夕方早めにホテルに戻り、美味しい夕食でお腹も目も大満足
上階の広いお風呂で思い切り手足を伸ばして大きく溜息をつきながら脱力。。。
久しぶりにノンビリとした入浴時間
窓の外は海の黒い部分と対照的に町の明かりのキラキラが綺麗に瞬く
ふと、家族を思い出す。
ちゃんと食べたかな。調子悪くなってないかな。
悲しいけど何をしててもお母さんに戻る時間が必ずやってくる。
この島で話し込んでいくうちに言われた言葉
「旦那さんに感謝しないとね」
そうだねとわかったように返していたけど、心の底では逆なことを考えていた。
そうやって子育てはするものよ。主婦とは、母とは、妻とは・・・・うんざり。
下の子供が4歳になって上の子から数えて10年間母親業をしてきた。
10年ぶりに一人になって、自分のための旅に出た。
家族も大切だし、子供も可愛いし出来るだけ手を尽くしているし、それは嫌ではないけれど
自分の真ん中がスカスカになってしまっていたんだ。
自分の感情を○○業というフィルターに包んでから発信することが当たり前になっていくうちに
私自身の感情が色や弾力をなくしてカチカチになって粉々になってスカスカになってしまったんだ。
まだもうしばらく母親業を続けなければならないけど、
このタイミングで自分を取り戻して体の隅々まで深呼吸をしたい。
そう願ってこの島を拠り所に頼ってきたのだった。
アタシが思う幸せは良い妻でもいい母でもないところが私の家族の不幸なんだろうね。
きっとアタシは女としてはポンコツなんだと思えば割り切りも出来るし
“母ちゃん元気で留守がいい”はそのうち我が家の合言葉になるんだろうね。
答えの出ない問いかけを頭の中でしているうちに体は十分に温まった。
早く寝よう。明日は最後の日。フルーツのおばちゃんに会わないと因島をコンプリート出来ない。
翌朝目を覚ますと外がうっすら明るい。時計を見ると午前5時49分
窓に近づきカーテンを開けると日の出はまだだった。
輝きと共にゆっくりと山や海が色を取り戻す様をただじっと見ている。
弓削島のさらに奥の山がポチっと赤くなって次第に光る部分が大きくなり光も強くなってきた。
真っ赤な朝日だった。
サバンナの夕陽のような色。グイッグイッと音がしてきそうな力強さだ。
窓を開け、手をかざす。
空気は冷たいが手のひらは日に照らされほんのりと温かい。
生きている そう感じられる力強い朝日で嬉しい。この瞬間に出会えた事に感謝した。
感謝
この島についてからずっと感謝している。
ゆかりの地の人はもちろんだが、
バスの方向を聞いたおばさん。
土生小までの道を教えてくれたおじさん。
バスの時刻表が古いとバス案内所まで取りに行ってくれたおばさん。
はっさく屋のはっさく大福を取り置いてくれてた売店のおばさん。
道ですれ違うとき会釈をしてくれたたくさんの島の人。
一人なのに、全然寂しくなかったのはいつも島の人たちがそばにいてくれたからだったんだ。
今、心から感謝しているよ。ありがとう。
振り返ると部屋中がオレンジの染まっていた。
真っ直ぐに入る朝日をただ言葉もなく見つめていた。
お日様と共に寝て起きる。
単純なことだけど人間の生き方としては正解なんだろう。
この朝日を思い出したら、つまづいた時も前向きになれそうだ。
自然と島の人からたくさんのパワーを貰った。
ここを出るときはきっと寂しくないだろう。
家の窓から太陽をみたらこの朝日を思い出せる。
いつでもここに帰ってこれる。
そう思ったら何だか嬉しくなってきて着替えをしロッジの近くにある因島公園の展望台に向かった。
キラキラと光る瀬戸内の海。
新たな息吹きを感じさせる若緑の山肌。
潮の匂いがする風。
公園の桜の木もつぼみの桃色を強くしていた。
もうすぐ緑の島はピンクになる。
おじさんの言葉を思い出した。
「あの子らはこんなに小さい島から夢を叶えるために飛び出して必死に頑張って、
努力して、ファンのみんなに支えてもらっとる。
どこで生まれたからじゃない、信念を持てば願いは叶うんよ」
ズキっと刺さった言葉だった。
最後の日、ロッジを出て土生港からバスに乗り水軍城方面に向かう。
島の北は時間的にもこれ以上いけそうにない。
昭仁が少年時代を過ごした町。
母校の因北小を眺め子供達の元気な声を聞く。この小学校も合併されると聞いた。
近くの喫茶店にいってみたが休みだったのでまたバスで移動することにした。
港に戻るバス早くくるがあと20分ある。
ここにきて待つのは慣れた。今日帰るけど、次があるさ。
そんな思いだった。
天気も良かったので、新藤フルーツで葡萄とみかんを買った。
おばちゃんは忙しそうに見舞いかごを作っていた。
買い物だけ済ませ、桟橋に腰かけて甘酸っぱい果物をこの景色と一緒に頂いた。
海からの風が爽やかに吹く。
いつの間にか因島がだ~い好きになってた。
ポルノを知りたい旅だったがもういいや。ポルノはまたそのうち、追々でいい。
彼らも成長し都会の人として生活してるし、私自身前以上にポルノが好きと言える。
でもポルノよりも因島が好きになってた。
彼らの故郷だけど勝手に私の故郷にしてしまおう。
海を見ながらぼーっと考え事をしていて時間を忘れていた。
尾道へ戻らなきゃ。
うん、やっぱり寂しくない。
又来るからね~とその辺の人に手を振りたいぐらい。
来た時と同じ道を正反対の気持ちで眺めて行った。
上階の広いお風呂で思い切り手足を伸ばして大きく溜息をつきながら脱力。。。
久しぶりにノンビリとした入浴時間
窓の外は海の黒い部分と対照的に町の明かりのキラキラが綺麗に瞬く
ふと、家族を思い出す。
ちゃんと食べたかな。調子悪くなってないかな。
悲しいけど何をしててもお母さんに戻る時間が必ずやってくる。
この島で話し込んでいくうちに言われた言葉
「旦那さんに感謝しないとね」
そうだねとわかったように返していたけど、心の底では逆なことを考えていた。
そうやって子育てはするものよ。主婦とは、母とは、妻とは・・・・うんざり。
下の子供が4歳になって上の子から数えて10年間母親業をしてきた。
10年ぶりに一人になって、自分のための旅に出た。
家族も大切だし、子供も可愛いし出来るだけ手を尽くしているし、それは嫌ではないけれど
自分の真ん中がスカスカになってしまっていたんだ。
自分の感情を○○業というフィルターに包んでから発信することが当たり前になっていくうちに
私自身の感情が色や弾力をなくしてカチカチになって粉々になってスカスカになってしまったんだ。
まだもうしばらく母親業を続けなければならないけど、
このタイミングで自分を取り戻して体の隅々まで深呼吸をしたい。
そう願ってこの島を拠り所に頼ってきたのだった。
アタシが思う幸せは良い妻でもいい母でもないところが私の家族の不幸なんだろうね。
きっとアタシは女としてはポンコツなんだと思えば割り切りも出来るし
“母ちゃん元気で留守がいい”はそのうち我が家の合言葉になるんだろうね。
答えの出ない問いかけを頭の中でしているうちに体は十分に温まった。
早く寝よう。明日は最後の日。フルーツのおばちゃんに会わないと因島をコンプリート出来ない。
翌朝目を覚ますと外がうっすら明るい。時計を見ると午前5時49分
窓に近づきカーテンを開けると日の出はまだだった。
輝きと共にゆっくりと山や海が色を取り戻す様をただじっと見ている。
弓削島のさらに奥の山がポチっと赤くなって次第に光る部分が大きくなり光も強くなってきた。
真っ赤な朝日だった。
サバンナの夕陽のような色。グイッグイッと音がしてきそうな力強さだ。
窓を開け、手をかざす。
空気は冷たいが手のひらは日に照らされほんのりと温かい。
生きている そう感じられる力強い朝日で嬉しい。この瞬間に出会えた事に感謝した。
感謝
この島についてからずっと感謝している。
ゆかりの地の人はもちろんだが、
バスの方向を聞いたおばさん。
土生小までの道を教えてくれたおじさん。
バスの時刻表が古いとバス案内所まで取りに行ってくれたおばさん。
はっさく屋のはっさく大福を取り置いてくれてた売店のおばさん。
道ですれ違うとき会釈をしてくれたたくさんの島の人。
一人なのに、全然寂しくなかったのはいつも島の人たちがそばにいてくれたからだったんだ。
今、心から感謝しているよ。ありがとう。
振り返ると部屋中がオレンジの染まっていた。
真っ直ぐに入る朝日をただ言葉もなく見つめていた。
お日様と共に寝て起きる。
単純なことだけど人間の生き方としては正解なんだろう。
この朝日を思い出したら、つまづいた時も前向きになれそうだ。
自然と島の人からたくさんのパワーを貰った。
ここを出るときはきっと寂しくないだろう。
家の窓から太陽をみたらこの朝日を思い出せる。
いつでもここに帰ってこれる。
そう思ったら何だか嬉しくなってきて着替えをしロッジの近くにある因島公園の展望台に向かった。
キラキラと光る瀬戸内の海。
新たな息吹きを感じさせる若緑の山肌。
潮の匂いがする風。
公園の桜の木もつぼみの桃色を強くしていた。
もうすぐ緑の島はピンクになる。
おじさんの言葉を思い出した。
「あの子らはこんなに小さい島から夢を叶えるために飛び出して必死に頑張って、
努力して、ファンのみんなに支えてもらっとる。
どこで生まれたからじゃない、信念を持てば願いは叶うんよ」
ズキっと刺さった言葉だった。
最後の日、ロッジを出て土生港からバスに乗り水軍城方面に向かう。
島の北は時間的にもこれ以上いけそうにない。
昭仁が少年時代を過ごした町。
母校の因北小を眺め子供達の元気な声を聞く。この小学校も合併されると聞いた。
近くの喫茶店にいってみたが休みだったのでまたバスで移動することにした。
港に戻るバス早くくるがあと20分ある。
ここにきて待つのは慣れた。今日帰るけど、次があるさ。
そんな思いだった。
天気も良かったので、新藤フルーツで葡萄とみかんを買った。
おばちゃんは忙しそうに見舞いかごを作っていた。
買い物だけ済ませ、桟橋に腰かけて甘酸っぱい果物をこの景色と一緒に頂いた。
海からの風が爽やかに吹く。
いつの間にか因島がだ~い好きになってた。
ポルノを知りたい旅だったがもういいや。ポルノはまたそのうち、追々でいい。
彼らも成長し都会の人として生活してるし、私自身前以上にポルノが好きと言える。
でもポルノよりも因島が好きになってた。
彼らの故郷だけど勝手に私の故郷にしてしまおう。
海を見ながらぼーっと考え事をしていて時間を忘れていた。
尾道へ戻らなきゃ。
うん、やっぱり寂しくない。
又来るからね~とその辺の人に手を振りたいぐらい。
来た時と同じ道を正反対の気持ちで眺めて行った。