょうか?
とった写真がどの実験条件のものなのか
わからなくなっていたのでしょうか?
そうだとしたら、訂正写真を提出するには、
実験を最初からやり直さねばなりません。
組織標本のように永久プレパラートが残る場合は
大丈夫ですが、
標本が残らない場合は
しっかりと写真の管理をすることが肝心です。
杜撰な実験と言えましょう。
Retraction Watch / 2011.11.26 00:02 / 推薦数 : 3
東大分生研 再び 【5】 よりの続きで、
今回で最終回となります。
この論文の訂正箇所の数は
尋常ではありません。
記録ものかも知れません。
訂正箇所が異常に多いことは
問題とされるでしょうが、
もっと重大な問題点が他にあるのです。
Nature. 2009 Oct 15;461(7266):1007-12.
DNA demethylation in hormone-induced transcriptional derepression.
Kim MS, Kondo T, Takada I, Youn MY, Yamamoto Y, Takahashi S, Matsumoto T, Fujiyama S, Shirode Y, Yamaoka I, Kitagawa H, Takeyama K, Shibuya H, Ohtake F, Kato S.

左がオリジナルの図で、赤で囲んだ2ヶ所に誤りが判明。
それぞれどこがどう誤っていたのかは、すでに解説しました。
さすがに Nature だけあって、読者の監視が厳しい。
なにかおかしいことがあれば、すぐに雑誌社に通報が行く。
通報を受けた雑誌社は
著者に連絡し
説明を求める。
著者らは誤りを認め、
正しい写真を差し出し、
訂正の記事として掲載される。
上に示しました図の右が訂正された正しい図。
よくみると
全く新しい別のセットの写真になっている。
赤で囲んだ部分のみ訂正すればよいはずなのに
わざわざ別のセットの写真を差し出した。
しかし、この場合
正しいオリジナルのセット写真は存在するはず。
だから
手元に存在するはずのオリジナル写真を差し出せばよいだけなのだ。
実際に手元に存在する写真を差し出せない
のには理由があったのでしょう。
どんな理由でしょう?
元の写真をなくしてしまった?
それとも
元の写真を見せると
なにかまずいことになる?
のどちらかだと思います。
それにしても
Nature
はヌルヌルです。
Retraction Watch / 2011.11.25 00:05 / 推薦数 : 5
東大分生研 再び【4】 からの続きです。
さて
「誤り」は他にもてんこ盛り
あるのですが、
すべて訂正されています。
誤りを一個ずつととりあげて
解説しても
よいのですが、
内容的には、
すでに解説した誤り例
とほぼ同じなので、
やめておきます。

ところで
実際の訂正記事を読まれた
読者の方なら、
訂正記事の論文タイトルが
オリジナル論文のタイトルと、
異なっていることに
気づかれたと思います。
これは
ただ単なる不注意による誤り
と考えるのが
普通かもしれません。
故意の可能性は
ないでしょうか?
故意だとすると
かなりの技巧派
と言えましょう。
タイトルが異なっているため、
PubMed
での
Corrigendum
リンクの機能が
働かなくなっています。
この論文 と この訂正記事 がリンクされていないのです。
よって
少なくともPubMed内においては、
オリジナルの論文は
何の曇りもない論文として
輝き続けることができるのです。
いずれにしても
訂正記事を再度訂正する
必要はあるでしょう。
Retraction Watch / 2011.11.24 14:16 / 推薦数 : 5
東大分生研 再び 【3】 からの続きです。
「誤り」はまだまだあります。
Nature. 2009 Oct 15;461(7266):1007-12.
DNA demethylation in hormone-induced transcriptional derepression.
Kim MS, Kondo T, Takada I, Youn MY, Yamamoto Y, Takahashi S, Matsumoto T, Fujiyama S, Shirode Y, Yamaoka I, Kitagawa H, Takeyama K, Shibuya H, Ohtake F, Kato S.

上図赤で囲んだバンドに誤りがあるそうです。
すぐ下に拡大したバンドを示しました。
赤点線で囲んだ二つのバンド群は同一のもののようです。
やはり著者らの主張は
誤りは
故意によるものではない
とのことです。
コメント
コメント一覧
夜分、場外コメント失礼いたします。
確かに、「2番目と3番目」と、「4番目と5番目」がいっしょですね。
小さい図の中に「捏造」を見抜かれたことに深い敬意を表します。
さて、この6つのバンド。他にもっと大変なことが。
これは「故意ではない」という著者の主張が、完全に「故意である」ということを立証することができましたのでご報告させていただきます。
当ブログの明日から続くシリーズ「アートの錯視術」も見に来てね?
***By 東京探偵団「ゆめみ」***
written by 夢見る掃除人 / 2011.11.25 01:08
いつも楽しく拝見しています。
1と3と5が同じに見えるんですけど。
2と4と6も。スリーカードが2セット。気のせい?
written by おっさん / 2011.11.27 18:07
Retraction Watch / 2011.11.23 06:15 / 推薦数 : 5
東大分生研 再び 【2】 からの続きです。
Fig 1f
にはまだ他にも誤りがありました。
Nature. 2009 Oct 15;461(7266):1007-12.
DNA demethylation in hormone-induced transcriptional derepression.
Kim MS, Kondo T, Takada I, Youn MY, Yamamoto Y, Takahashi S, Matsumoto T, Fujiyama S, Shirode Y, Yamaoka I, Kitagawa H, Takeyama K, Shibuya H, Ohtake F, Kato S.

赤で囲んだレーンが誤りだそうです。
その下に拡大したものを示しましたが、
いったいどこが誤りなのでしょうか?
このレーンすべてでシグナルがない、
すなわち真っ白なわけですが、
真っ白に近い実物のゲルの画像
(普通はシミがついていたりする)
を掲載せず、
ただの真っ白な
長方形を
掲載してしまったわけです。
これも
著者らの主張は
故意による誤りではない
とのことです。
東大分生研 再び 【4】
に続きます。
コメント
コメント一覧
毎度、場外コメント失礼いたします。
たいへん困惑します。
Anti-IgGのバンドはバンドではなくて、ただの白い枠。
?
実験はやったんですか?
やったのなら、「何か都合の悪い結果」でも出てしまったのでしょうか?
実験にありがちな「理解不能」なバンドでも出ていたのでしょうか?
白い枠をあえて載せるには意味があるということになります。
?どんな?
ゆっくりご説明願いたいものですね。
街ゆく人々、小学生でもわかるように。
で。。。
Anti-AcH3の右端も、モヌケノカラ。
Natureの査読・編集者もマジックにかけられているのかしら?
雑誌そのものがすでにイカレテいる=壊れているかもしれません。
仮説を証明する大切な部分が何もないバンド=白い枠って。
科学というよりは「紙芝居」?
【結論】こーゆー実験態度では、他のバンドもどこから持ってきたバンドを貼り付けたのか、たいへん怪しぃ。。。ということになります。
ささやかなことかもしれませんが、付け加えておくことがひとつ。お気づきのことと思いますが。。。
さらに、Anti-5-MetCの左端も?
???
です。
***By 東京探偵団「ゆめみ」***
written by 夢見る掃除人 / 2011.11.24 06:49
上記のわたしのコメントがさっぱりワカラナイという外国の方々のために。。。
Could you forgive me for commenting on your blog entry from outsider’s standpoint? We are terribly embarrassed. Why the set of bands of anti-IgG is empty? Was it untested?
I wonder if they had anything inconvenient on test. Or did they have any incomprehensive bands that would often happen in any experiment? It means that they might have intended something by empty frame. What was that? We demand a thorough explanation that even people on the street or children in elementary school can understand.
written by 夢見る掃除人 / 2011.11.24 14:07
上に続いて。。。
Incidentally, the rightmost of anti-acH3 is completely empty. The referees and editors of ‘Nature’ are under a spell of bands, aren’t they? The journal might have gone funny or blown the roof.
The important parts that verify their hypothesis are white and blank without bands. It may be something like a picture-story show rather than a scientific article.
In conclusion, their attitude toward experiment makes other bands suspicious to be pasted from other experiments. The last one thing I want to point out may be trifle, but you have already noticed that the leftmost frame of ati-5-MetC is also…???
*** By Tokyo Detective Ninja-Squad ‘Yumemi’ ***
written by 夢見る掃除人 / 2011.11.24 14:08
Retraction Watch / 2011.11.22 00:01 / 推薦数 : 3
東大分生研 再び 【1】 からの続きです。
誤りがどこにあるかは
下に示しました図をご覧頂ければ
すぐわかるでしょう。
Nature. 2009 Oct 15;461(7266):1007-12.
DNA demethylation in hormone-induced transcriptional derepression.
Kim MS, Kondo T, Takada I, Youn MY, Yamamoto Y, Takahashi S, Matsumoto T, Fujiyama S, Shirode Y, Yamaoka I, Kitagawa H, Takeyama K, Shibuya H, Ohtake F, Kato S.

第5レーンのみ実際のゲルの写真を省いたのですね。
Image Manipulation が疑われますが、
著者らの主張は、
故意によるものではない
とのことです。
Retraction Watch / 2011.11.21 00:12 / 推薦数 : 4
東京大学 分子生物学研究所
この研究所からの撤回論文については以前にとりあげましたので、
【 東大 分生研 再び】
としてシリーズで別の論文を取り上げます。
取り上げる論文は
2009年に発表されたNature論文です。
Nature. 2009 Oct 15;461(7266):1007-12.
DNA demethylation in hormone-induced transcriptional derepression.
Kim MS, Kondo T, Takada I, Youn MY, Yamamoto Y, Takahashi S, Matsumoto T, Fujiyama S, Shirode Y, Yamaoka I, Kitagawa H, Takeyama K, Shibuya H, Ohtake F, Kato S.

この論文の訂正記事が2011年10月に出されました。
かなり多くの「誤り」があり
著者らはそれらの「誤り」を認めており
訂正しております。
まず、上記 Fig 1f の赤で囲んだレーンに誤りがあったとのこと。
下にこのレーンを拡大しました。
さて
どこに誤りがあるのでしょうか?
コメント
コメント一覧
p12に筆頭著者の科学に対する姿勢が述べられています。
http://www.mbsj.jp/admins/ethics_and_edu/doc/081209_wakate_sympo_all_final.pdf
written by 匿名 / 2011.11.23 16:28
東大 分生研 【まとめ】
Retraction Watch / 2011.06.24 06:33 / 推薦数 : 3
ステロイド雑誌と東大分子細胞生物学研究所を舞台としたこのシリーズ、今回で最終回です。
まとめ
東大分子細胞生物学研究所の著者らがステロイド雑誌に投稿し掲載された論文2本が撤回されました。
2004年掲載のビタミンD論文 (先行論文はCell に発表された論文)
2007年掲載のクロマチン論文 (先行論文はEMBO J に発表された論文)
です。
撤回の理由は両論文とも同じで、
図、データを再利用したが、その方法が適切ではなかった、と解釈してよいでしょう。
また、著者らは、このことが、論文撤回にあたいすることを理解していなかったが、今では論文撤回にあたいすると認識できるようにいたりました。
一方、
東大分子細胞生物学研究所からステロイド雑誌に投稿され、掲載された別の2本の論文は、撤回された2本の論文と同じように不適切に図を再利用していますが、現在のところ撤回されていません。
撤回されていない論文1 (先行論文はこれ)
撤回されていない論文2 (先行論文はこれとこれ)
撤回された2論文と撤回されていない2論文の違いは、どこにあるのでしょうか?
撤回されていない2論文では、再利用された図の数が、撤回された2論文の再利用図の数に比べて、少ないから、撤回されなくてよいのでしょうか?
どなたか説明できるでしょうか?
Retraction Watch / 2011.06.23 00:07 / 推薦数 : 1
取り上げてきたステロイド雑誌にさらに別の論文が東大分子細胞生物学研究所より発表されています。2003年の掲載です。
やはり、プロシーディング形式なので、いわゆるフルペーパーとは言えないかもしれませんが、図の再利用が散見されます。


東大分子細胞生物学研究所の著者らは、ビタミンD論文とクロマチン論文の撤回を要求しました。
この論文については著者らは撤回の要求をしたのでしょうか?
もし、撤回の要求をしていないのなら、撤回された2論文との違いはどこにあるのでしょうか?
東大 分生研 【まとめ】に続きます。