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釜山で本格的な韓国伝統舞踊鑑賞

2013-04-03 | 耳寄り情報

海外観光客のための常設公演「韓国の遺産(Heritage of Korea)」開催

釜山に国立の国楽院があるのをご存知ですか?

毎週金曜日午後7:30分から「韓国の遺産:Heritage of Korea」が行われています。

 

開催初日の3月8日、たくさんの外国人がこの公演を観覧するため国立釜山国楽院に訪れました。

「韓国の遺産:Heritage of Korea」では、「UNESCO」が指定した韓国の人類の無形文化遺産のうちの6作品を観覧することができます。


最初の公演である「宗廟祭礼楽」は、2005年APEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議の特別公演で上演されて以来の釜山初公演でした。

宗廟祭礼楽とは、朝鮮王朝の歴代王と王妃の神位(位牌)を前にして祭祀が行われた所を宗廟と言いますが、そこで祭祀を行う際に演奏された雅楽のことで、歌や演奏、舞を伴います。

宗廟祭礼楽 は500年以上前から伝承されてきた旋律を今に伝えるもので、世界で最も古い儀礼と言われています。厳かで雄大でありながら、優しい音色の宗廟祭礼楽が始まると、全ての観覧客が韓国伝統楽器の音色に息を呑んで聞き入っていました。


 次は「処容舞」です。処容舞とは新羅時代の処容説話に起源を置く舞で、大晦日に悪鬼を追い払い、王室の平和を祈願する宮中舞踊です。青は東、白は西、赤は南、黒は北、黄色は中央など、5つの方向を表す衣装をまとい、処容舞の仮面をつけて踊る様子は、怖くて邪気も逃げて行きそうです。しかし反面では怖いというよりは、韓国伝統の滑稽さ、そしてゆとりを感じ取ることができます。

 次に続くパンソリ「春香歌」は、女性にとても人気がありました。妓生である成春香(ソン・チュンヒャン)と両班の息子・李夢龍(イ・モンニョン)の身分を越えた恋愛を描いた物語で、二人が歌う春香歌は、ガラスケースの中の美しい人形が歌いだしたように、この上なく美しく聞こえました。

李夢龍が扇をサッと広げるたびに、風情を知る、その粋な姿に心が惹かれました。

 
次は朝鮮時代ソンビ(学者)たちが風流房で楽しんでいた独特な歌「歌曲」。これは時調という定型詩に曲をつけて、伝統楽器の演奏に合わせて歌われたものです。

 

次の公演は韓国の代表的な民謡である「アリラン」で、伝統楽器だけで演奏されました。「アリラン・アリラン・アラリヨ」という部分は地域ごとに固有のリズムとメロディーがあります。歌い方も歌詞もさまざまですが、どの「アリラン」を聞いても胸が熱くなるのはかわりません。

最後は「カンガンスルレ」でした。

 

これは壬辰倭乱(文禄・慶長の役)当時、李舜臣将軍が自国の兵士の数が多く見えるように村の女性たちを集め、海岸地帯の山に登って火を焚き、その周りを回りながら「カンガンスルレ」と歌い踊ったのが由来です。「カンガンスルレ」の時は舞台と観客が一つになって手拍子をしながら楽しんでいました。

 この日、いろいろな国の人が集まっている国立釜山国楽院は、外国の空港にいるような錯覚に陥るほどたくさんの外国人が来ていました。


韓国に来て2年ぐらいになるという日本人女性3人と一緒に観覧しましたが、「韓国の伝統公演が観覧できて、とてもよかった」と話していました。

 

公演が終わると出演者と記念撮影ができる「フォト・ゾーン」というスペースが用意されていて、多くの外国人がそこで写真を撮っていました。

国立釜山国楽院は小劇場「芸池堂」前に、緑茶や蕎麦茶などを用意し、韓国に来られた外国人観光客が簡単ではあるが、気軽に韓国のお茶を味わってもらえるよう配慮がされていました。


こうした公演は海外の外国人だけでなく韓国に在住している外国人にとっても興味深いもののようです。今回の公演を観覧したら、伝統音楽や舞踊の美しさに共感を覚えるようになるのではないでしょうか。


また、韓国人にとっても、韓国の伝統的な「ソリ」のルーツがどこにあるのか。韓国の伝統的な舞とは何があるのかを改めて知るいい機会となることでしょう。このような公演を単発的でなく10月まで続けると計画を立てたのもすごいことです。

「韓国を世界へ、世界を釜山へ」というスローガンを実現させる素晴らしい韓国の遺産公演が終わったとしても、ずっと続けて行われていくことを期待しています。

 

3月8日から10月25日まで毎週金曜日午後7時30分から国立釜山国楽院小劇場「芸池堂」でおこなわれます。全座席20,000ウォン。韓国人も観覧でき各種割引もあります。


交通アクセス

西面駅7番出口「ロッテホテル釜山」前から市内バス33番利用
釜田駅2番出口「釜田市場」から市内バス33番利用
楊亭駅5番出口「白鳥(ペクチョ)アパート」から市内バス63番、179番バスに乗車

お問い合わせ
051-811-0040   http://busan.gugak.go.kr


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