空がどこまでも青く
晴れ渡っているのを
見ている時間が好き
とくに青が紺に変わる夕方は
吸い込まれていきそうで
思わず助けて〜って
心の中で叫んじゃうくらい
バカみたいだけど
そういう危険な自分が
なんだかおもしろい
見渡す限りの空が
灰色の雲に覆われて
朝の光が重たい時は
窓辺に花を飾りたい
なかなかいい考えでしょ
真似してもいいよ
私が選ぶ花の色は内緒
あなたが選ぶ花の色は?
えっ、あなたも内緒なの?
しとしと雨が降る午後は
クルマに乗って海を見に行く
よく晴れた日の海が
気持ちいいことは知ってる
だけど私は雨の海も好き
いろいろなことが
次々に思い浮かんでくる
楽しいことばかりじゃない
でも雨の日の海はいい話し相手
満ちた月が空に輝く夜は
バルコニーに椅子を出して
毛布に包まってワインを飲む
月が夜空を渡っていくのを
のんびり眺めながらね
月に話しかけるなんて
そんな野暮なことはしない
輝くことに一所懸命な月に
声をかけたら悪いでしょ?
**************
「これ、ジュリアが書いたの?」
「あっ!勝手に見ちゃだめー!」
「ごめん。テーブルの上に乗ってたから
なんだろうと思って・・・」
「仕方ないわね。でもこれからは
一言声をかけてね、ロバート。
で・・・どお?」
「ジュリアらしくてすごくいい!
よく書けてると思うよ。ただし・・・」
「ただし?」
「なんでダンボールの切れっ端に
しかもマジックなんかで書いたんだい?」
「あぁ、そのこと。
それはねぇ、近くに筆記具がなかったから。
あたしねぇ、書きたいって思った時に
すぐ書かなくちゃ忘れちゃう質なの」
「そこでぱっと目に止まったのが
ダンボールとマジックだったと」
「そーゆーこと」
「だけどこの分厚いダンボールの破き方、
なんだかすっごく大胆だね。
どうやったらこんなふうに破れるんだろう。
バイオミックジェミーみたいだよ」
「それって容姿の話?それとも力の話?」
「両方さ。詩の内容とダンボールが
いい感じに不釣り合いでインパクト大!」
「本気でそう思ってる?」
「もちろん!」
「この詩、気に入った?」
「今度うちにあるありったけのダンボールを
持ってきたいくらいだよ」
「まあ、ロバートったら(笑)」
「それで・・・」
「それで?」
「ダンボールを裂くところを見てみたい」
「じゃあまず手始めにロバートの髪の毛を
むしって差し上げましょうか?」
「ぅわ〜〜っ!」
「こら〜、待ちなさ〜い!」
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