同じ年に、同じ国 同じ地方に生れ落ちた君
16歳になるまでは、顔も名前も全く知らないひとりの人だった。
同級生と言う以外、特に接点もなかったけど それでも君の事はよく覚えているよ。
18歳の夏、ふたりで寝台列車で九州まで行ったよね。
君は覚えてる?
アタシはちゃんと覚えてるよ。
夏休みの家族連れで満員状態の列車で、違う車両のチケットを渡されて。
「なんだか心細いな」と思いながら荷物を、上段の自分のベットに引き上げてぺタっと座っていたら
『いる?』って聞きなれた声がした。
カーテンを少し開けたら、アタシを少し見上げながら君が言った。
『コーヒー買ってきたから、飲もうよ』
列車に乗り込んでから同じ時間しか経ってないのに、アタシを迎えに来てくれたよね。
通路にある小さな腰掛に座って、3年間で一番長い時間を一緒に過ごして
一番長く話しをしたね。
君はいつも通りの落ち着いた話し方で、アタシの話にもゆっくりと頷いて聞いてくれてた。
自分達が今向かっている行く先さえ忘れてしまえるような・・・そんな時間だった。
他の部員のこと、監督のこと、クラスのこと、彼女のこと
君はゆっくりとたくさんの話題で楽しませてくれたっけ。
自分から話しかけるのが苦手だった君が、アタシにくれた唯一の君との思い出なの。
窓の外が街明かりの風景になった頃、就寝を告げるアナウンスでアタシたちは別れ、それぞれのベットへ潜り込んだ。
ガタンガタンと小気味よいリズムにいつしか眠ってしまったアタシは
次の朝、『おはよう』という声で起こされた。
手に駅弁とお茶を提げて『食べるでしょ?』と笑った君。
アタシの記憶は君のこの笑顔で止まってる。
あれからアタシ達は高校を卒業し、それぞれに道を歩いていた。
君のことも時々思い出しながら、少しずつ忘れていった。
「どうして?」と聞いても、君は答えてくれないね。
答えてくれても、アタシにはどうにも出来ないんだよね。
だって、君は君自身に負けたんだもの。
堕ちていく自分にブレーキをかけられなかったんだよね。
だから・・・底に行き着いてしまったんだね。
悲しいけど・・・
やりきれないけど・・・
悔しいけど・・・
それは君が選んだ君の人生なんだよね。
YUKIがね、「どこで間違えちゃったんだろうね。こんな終わり方は結びつかないよ」って言ってた。
でもそれって、君が一番思っていることだろうね。
どこで?
なにを?
どう間違えた?
人は間違える。 その間違いに気付く人と気付かない人がいる。
その間違いを気付かせてくれる人もいるけど、居なかったりもする。
正確には、気付かせてくれる人に気付けない自分というのかもしれない。
次の人生があるのなら、小さなことを大切に生きて欲しい。
あの日の君の笑顔を思い出すたび、アタシに胸は締め付けられる。
そして、君の笑顔によって
今のアタシの小さな幸せに気付くんだ。
とっても遠くに逝ってしまった君だけど、ありがとうを贈ります。
16歳になるまでは、顔も名前も全く知らないひとりの人だった。
同級生と言う以外、特に接点もなかったけど それでも君の事はよく覚えているよ。
18歳の夏、ふたりで寝台列車で九州まで行ったよね。
君は覚えてる?
アタシはちゃんと覚えてるよ。
夏休みの家族連れで満員状態の列車で、違う車両のチケットを渡されて。
「なんだか心細いな」と思いながら荷物を、上段の自分のベットに引き上げてぺタっと座っていたら
『いる?』って聞きなれた声がした。
カーテンを少し開けたら、アタシを少し見上げながら君が言った。
『コーヒー買ってきたから、飲もうよ』
列車に乗り込んでから同じ時間しか経ってないのに、アタシを迎えに来てくれたよね。
通路にある小さな腰掛に座って、3年間で一番長い時間を一緒に過ごして
一番長く話しをしたね。
君はいつも通りの落ち着いた話し方で、アタシの話にもゆっくりと頷いて聞いてくれてた。
自分達が今向かっている行く先さえ忘れてしまえるような・・・そんな時間だった。
他の部員のこと、監督のこと、クラスのこと、彼女のこと
君はゆっくりとたくさんの話題で楽しませてくれたっけ。
自分から話しかけるのが苦手だった君が、アタシにくれた唯一の君との思い出なの。
窓の外が街明かりの風景になった頃、就寝を告げるアナウンスでアタシたちは別れ、それぞれのベットへ潜り込んだ。
ガタンガタンと小気味よいリズムにいつしか眠ってしまったアタシは
次の朝、『おはよう』という声で起こされた。
手に駅弁とお茶を提げて『食べるでしょ?』と笑った君。
アタシの記憶は君のこの笑顔で止まってる。
あれからアタシ達は高校を卒業し、それぞれに道を歩いていた。
君のことも時々思い出しながら、少しずつ忘れていった。
「どうして?」と聞いても、君は答えてくれないね。
答えてくれても、アタシにはどうにも出来ないんだよね。
だって、君は君自身に負けたんだもの。
堕ちていく自分にブレーキをかけられなかったんだよね。
だから・・・底に行き着いてしまったんだね。
悲しいけど・・・
やりきれないけど・・・
悔しいけど・・・
それは君が選んだ君の人生なんだよね。
YUKIがね、「どこで間違えちゃったんだろうね。こんな終わり方は結びつかないよ」って言ってた。
でもそれって、君が一番思っていることだろうね。
どこで?
なにを?
どう間違えた?
人は間違える。 その間違いに気付く人と気付かない人がいる。
その間違いを気付かせてくれる人もいるけど、居なかったりもする。
正確には、気付かせてくれる人に気付けない自分というのかもしれない。
次の人生があるのなら、小さなことを大切に生きて欲しい。
あの日の君の笑顔を思い出すたび、アタシに胸は締め付けられる。
そして、君の笑顔によって
今のアタシの小さな幸せに気付くんだ。
とっても遠くに逝ってしまった君だけど、ありがとうを贈ります。
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