それはさておき(え?)、今回はなんといっても真賀田四季ですよ。再登場です。まったく見くびってなどいなかったのですが、想像の斜め上を行ってました。最後の最後には、本を落としそうになったくらいビックリしたさ!(本当に手が滑った…)。
真賀田四季を理解しようとすると、頭がパンクしそうになります。もう「わかりません」としかいえない。ええ、だってワタシ凡人ですから。でも、彼女がどういう思考をしているのかは、ものすごく興味があります。本当に彼女自身の言葉どおりなのか、彼女自身が把握しきれていない部分はないのか、気になりまくりです。
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以下、書きなぐりネタバレ感想です。まとめようという気力がなかった…。
真賀田四季がナノクラフトに匿われているとすれば、ユーロパーク全体が彼女の庭みたいなものなので、萌絵と犀川の動きは筒抜けだろうなとは思ってました。萌絵はホテルの外へ電話をかけに行きましたが、ホテルの外もユーロパークの中だし、やっぱり盗聴されているだろうなと。犀川もユーロパーク内のネットカフェから接続したり…。犀川先生ともあろう人が、それでごまかせると思っていたのだろうか。メールをためておくより、よほどヤバい行為だと思うのですけどねぇ。
それにしても、まさか刑事さんまで嘘だったとはね。萌絵の知り合いの刑事さんということで、疑いもしませんでしたよ。ナノクラフトに引き抜きされていたなんて…。まあね、殺人事件が起こったのに、普通に開園していたので、いいのかなぁと思っていましたが。あの大掛かりさ加減はけっこう好きです。殺人事件さえ起こらなければ、確かに面白い実験だったかもしれません。
私は、真賀田四季はもう死んでいるのではないかと思っていたのですよね。彼女は物理的なものに価値を見いださかった。だから、自分にとって理想の状態、つまり思考のみの存在になったのではないかと。真賀田四季をすべてプログラミングして、会話も思考も動作(ヴァーチャルですが)も自由に出来るようになっていると。クライテリオンでの会話のプログラムが伏線なのかなと。でも、技術的に突飛すぎるというのが、気にかかっていたのですよね。コナンの世界なら許されても(ベイカー街の亡霊の話…すみません…)、もうすこし現実よりなこの世界ではね。
途中、もう死んでいるという発言があって、もしかして? と思ったのですが、結局は生きていたということで。彼女の一部が死んだ、という意味だったのですね。
すべては犀川と歩きたいがため。情報だけで良かった。だから、ヴァーチャルで良かった。ヴァーチャルで良かったのか、ヴァーチャルが良かったのか…。塙社長も藤原副社長も、子供みたいだと言っていましたが、四季がいちばん子供みたいですね。そうしたいと思ったから行動する、それだけなのでしょう。だからこそ、純粋な意思だといえるのでしょうか。
瀬戸千衣が真賀田四季だとわかったときにはもう…! 瀬戸千衣って、きゃあきゃあ言っていた、あの可愛らしい若奥様(イメージ)……ええっ、うそっ…と絶句。あまりにも真賀田四季のイメージと遠い人物だったからさ。こんな普通の奥様のふりをするだけの社会性と演技力があったことが驚きだ。犀川も気づかなかったくらいだしね。口元を押さえてたのは、特徴のある鋭角の顎を隠すためだったのだろうか。
1年もの間、こうやって演技をしていたのも、すべては犀川と歩くためですか…?
瀬戸千衣の夫の名前「瀬戸幸朗」。四季の父親「左千朗」からとったのですかね。何を考えてこの名前にしたのでしょうか…。普通の人だったら、父親のことが忘れられないからとか、父親を慕っているからあたりになりそうですけど、真賀田四季だからなぁ。そんなセンチメンタルな理由とは思えないけれど、最近は矛盾を受け入れるようになったというからどうだろうか。
引っ越しのときに下から手を振っていた男性は旦那さん? ただの引っ越しお手伝いの人? 漫画家とはいえ、一度も姿を見せなかったら、近所の人たちが怪しむと思いますし、やはり旦那さん(役?)の人はいたと考えるのが自然。その男性かどうかわかりませんけれど。
「また」と言っていたから、犀川と四季は、いずれまた会うのだろうか。約束はないけれど、いつか会うだろうと思っているということ? 犀川は、最後までずっと萌絵ではなく四季を向いていたのが、ものすごく気がかりです。
萌絵は大丈夫なのかな。大部分の萌絵は死にたがっていると四季が言っていた。お父様とお母様のもとへ行きたいと願った。でも、犀川に懲りたかと問われて、悩んだ末に「いいえ」と答えた。不安だけど、大丈夫であると思いたい。
四季が萌絵の中に見た希望というのは何だったのだろう。他にもいろいろ気になることが残っています。もういちど Fを読み返して、コレも読み返してみよう。
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というわけで、S&Mシリーズは終わりです。えらく不安を残す終わり方でしたが…。でも、このシリーズを読むことが出来て良かったです。面白かった。私のために書いてくれたと勘違いしそうになった(笑)。いろんな意味でね。
アマゾンさんオススメされて知ったのですが、なにやら四季の四部作があるとか。四季 春、四季 夏。秋と冬は新書では出ているけど、文庫ではまだなのかな? 真賀田四季の生い立ちとかが書かれているらしい。これは読まなければね!
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