新書太閤記を読み終えました。
Kindleで全巻セットが安売り。吉川英治さんの没年からおそらく著作権がきれて安くなっているものと思います。
おそらく小学6年生ぐらいのときに祖父の本棚にあって、読み終えたとおぼろげな記憶をしている。(宮本武蔵や三国志など吉川版はかなり子供の頃に読んだ)
しかし、その記憶はこの数十年の間に消え去っていた。もちろん完全には消え去っていない、最初のところについては記憶が残存していましたが、後半はほんとうに記憶がなかった。
当時おそらく小学生には秀吉や家康の部下たちや、敵方に出てくる武将たちが案外にしっかり描かれていたが、まったく記憶になく、大人になってから憶えてきた武将たちがほぼほぼしっかり描かれていて、案外吉川版太閤記というのは、戦国絵巻であったなと思った次第
そして最後はかなり尻切れトンボ。司馬版の太閤記よりもさらに手前でぶつっと切られた。
全体としては、太閤秀吉がとんでもなくスーパーな人物として描かれており、ここまでスーパーな人物だと、竹中半兵衛も黒田官兵衛もいらん、一個秀吉のみで天下統一されるわいな、と思わせるところがある。おそらく時代がヒーローを望んでいたのだろう。
そういったところは、現代の見方で言えば「うーむ」と思うところもあり、またであるからこそ少し中途半端なところで終了しなくてはならなかったのだろうなと思うのであります。
ところどころ、寄り道的な秀吉が出てこない話が挟まれていて、そこが面白さで劣る部分になり、読み進めるのが面倒になるところもあったかと思う。
結果読み終えるのに時間がかかってしまった。
が、全体としてはさすがに吉川英治さんが素晴らしい著述家であるということには異論は持たない。現代にこれだけの文章を読ませる作品は作れるのだろうか。
また、今の時代信長(そして光秀)がモテはややされ、ここんとこ秀吉は恐怖の支配者と描かれることがおおくなった昨今、原点のヒーローとしてのこういう太閤記も映像でみたいと思わなくもないのであった。
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