2022年5月3日(火・祝日)は、第14回 市川荷風忌 に出演させて頂きました。
昨日はほんとうによく晴れた一日でした。
市川市文学ミュージアム入り口の花壇に春の花が溢れていて、とてもきれいでした。。。
今年の市川荷風忌は、やっと従来の五月に戻って良かったです📚✨
講演は、滞米時代の荷風文学<新出書簡を手掛かりに>というテーマで岸川俊太郎先生(南山大学准教授)がお話下さいました。おとがたり朗読の演目は、永井荷風20代の頃、欧米時代を書いた「あめりか物語」から「おち葉」と「勲章」を読みました。
作品それぞれのことを書いておきます。
<「あめりか物語」から「おち葉」>
文豪荷風の小説、というより文学を志す若い青年が、欧米の地で夢や想いを筆にのせて語っている日記のように感じられて、そのとおりに声にしました。荷風のお孫さんが客席にいらっしゃると聞いて、よりその方のお祖父さまの若い時の日記を読ませて頂く、というような気持ちになり、とても素直に読めました。異国のとある秋の日、ベルレーヌの詩を浮かべながら、若き荷風が日本の藝術界を背負う気概であったことに、心惹かれました。
<「勲章」>
「勲章」はまた、浅草のオペラ館が舞台で、その風俗やそこに出入りする丼飯屋の爺さんが印象的に描かれています。読んだときに私自身が20代の頃、明治座さんなど商業演劇界にお世話になった時の現場、楽屋裏の人々や出入りの商売人の方々、その風景の活気を思い出されました。…本番にはこの爺さんの背中が見えました。お洒落で粋な音楽と共に、物語から実体で現れたかのようで不思議な感じがしました。
喜多直毅さんは、今回の丼飯屋のオヤジを…現代、いまに生かしてくれました。渋くて粋で、普通…たぶん永井荷風にあの音楽の発想はなかなかないと思いました。岡持ちを黙々と運ぶオヤジの背中が見えました。
スタッフさんがすべて整えて、待っていて下さいました。照明も作品ごとに色合いを作ってくださって。私も早朝から、髪を結っていたんですよー…
第14回 市川荷風忌
最後までお読み頂きましてありがとうございました🌷
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