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銀の河 ~ 長浜奈津子のブログ ~

2月の詩歌をよむ❄️「浅き春に寄せて」〜雪のうた・薄氷のうた・猫柳のうた。

皆さんこんにちは、長浜奈津子です❄️

 

春の訪れって、なんでしょう。

詩歌の表現の世界では、良いこと… 幸せの訪れにも感じますし、その予感にもかさなっているようですね。

雪解けもそのひとつ。雪解けの先には春があります。

それを背景に、憂きことを描く詩歌もあって、胸にジンとしみたりします。

 

なにに対して誠実に生きるかを、最近よく考えています。

生きていると、いいことばかりでもない。もちろん良いこともたくさんあります。

人間たちはいろいろ策をめぐらせて、おかしなことをしでかしていますが…

Come Rain Or Come Shine 〜降っても晴れても〜

なにをみつめて生きるか、大切なことはなにか。

…それをしっかり胸に抱いていることができたら、精一杯の幸せなんじゃないかと思います。

 

今日、二月の詩歌をあつめてみましたが… 感じて、素直に心がうごくこと。

自分のほんとうの心と一緒にいられるといいですね。

 

天からは、たくさんの恩恵を頂いています。

素直に感謝しながら受けとることができたらいいですね。

そうありたいです。

 

皆さん、二月の詩歌、声に出して読んでみて下さい。

 


<二月 薄氷の句> 高浜虚子/紫式部

雪国生まれのわたしは、雪や氷の詩歌、絵画がとても好きです。

そこには人生の大切な想い出があり、季節の息吹に包まれて遊んだ頃を思い出します。

紫式部、ふと手がとまりました。文才のしたためる手紙、恋歌。

いやなにしろ…この情熱よ。熱き心にどこか懐かしさを感じる、今日この頃ですが。

 

 

薄氷(うすらい)の 草を離るゝ 汀かな

(高浜虚子)/薄氷がとけて、草をはなれてゆく水辺にて

 

 

 

 

とぢたりし 上の薄氷(うすらい) 解けながら さはたえねとや 山のした水

(紫式部)/閉ざされた水面上の薄氷が溶けるように、あなたと私のあいだは打ち解けておりますのに、山川の氷の下に流るる水の如き情愛が、途絶えてしまっても良いとおっしゃるのでしょうか。

 

 

 

 


<二月 猫柳の句> 北原白秋

白秋の句から、猫柳。いわゆる、もふもふ。

冬景色の中で猫柳に出会った時は、かけ寄ったものです。

白秋の描く風景をよむとき、すがすがしく、さっぱりと澄んだ自然の息吹につつまれます。

 

 

猫柳 ものをおもへば 猫の毛を なづるここちに よき風も吹く

(北原白秋)

/猫柳にふれながら、もの思いめぐらせていると、猫の毛をなぜているような心地に、なんだか良いことがありそうだなあ。

 

 

 

猫柳 薄紫に光るなり 雪つもる朝の 河岸のけしきに

(北原白秋)/猫柳が薄紫に光っているよ 雪がつもる寒い朝の河岸に。

 

 

 


< 立原道造の詩 >

このみずみずしい、美しさ__ 。24才で夭逝した詩人、立原道造のうた。

感情がきえてしまった。心がまったくうごかない___ 。

大切なひととの別れ。どのような別れ方をしたのでしょう。_ ともあれ、遠くにいってしまった大切なひと。

わたくしの心は… ふたたび、花咲くことがあるのだろうか。

きっと、あるだろう。この浅き春に小さな光を期待して。

 

「浅き春に寄せて」立原道造

 

今は 二月 たつたそれだけ

あたりには もう春がきこえてゐる

だけれども たつたそれだけ

昔むかしの 約束はもうのこらない

 

今は 二月 たつた一度だけ

夢のなかに ささやいて ひとはゐない

だけれども たつた一度だけ

そのひとは 私のために ほほゑんだ

 

さう! 花は またひらくであらう

さうして鳥は かはらずに啼いて

人びとは春のなかに笑みかはすであらう

 

今は 二月 雪の面(おも) につづいた

私の みだれた足跡……それだけ

たつたそれだけ―― 私には……

 

 


< 高田敏子の詩 >

「主婦詩人」「おかあさん詩人」といわれたとか…

大地のめぐみ、母や祖母の指先でていねいに落とされた泥。

根もとの、ほんのりとした赤い色… 私は子どもの頃、喜んで食べました。

「虹の色」 高田敏子

 

やさしさとは

ほうれん草の根元の

あの紅の色のようなものだと

ある詩人がいった

 

その言葉をきいた日

私はほうれん草の一束を求めて帰り

根元の紅色をていねいに洗った

 

二月の水は冷たい

冷たい痛さに指をひたしながら

私のやさしさは

ひとりの時間のなかをさまよっていた

 

 

 


< 吉野弘の詩 >

 春を待つ心。

 春の川は、雪解け水とともに、その水流で川面を大きく膨らませる。

 わたくしの船は、まだまだ小さい。

 その満ちる時を、待つ。

「二月の小舟」吉野弘

 

 冬を運び出すにしては

 小さすぎる舟です。

 春を運びこむにしても

 小さすぎる舟です。

 ですから、時間が掛かるでしょう・

 冬が春になるまでは。

 川の胸乳がふくらむまでは

 まだまだ、時間が掛かるでしょう。

 

 


< 吉野弘  -雪の詩- >

「雪の詩」、原作と混成合唱用の二つを。

いつわれないのが、心。隠せないのが、瞳。

最後には、よく生きたという顔をしていたい。

___そんなことを心に浮かべながら、二つの「雪の日を」よみました。

 

 

「雪の日に」

 


 

「雪の日に」吉野弘 *混成合唱用

 

 

 
 

<わたしの二月> 
 
金子みすゞの「見えぬけれどもあるんだよ…
のように、冬はしっかりと根をはっている季節です。
 
わたしの二月も、そんな感じです。
 
準備してむかえる、週末の俳優座朗読教室では
いつも、皆さんにお目に掛かれますことがとても楽しみです。
 
2月の詩音朗読倶楽部でも、いま7月の発表会に向けて作品を探し始めています。
そして、リモート朗読教室。午前中〜午後、夜まで、皆さんとじっくり、朗読をしています。
 
2月は、実はとても力づよい。
花さく頃の、準備をしているから。
 
 
さて、皆さん。
夜はゆっくりと休息を。
首もと、足もと温めて… どうかご自愛下さい🌸
 
 
 
長浜奈津子❄️ 2025年2月5日(水)
 
 
 
 
 
 
˚˙༓࿇༓˙˚˙༓࿇༓˙˚˙༓࿇༓˙˚˚˙༓࿇༓˙˚˙༓࿇༓˙˚˙༓࿇༓˙˚˙༓࿇༓˚˙༓࿇༓˙˚˙༓࿇༓˙˚˚˙༓࿇༓˙˚
 
 
春よこい
 
 
 
 

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