みんな自分。

それは未練というものだよ

と、今の自分が言う。

それって甘酸っぱい経験に違いない

と、未来の自分が言う。

過去の自分の意見も聞かなくちゃ

と、今の自分と未来の自分が過去の自分に言う。

えっ、オレ？オレの意見？

いやぁ、オレ、終わった人間だから。

過去から学ぶことだってたくさんあるさ

と、今の自分が元気付け、

歴史という学問があるのはそのためだよ

と、未来の自分もフォローする。

そう？じゃあ、オレにも存在価値、ある？

もちろんさ

と、今の自分と未来の自分が声を合わせる。

オレ、彼女とすっごくうまくいってるんだ。

だから今の自分や未来の自分には

どっか行っていて欲しいんだよ。

ずいぶんつれないことを言うじゃないか

と、今の自分が悲しそうな顔をする。

オレたちつながってるんだ

と、未来の自分が諭すように言う。

だってオレと彼女、別れることになるんだよね？

しかも未練たらたらでさ、と悲しみに油を注ぐ今の自分。

未練なんてそのうち消えていくし、

それはいつしか甘酸っぱいものに

変化していくさと未来の自分。

なんだよ、素直に聞いていれば好き勝手なことを！

いいよ、もう君たちには用はない。

ここで時間を止めさせてもらうよ。

ジュリア、これでいいかい？

ロバート、あなたってなんて素敵なの？

これでぼくたちの愛は永遠だね。

そうね、でもこのまま時が過ぎて

私たちの間が怪しくなって別れてしまうのだとしたら

何があったか、それ、知りたいと思わない？

思わない、思わない！

ロバート、あなた何か隠していない？

隠す？一体なんのこと？

6週間前の日曜日、あなたずっと電話に出なかったわよね？

そんな昔のこと覚えているわけないよ。

あっ、でももしかしたら絵を描きに観音崎まで行っていたかも。

絵？あなたいつから絵なんか描くように・・・・

なぁ、未来の自分、飯でも食いにいかねぇ？

そうだよな、オレたちここにいない方がいいよな。

この間できたばかりのパスタの店、

なかなか評判いいらしいよ。

じゃあそこに行こう。

おい、ちょっと待てよ！あのさ・・・・