先ごろWOWOWでオンエアされたものをるどさんが録画して送ってくれました。
るどさん、本当にありがとうございました(*^_^*)
一応大学は関西で、一回生の頃文楽は見たことがあるのですが
さすがに三谷さんはうまくお料理して楽しく見やすい文楽になっていたので
ここに記事にいたしますm(__)m
まず人形浄瑠璃の難しいところ、なんせ言葉がわかりづらい。
独特の節回しというのか、大学の時はそれに苦しみましたので
三谷さんの文楽は言葉が聞き取りやすくすっと入ってくる関西弁!
時々今時の言葉を入れたりして親しみやすくなってました。
(ご本人も番組内でこのことに関して言及されています)
さて「其礼成心中」は、ご存知 近松門左衛門の
「曽根崎心中」のタイトルのパロディです。「それなりしんじゅう」
確かに後半見ていくと「それなりの心中」だし・・・ナイスタイトル(笑)
テレビ画面をデジカメで撮ったので見づらい部分多々ありますがm(__)m
まず前説、特製三谷さんのお人形が、携帯の電源は切ってくださいねなどと
ご説明。似てるよね!
時は江戸時代、大阪は曽根崎(今も地名は残っています。いわゆる「梅田」のあたり)
の森にて身分違いの恋に悩む、おせんと六助がまさに心中しようとしていたところへ。
近くで饅頭屋を営む半兵衛がそれを見つけてとめに入る。
死に急ごうとする二人をなんとかなだめて自分の店へ連れて行き、
饅頭を食べさせて、女房のおかつが人生の先輩として
「今死んだらあかん」となだめる。
「おせんさんはいいなずけと結婚しなはれ。今は六助さん一筋でも
めおとになったらその人に情が移ります」と説得し、
二人は気を静めて帰っていく。
折りしも近松が「曽根崎心中」という作品を書き評判になり
この世をはかなむ多数の男女が界隈で心中を図ろうとしていた。
見事おせん・六助の一命をとりとめたおかつの姿を見て
半兵衛が思いついたのは・・・
心中しようとしているカップルを連れてきておかつが「人生相談」に乗り
その上饅頭をちょっと色をつけて売り、金儲けするというもの。
実際、この計画は大当たり。あっという間(?)にひだりうちわの生活。
奥さんのおかつはネイルのお手入れまでしてもらうように(笑)
ところが、今度は近松が「心中天網島」という新作を発表。
今度は網島でかき揚げ天ぷらを売って一儲けたくらむ天ぷら屋が現れ
あっという間に饅頭屋は傾き(ホントにセットも傾いてた)
半兵衛は借金まみれ・・・
「わしの人生、アイツにもてあそばれまくりや」
怒り心頭の半兵衛は近松に直談判。文句を言いに行く。
しかし執筆に多忙な近松はまるで相手にしない。
「曽根崎心中の続編を書いて欲しい」と詰め寄る半兵衛に。
「そんならこちらが書こうという意欲が掻き立てられるぐらいの
心中を起こしてみなはれや」と一言。
↑こちらが近松さん。やっぱり大先生顔ですね(笑)
しかし近松さんも没後どんだけたったかわかりませんが
こんな風に自分自身が文楽の中に登場するとは思わなかったでしょう^^;
そんな中、半兵衛とおかつの一人娘・お福は
あろうことか、ライバル・網島の天ぷら屋の息子と恋仲に。
そのことを両親に告げると二人は腰を抜かさんばかりに驚くが。。
半兵衛一大決心。「よっしゃ!ここでわしらが心中を図れば
近松さんが書いてくれてまた曽根崎が話題になって饅頭が売れる。
お福は結婚させてやって、饅頭屋を二人で切り盛りしてもらおう」
曽根崎の森では誰も発見してくれない可能性があるので
(今まで森で心中しようとしていた男女はすべて半兵衛が発見)
じゃあ・・ということで淀川に投身することに。
ここがまた斬新でしたね。ビニールを張って「水」に見立てて
全身を使って泳ぐおかつと半兵衛。
文楽の人形は足も手も自在に動くのでもちろん可能なんだけど
今まで見れなかった姿にコーフンしました(笑)
※写真じゃ全然伝わらないですなm(__)m
結局水中の苦しさに耐えかねて出てきてしまった半兵衛。
おかつさんも彼の人工呼吸で息を吹き返します。
そこへタイミングよくやってくるおせん・六助。
二人は一度別れておせんは嫁いだものの未亡人に。
仕事が一人前になりのれんわけで店を出した六助と
晴れて夫婦になっていたのです。
「あの時のご恩返しに・・・」と大金を渡しにきたのでした。。
てなわけで(笑)最後はメデタシメデタシ。
熟年夫婦の愛の物語だったなぁと思いつつ、お芝居は終わりました。
これもまた文楽ではありえない「カーテンコール」
人形遣いの方たちも登場し人形に手を振らせてました。
どんな人が人形を操ってるのかお客様に見ていただこうという
三谷さんの配慮(なのかな?)も心憎い(笑)
三味線の方も手を振ってましたがノリノリで振ってる方
照れくさそうな方、個人差があって面白かったです。
三谷さんがコラムで前に書いてたと思うんですけど
人形遣いの人って私ももっとご高齢かと思ってたんですよね。
ところが若い方たちばかりで。思えば体力勝負ですから
人形を操りながら動くわけで。若くないと務まりませんわね。
今回の「其礼成心中」では、一日7時間人形を持ってお稽古し
そんなことは日ごろないそうですが、「新鮮で楽しかった」と
お1人の方がおっしゃっておりました。
いや、これは次回も(あるのかな?)是非とも見たいですよ、三谷文楽!!
るどさん、エエもの見せてもろてホンマおおきに♪
(最後、私も関西弁にしてみました)
三谷文楽を鋭く暖かく批評した記事も見つけたので
よかったら読んでみてくださいねm(__)m
http://www.nikkei.com/article/DGXBZO44969240U2A810C1000002/
~おかげさまで声はまだガラガラですが風邪はだいぶよくなりました
ありがとうございます(*^_^*)~
にほんブログ村
るどさん、本当にありがとうございました(*^_^*)
一応大学は関西で、一回生の頃文楽は見たことがあるのですが
さすがに三谷さんはうまくお料理して楽しく見やすい文楽になっていたので
ここに記事にいたしますm(__)m
まず人形浄瑠璃の難しいところ、なんせ言葉がわかりづらい。
独特の節回しというのか、大学の時はそれに苦しみましたので
三谷さんの文楽は言葉が聞き取りやすくすっと入ってくる関西弁!
時々今時の言葉を入れたりして親しみやすくなってました。
(ご本人も番組内でこのことに関して言及されています)
さて「其礼成心中」は、ご存知 近松門左衛門の
「曽根崎心中」のタイトルのパロディです。「それなりしんじゅう」
確かに後半見ていくと「それなりの心中」だし・・・ナイスタイトル(笑)
テレビ画面をデジカメで撮ったので見づらい部分多々ありますがm(__)m
まず前説、特製三谷さんのお人形が、携帯の電源は切ってくださいねなどと
ご説明。似てるよね!
時は江戸時代、大阪は曽根崎(今も地名は残っています。いわゆる「梅田」のあたり)
の森にて身分違いの恋に悩む、おせんと六助がまさに心中しようとしていたところへ。
近くで饅頭屋を営む半兵衛がそれを見つけてとめに入る。
死に急ごうとする二人をなんとかなだめて自分の店へ連れて行き、
饅頭を食べさせて、女房のおかつが人生の先輩として
「今死んだらあかん」となだめる。
「おせんさんはいいなずけと結婚しなはれ。今は六助さん一筋でも
めおとになったらその人に情が移ります」と説得し、
二人は気を静めて帰っていく。
折りしも近松が「曽根崎心中」という作品を書き評判になり
この世をはかなむ多数の男女が界隈で心中を図ろうとしていた。
見事おせん・六助の一命をとりとめたおかつの姿を見て
半兵衛が思いついたのは・・・
心中しようとしているカップルを連れてきておかつが「人生相談」に乗り
その上饅頭をちょっと色をつけて売り、金儲けするというもの。
実際、この計画は大当たり。あっという間(?)にひだりうちわの生活。
奥さんのおかつはネイルのお手入れまでしてもらうように(笑)
ところが、今度は近松が「心中天網島」という新作を発表。
今度は網島でかき揚げ天ぷらを売って一儲けたくらむ天ぷら屋が現れ
あっという間に饅頭屋は傾き(ホントにセットも傾いてた)
半兵衛は借金まみれ・・・
「わしの人生、アイツにもてあそばれまくりや」
怒り心頭の半兵衛は近松に直談判。文句を言いに行く。
しかし執筆に多忙な近松はまるで相手にしない。
「曽根崎心中の続編を書いて欲しい」と詰め寄る半兵衛に。
「そんならこちらが書こうという意欲が掻き立てられるぐらいの
心中を起こしてみなはれや」と一言。
↑こちらが近松さん。やっぱり大先生顔ですね(笑)
しかし近松さんも没後どんだけたったかわかりませんが
こんな風に自分自身が文楽の中に登場するとは思わなかったでしょう^^;
そんな中、半兵衛とおかつの一人娘・お福は
あろうことか、ライバル・網島の天ぷら屋の息子と恋仲に。
そのことを両親に告げると二人は腰を抜かさんばかりに驚くが。。
半兵衛一大決心。「よっしゃ!ここでわしらが心中を図れば
近松さんが書いてくれてまた曽根崎が話題になって饅頭が売れる。
お福は結婚させてやって、饅頭屋を二人で切り盛りしてもらおう」
曽根崎の森では誰も発見してくれない可能性があるので
(今まで森で心中しようとしていた男女はすべて半兵衛が発見)
じゃあ・・ということで淀川に投身することに。
ここがまた斬新でしたね。ビニールを張って「水」に見立てて
全身を使って泳ぐおかつと半兵衛。
文楽の人形は足も手も自在に動くのでもちろん可能なんだけど
今まで見れなかった姿にコーフンしました(笑)
※写真じゃ全然伝わらないですなm(__)m
結局水中の苦しさに耐えかねて出てきてしまった半兵衛。
おかつさんも彼の人工呼吸で息を吹き返します。
そこへタイミングよくやってくるおせん・六助。
二人は一度別れておせんは嫁いだものの未亡人に。
仕事が一人前になりのれんわけで店を出した六助と
晴れて夫婦になっていたのです。
「あの時のご恩返しに・・・」と大金を渡しにきたのでした。。
てなわけで(笑)最後はメデタシメデタシ。
熟年夫婦の愛の物語だったなぁと思いつつ、お芝居は終わりました。
これもまた文楽ではありえない「カーテンコール」
人形遣いの方たちも登場し人形に手を振らせてました。
どんな人が人形を操ってるのかお客様に見ていただこうという
三谷さんの配慮(なのかな?)も心憎い(笑)
三味線の方も手を振ってましたがノリノリで振ってる方
照れくさそうな方、個人差があって面白かったです。
三谷さんがコラムで前に書いてたと思うんですけど
人形遣いの人って私ももっとご高齢かと思ってたんですよね。
ところが若い方たちばかりで。思えば体力勝負ですから
人形を操りながら動くわけで。若くないと務まりませんわね。
今回の「其礼成心中」では、一日7時間人形を持ってお稽古し
そんなことは日ごろないそうですが、「新鮮で楽しかった」と
お1人の方がおっしゃっておりました。
いや、これは次回も(あるのかな?)是非とも見たいですよ、三谷文楽!!
るどさん、エエもの見せてもろてホンマおおきに♪
(最後、私も関西弁にしてみました)
三谷文楽を鋭く暖かく批評した記事も見つけたので
よかったら読んでみてくださいねm(__)m
http://www.nikkei.com/article/DGXBZO44969240U2A810C1000002/
~おかげさまで声はまだガラガラですが風邪はだいぶよくなりました
ありがとうございます(*^_^*)~
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なかなかおもしろい文楽ですね。
のらさんの文章で楽しませていただきました。
私は、文楽も歌舞伎も全く見たことないんです。
日本人として恥ずかしい?
ところで、風邪の方、快方に向かっているようでよかったです。
実は私も昨日から調子悪く、熱も出てきたので風邪みたいです。
(私も最初、鼻炎?と思ってたけど・・。)
熱が出るなんて何年ぶりだろう。
あまり風邪ひかないのがちょっと自慢だったのに・・・。
2,3日家にこもって、おとなしくしておきます。
ともかくお上手だなぁと。よく特徴をとらえてますよね(^_^)v
文楽って伝統芸能で、でも歌舞伎や狂言よりもっと
限られた世界といいますかね、それがもったいないので
人形劇好きの三谷さんとしては(笑)着手せずにいられなかったんでしょうね~。
大学のときは資料ももらって見たのにもうちんぷんかんぷんで「二度と見ない」と思ってたものですから^^;
三谷さんの文楽ならどうなるんだろうって気になってたんですが、いや~ホント面白くて。
昨日途中まででみるのやめようと思ったんですが(夜遅かったので)ラストまで見ちゃいました^^
私の文章で少しでも面白さが伝われば幸いです
いや、しかし歌舞伎見たことある方ってそんないないと
思いますよ。大体チケット代が高いのでね~東京で見ればカジュアルなお値段の席もあるみたいだけど、他の都市では1万は軽くしちゃうから・・・やっぱりちゅうちょしちゃいますよね。
文楽に関してはもっと限られた世界なので、見た方はほとんどおられないんじゃないでしょうか?
(私の知り合いで見たことある人は大学で同じ学科だった友人だけだと思います)
みのりさんもお風邪だったんですねぇ。。どうしてこうも毎日温度差があるんでしょうか。体がついてけないですよね。寒いのか?と思ったら急に夏日になったり本当になんとかして欲しい!!!
お大事にしてくださいね。知り合いの人も私も鼻水どばっ(笑)→微熱と同じケースだったんで・・・・
私もそんな風邪をひくタチじゃなかったはずなのに。。。
という感じであります、ハイ
文楽の魅力を再発見させてくれた三谷さんに感謝していたのですが、この度再演ということで本当に嬉しいです。できれば私も見に行きたいですが遠いので。きっと初演とはところどころ手を加えてこられると思います。(通常のお芝居でも初演・再演とちょっとづつ変えられるのが三谷さん流のようで・・・)
人形の動きも繊細で素晴らしいですよ。本当に命があるように見えてきますので。操る皆さんの技術が冴え渡りますね。
是非文楽観劇楽しんでいらしてください(*^_^*)このようなコメントを頂いて本当に嬉しいです。励みになりますm(__)m
事前にこのブログ読んだおかげで、開演前の前説の人形が三谷さんということがわかって、楽しめました。
わからなかったのは、会場の皆さんに手をあげてー?と三谷人形がふっていたのですが、なんだったのだろう?
ビニールの川の入水の場面も面白かった!人形ならではのですねー(笑)
太夫の位置も正面奥だったので、セリフが直接耳にはいるわけではないのですが、熱弁をふるう顔の表情で、雰囲気でひきこまれました。
改めて落ち着いて台本読むと、本当にわかりやすい現代の言葉で書かれていて、読みながら頭の中で答え合わせみたいに想像して楽しんでいます。
のらさんのレポートのおかげで今日の公演が倍楽しめました!ありがとうございます!
この文章でお役に立ちましたでしょうか?よかったぁ・・・
そうそう、前説は三谷さん人形なんですよ。で、「手をあげて」の件ですが初演と一緒だったら「はじめて文楽見る人は?」っていう質問をしたんじゃないかなと思います。(多分)
ビニールの川の入水のシーンよかったでしょう?あれは斬新で私もじかに見たい一番のシーンです。
太夫さんはいいお声で、でも通常の文楽ですと耳が聞こえても本当に何を言っているやらちんぷんかんぷんで。。。大学時代の私は「トホホ」という感じだったんですよ。
なのでわかりやすい言葉で説明してくれる三谷文楽はまさに「ブラボー!いいところに目をつけてくれた」と思っております。ああ名古屋公演もいつの日か実現しないかしら??
楽しまれたようで本当によかったです(^_^)v三谷ファンのひとりとして大変嬉しく思います。
またご丁寧に観劇後のコメントもくださって本当に感謝であります♪ビバ!文楽(*^_^*)
文楽は歌舞伎と違って新作が少なくまた躍動感が少ない。今回プログラムで書いているように文楽の基本を外していないというところが成功の秘訣でしょう。人形づかいと浄瑠璃と三味線の三位一体であり、人形を使って本当らしく見せる、
だから火や水を使ってはいけないし、
現代音楽もダメだし、人間を登場させてはいけない。その基本を外さなくて
しかも現代語を多用して浄瑠璃にし、
テンポよく動きも躍動感もありました。
娘がじだんだ踏むところの人形ツカイ
も素晴らしかったし、老夫婦が淀川に
飛び込んでからの演出も斬新でした。
文楽界の成功と言えましょう。みなさんのコラボだから。海外で成功したと言われる杉本文楽は、三味線を魅せたことや
バックを暗くし、人形ツカイを国宝級といえ顔を隠して人形にスポットを当てたことくらいが斬新でした。それにくらべて今回のはもっと工夫がありました。
曽根崎心中は実際の事件があってから
一年ほどで上演され大成功したそうで、
いわば現代であったわけです。戦前にも
いろいろチャレンジはあったようだけど、文楽での新しいチャレンジがどうも
少ないように感じていました。それでも
最近は文楽座結構客が入っていますけど。伝統を重んじているはずの文楽座の公演でトラのぬいぐるみに人間が入っているのがありましたが、結構笑いましたけど、違和感がありました。今回の三谷作品はそこのところを外していない。
ぬいぐるみが登場するのは基本を外している。予想された展開ではあるけれども
どんでん返しのスペクタクルもあった。
文楽に新しい展望をみせる快作で
ありました。