The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ。南北戦争期のアメリカ南部にある女子寄宿学園で、負傷した北軍兵士を拾って介抱する話。ソフィア・コッポラ監督作品。彩度低めで光と陰を印象的に使った映像が美しく、時代を感じさせる建物、調度品、ドレスなども素敵。ただ、屋内のシーンはめちゃくちゃ暗くて見づらい。映画館のスクリーンだったらいいんだろうけど、自宅のテレビで見たので…映り込みとかもあって近づいて目をこらさないとわからない。
物語は淡々としていて心理描写が足りないような気がしたけど、淡々としているからこその怖さもある。北軍兵士は女をたぶらかして学園に居座ろうというクズというかヒモというかそんな感じだったけど、学園長以外は男に免疫がないからかあっさりたぶらかされて。少女たちはともかく先生はもっとしっかりしようよと思ってしまった。そのうち男の本性が露わに。
脚を切断しないと壊死するというのは本当だったのかなぁ。もしかしたら男の動きを封じるためでは…とチラッと思ってしまった。あとキノコを生徒に取りに行かせるのはいかがなものかと。残酷だよ。学園長や先生が外に行くと怪しまれるから? 男が友人と心を許す彼女の取ってきたキノコなら食べると思った? あるいは彼女しか毒キノコを見分けられない? しかし、男が出ていくと言っていたのに殺す必要があったんですかね? まあ、あのときにはもう彼の信用はゼロだったんでしょうけど。
ところで「欲望のめざめ」ってちょっとずれたタイトルのような。