皆さんこんにちは、長浜奈津子です🌸
今夜は、本八幡の市川文化会館のスタジオで「TANGO」歌レッスンの後、六本木へ。俳優座スタジオで上演中の「スターリン」村雲龍一さん演出の組を観劇しました。
そのお話をさせて頂きます。
ちなみに、私のブログは個人ブログですので、感想とつぶやき…
つまり、自分の劇団、仲間のことを、私の言葉で喋っているのです。
正確な情報発信は、俳優座のサイトをご覧ください。
＜「スターリン」村雲龍一演出＞
若手３人の演出で、役者は三世代のスターリンを上演、
今日は村雲龍一さん演出で、サーゲリ役は斉藤淳さん、スターリン役は小田伸泰さんの回を観劇。
アンサンブルで、あり紗さん、井口敬太さん、丸本琢郎さんが出演されておりました。
斉藤淳 (サーゲリ)
小田伸泰 (スターリン)
丸本琢郎 
井口敬太
あり紗＜あらすじや、公演情報はこちらから＞
このお芝居は、スターリンとサーゲリによる２時間に渡る台詞劇です。
俳優座スタジオの空間、シンプルなテーブルと椅子、箱の組み合わせで場面展開がなされます。その空間の中を、斉藤淳（サーゲリ）、小田伸泰（スターリン）が、舞台を縦横に駆けて演じます。
お二人は今回の企画、三世代の役者の中では、若手になる二人です。
中村圭吾組 『川口敦子・森一』
落合真奈美組『巻島康一・島英臣』
村雲龍一組『斉藤淳・小田伸泰』
若手と言いましても、こんなお二人です。
＜斉藤淳さん＞
斉藤淳さんは、2023年7月26日、第31回読売演劇大賞『男優賞』を受賞しました。
作品は『対話』です。娘をレイプ殺害された父親、デレク・ミルソム役を演じられました。
これは、森一さん演出（『スターリン』中村圭吾演出組のスターリン役）です。
作：デヴィッド・ウィリアムソン翻訳：佐和田敬司
今回、舞台上で演じる斉藤さんを観ていて、ふと思ったことがあります。
あっちゃんは（斉藤さんのこと）舞台の上でも役者やっている…と。役者まで、演じている。台詞がきれいです（どんな役でもそう感じます）。顔が大きくていい。そして、声がとても良いのです。森一さん演出の『クスコ〜愛の叛乱〜』では、主人公クスコに夢中になり寵愛するアテノを演じました。ロシアの劇場で響いていた、あっちゃんの声。劇場が共鳴していました。
＜小田伸泰さん＞
小田伸泰さんは、大河ドラマ『どうする家康』で忍者・猪助役で出演している俳優です。彼は、陸上自衛隊にいたこともあるというユニークな経歴の持ち主なのです。
また、俳優座劇場プロデュース「もし、終電に乗り遅れたら…」シーリワ役でも長く活躍していました。
また、『クスコ〜愛の叛乱〜』では主人公クスコの夫タダヌシ役で、彼の "持ち味"たる、人情に熱く、野趣に溢れる人物像をよく演じておられました。あれはよく似合っていました。もちろんロシア公演にも一緒にいきました。
＜SPEED感、相まって…！２時間の台詞劇＞
じっくりと、威儀を正して、古典芝居的なあるカタチの中から、物言いをする。
ということと、正反対のつくりでした。むしろ、それを壊して走り続けているような。
台詞を、まるで弾丸のように相手に浴びせかけ続けたり、舞台上を動き回ったり、熱の部分を背負うのは、小田伸泰さん演じるスターリンばかりではもちろんなく、スターリンに着せられた上着を、自分の体から剥ぎ捨てる場面ではっきりと見える、斉藤淳さん演じるサーゲリの憎熱もしかり。
ふたりの間にぶつかり合う、ねじれ合う、叩きつけ合う、懇願する、腹をさぐる。全ての熱を軸に、いいえ…まるでそれ以外は削ぎ落とされていたかのように、その放熱が私の心に大きく残っています。
もちろん、複雑なことが土台にないとそれはできません。
そして、どうしようもないくらい熱い、芝居愛のなせることです。
舞台上で転げまわる二人を最後まで食いいるように観ていました。
くさい言葉でも、歯が浮く言葉でもありません、まさに…" 熱い舞台 " でした。
＜３人のアンサンブル＞
さて、そんな中で。若手３人の存在は、水のように舞台をはこぶ。
俳優の手による、場面転換、サーゲリとスターリン以外の…ひとの声、存在は、それぞれ引き立て合いながら、芝居をたちあげてくれました。
観ていると、出来上がった世界。でも実際に暗転の中で、正確に道具を置くことは、そう容易なことではありません。動きのテンポ感なども大切ですし、芝居の中で動かなくてはなりません。そういうセンスも必要なんです。
大きな役割を、つとめて下さっていました。本当にお疲れ様でした。
＜俳優座、新しい扉を開いて…＞
俳優座は、創立80周年記念を迎えました。自分が入団した頃と随分風景が変わってきました。まだ、千田是也先生がドーンと真ん中にいらした頃です。稽古場にもたくさんの先輩たちがいました。役者も、演出家も、舞台部さんも、制作者も。衣装部だってあったのです。たくさんの大人たちがいました。
時代と共に、新しい役者たちが現れてきて、その時代をうつしながら、芝居が創られていきます。
今回は「新進気鋭の演出家3名による競作 同一戯曲を異なる演出・俳優で一挙上演」というキャッチで公演がなされています。未来の俳優座の新しい扉を開いてゆく、
創立100周年記念を向かえる頃、俳優座がしっかりと芝居づくりができている環境にあってほしい。
私も現役でいられたらいいなと思います。
あと20年は生きていないとそうはならないですね。…まあそれは神様だけが知っています。
＜最後に…＞
俳優座若手演出家：村雲龍一さん、皆さんと四つに組んで創り上げた舞台、ほんとうにお疲れ様でした。
千穐楽、終演後に扉のところに立っていました。お疲れ様でした、と声を掛けると、彼はいつも帽子をかぶっているのですが、そのトレードマークの帽子の下から、優しい目がにっこりのぞいていました。これからも演出家として頑張って下さい！
さて明日は、落合真奈美さんの組、とても楽しみです。
＜「スターリン」関連ブログ＞
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2024年2月 LABO公演「スターリン」
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