モンスター。連続殺人犯となった娼婦を描いた犯罪伝記映画。モンスターというから平然と人をなぶり殺しにするようなのを想像していたけど、全然違った。ただ、だんだんと人を殺すハードルが下がっていくのはやるせなかった。最初は正当防衛だったのに、最後には明確に強盗目的に。一時、真面目に働こうという気にはなってたんだけどね。学位も経験も知識もないのにホワイトカラーばかり目指して、工場を勧められたらブチ切れる。いや、工場で働けよ! アイリーンを見ているとやはり教育は大事だなと思ってしまう。自己責任もあるけど、そもそも子供のころの環境は自分でどうにもならないわけで、彼女のような境遇の子をきちんと救って教育を受けさせないといけない。まともに教育を受けられないとマイナスからのスタートになってしまう。そこから這い上がるのは難しい。特に彼女のように頼れるひともいなくて地頭もよくないとなると。セルビーに盲目的に一途なのも愚かだなと思ってしまった。彼女はアイリーンを愛していたわけではなく、ただ家を出て楽しく暮らしたいから利用していただけのような。でも、もしかしたらアイリーンもわかっていたのかも…もともと死ぬつもりだったけど、セルビーと出会うことで生きようと思えたわけで、そう考えると彼女に固執するのもわかる気はする。