澄んだ無垢な瞳
その目はなにを見つめている?
いまなにを考えていたの?
ときどき私の言葉が分かるみたい
一緒に暮らすということはそういうこと
だけど・・・
たぶん私がフレディを理解しているより
フレディが私を理解していることのほうが
ずっと多いような気がする
犬って周りをよく観察しているから
私がいまどんな気持ちでいるのか
すぐに見抜かれてしまうのだと思う
私はそれがものすごく苦手
「そんなこと知っていますよ」
「えっ?」
「だってボクが足元にいることに気づかず
危うく踏まれそうになったこと
いままでに何回あったと思いますか?」
「ん・・・3回」
「そんなもんじゃありません、7回です。
しかもそれは今年になってからの数です」
「そんなにあったのかぁ。怒ってる?」
「ううん。あなたのこと、
よく知ってますから危険は回避できます」
「じゃあひとつ質問してみていいかな?」
「どうぞ」
「ぼくがいまなにをしようとしていると思う?」
「ボクを抱きしめようとしていますね。
いくらボクが可愛くてもそれはダメ!
もうすぐ信号が青に変わりますよ。
ほら、歩道の信号が点滅してますから」
「・・・・・・・」